第105話 破天荒な生徒会
亜衣さんから生徒会会長を任されてから二日後、遂にメンバーを全員集め終わったらしく放課後に生徒会室で集まることになった。
今回はどんな人達と共に学校を盛り上げていくのだろうか、メンバーはまともな人がいいな。
生徒会室に近づいて行くと、段々声が聞こえて来た。ふむ、既に何人かいるようだな。
俺以外全員もう居る、なんて事は流石にないよな。そう思って俺は扉をノックした後生徒会室に入って行った。
「こんにちはー」
「お、やっと来たわね」
「遅かったわね、優さん」
「優くんが一番最後だ〜」
「お兄ちゃん、どこか寄り道でもしてたの?」
「な、何か頼まれごとをしていたのかもしれないですよ」
「優さん、席はこちらですよ」
「お、おう。ありがとう・・・」
「じゃあ全員揃ったところで、生徒会の引き継ぎ始めよう!って言いたいんだけど新しく入った人達、自己紹介をお願いします!」
「はーい、二年二組 稲荷 玲狐です。燐ちゃんと一緒に会長である優くんを支えます!」
「一年一組 榊原 美玖です!書記に任命されました」
「他の人達は去年と変わらないわ、あえて言うなら優さんが会長になったことくらいかしら」
「あの、亜衣さんこんなこと言うのも何ですが本当に大丈夫なんですか?」
「大丈夫よ、私の目に狂いはないわ。さ、自己紹介も済んだことだし、引き継ぎ始めるわよ」
亜衣さんが書類の分け方やまとめ方、行事の進行方法、などをホワイトボードに書きながら説明し始めた。
まぁいざという時は前に書いたマニュアルを見れば完全にこなせるので問題はない。
しかしだ、メンバーが知ってるやつばかりだから気持ち的にはかなりやりやすい環境ではあるんだが、これ今後の学校生活で今までよりも多くの冷たい視線が来そうなんだが・・・はぁ、こればかりは慣れるしかないか。
引き継ぎの確認を終えた所で一つ疑問が出た。そう、美玖のことだ。美玖は陸上部に所属しており、近いうちに大会も控えている。
その練習がある間は生徒会に出られない日だってある、それをどうするか今決めなければならない。
みんなで考えていると、ふと玲狐が何かを思いついたようだ。
「じゃあ美玖ちゃんが居ない間は私が書記手伝うよ!」
「で、でもそれじゃあ燐さんに負担が」
「大丈夫でしょ?燐ちゃん」
「まぁ、可能ではあります」
「優くんも異論ないよね?」
「いや、まぁ燐が出来るって言うんなら・・・」
「安心してください、確実に終わらせます」
「燐、さっきとセリフが変わってないか?」
「気のせいです」
そんなわけで美玖が部活で居ない間は玲狐が代わりとして美玖の仕事を、燐が玲狐と自分のをやることになったが、流石に燐に任せすぎるのも良くないと思い、俺が玲狐の分の仕事を負担することになった。
これで生徒会の引き継ぎも終わり、亜衣さんは完全に引退となった。
なんだかんだで二年間一緒に活動してきて頼りない一面もあったが、いざという時は頼りになり、とても印象に残る良い先輩だった。なんていえば多分亜衣さんは調子に乗ってしまうだろうから、卒業するまで言わないことにしておこう。
でも、これだけは言ってもいいか
「亜衣さん」
「ん、何?」
「お疲れ様でした」
「え、なになに!?急に改まっちゃって」
「次は俺がこの学校を良くしていきます」
「・・・うん、応援してるからね!」
「はい!」
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