第127話 破天荒な修学旅行の始まり
なんだか色々とあったが、遂に修学旅行当日を迎えた。
ここでは思いっきり楽しむぞと意気込んでいたのだが、バスの座席順で玲狐達が揉め始めた。
もはやいつもの事なので誰も止めようともしなかったのだが突然、奏蘭さんが動き出した。
「もう、いつまで言い合ってるつもりなの!」
「奏蘭さんは黙ってて下さい!これは大事な事なんです!」
「そういう事なので、姉さんはみなさんの元へ戻って下さい!」
「・・・そんなこと言うんだ、ならあなた達には悪いけど秘策を使わせて貰うわ」
「姉さん、一体何をする気ですか・・・?」
「今回の修学旅行で飛行機とバスで移動する時、優くんの席は先生の隣にします!!」
「そ、そんな横暴な!!」
「そ、そうですよ!!」
「あなた達、少しは周りの迷惑も考えなさい」
そんな訳で、俺だけ移動の際は先生の隣の席という事で決着が着いた。
・・・いや、これでも十分目立つんだが。まぁ、いつもよりかはマシだろう。
席順が決まればいよいよ沖縄に向けて出発だ!
背後からものすごい視線を感じるが、なるべく振り向かないようにしよう。
しかし、隣に先生が居るって物凄い緊張するな。もう一人は知り合いだけど。
「ねぇ、優くん」
「なんですか、奏蘭さん」
「実は、今沖縄に璃亜ちゃんが居るのよ」
「へー・・・え、姉さんが!?」
「うん、お仕事でたまたま行ってたみたいなんだけど日程が被ってたみたいで」
「だから最近やけにそわそわしてたのか・・・」
「でね、私答えを聞かせて貰うって言ったでしょ?その場所に璃亜ちゃんも来るから」
「まぁ、そうなるよな」
「時間を教えておくわ。修学旅行三日目のお昼の自由時間に」
「それまでに決められてなかったら・・・?」
「その時はこっちで処理させて貰うわ」
「・・・わかった」
「あなたの答え、待ってるわね」
この修学旅行で俺は・・・誰かに、告白する。
そのための準備もしてきた。後はいつ、どのタイミングでそれを伝えるか。
全ては自分次第だ。
お読みいただきありがとうございました。