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第102話 破天荒な女子会

文化祭を終え、家に帰ると優はすぐさま自分の部屋へ向かった。一緒に帰っていた七海は優を追いかけようとしたが、璃亜に止められた。

そして、そのままリビングへと連れられ、そこには美玖と優の母が座っていた。

七海達も合わせると優以外が全員集まっている。


「優はもう行った?」

「えぇ、迷い無しに部屋に向かったわ」

「そう、それなら後は明日のお昼くらいまでは寝てるわね」

「あ、あの、何かするんですか?」

「明日、この四人で旅行に行くわよ」

「そ、そうなんですね。で、でも、なぜ優さんだけを抜かして?」

「たまには女同士で出かけたい時もあるじゃない?」

「私はお兄ちゃんがいてくれた方が嬉しいんだけどね」

「でも誘ったところで行くとは言わなそうだし」

「そうなんだよねー、お兄ちゃん明日は動く気無さそうだし」

「それに優のことは燐ちゃんと玲狐ちゃんに任せてるから大丈夫よ」

「・・・ねぇお姉ちゃん、すごく心配なのは気のせい?」

「いいえ、私も嫌な予感がするわ」


そして迎えた旅行当日、家から出ようとした時にバッタリ燐と遭遇していた。

あまりタイミングの良さに璃亜と美玖は怪しんでいたが、母親はと言うと燐と話し合っていて、その数分後燐に家の鍵を渡していた。

燐は鍵を受け取ると、みんなに挨拶をしてから家の中に入って行った。

多少の心配はあるものの燐がいる間は何も起きないだろうと璃亜と美玖はそう思っていた。

今回四人で向かった先は、璃亜の知り合いがいる温泉街だ。四人は家のことを忘れて、今の状況を楽しんでいた。

洋服屋でいろんな服を見たり、浴衣を買ってみんなで着て歩いたり、アクセサリーショップでブレスレットやネックレスなど小物を見たりもしていた。優がいるときはあまり長く見れなかったところも、今日はいないので好きなだけ見ていられる。四人は買い物を心の底から楽しんでいた。

ある程度のお店を回りきった辺りで一旦旅館へチェックインをしに行くことに。

璃亜の案内のもと、予約した旅館へ向かって行くとそこは七海の両親が経営しているホテルだった。

入口へ行くと、早速七海の両親が出迎えてくれた。七海も久しぶりの両親との対面である。

きっと積もる話もあるだろうと思い、しばらくの間七海とは別行動となった。

璃亜達は案内された部屋でお茶を飲みながらくつろいでいた。

その間、母さんがどこかへ電話を掛けていたようだけど、話を聞く限り家に掛けてるみたいね。

優は今やっと起きて来たらしい。時刻はすでに16時過ぎ、過去最高記録が更新されてる・・・

流石に母さんも少し呆れていた。まぁ、無理もないと思うけど。

母さんが電話を終えて戻ってくると、ちょうど七海も戻って来ていた。

・・・っていうか服が従業員のものになってる?

どうやら久しぶりにこっちで働いていきたいらしく、私達もそれを了承した。そのついでに七海に温泉へと案内してもらった。

ふぅ・・・気持ちいぃ。久しぶりの温泉はいいわね、ゆっくりもできるしそれに家のお風呂と違って足も伸ばせるし。

この後の夕飯も待ち遠しいわね、たくさんの海鮮とあったかいお鍋。今からでもお腹が減るわ。

優は何食べてるのかしら、燐ちゃん料理上手いからなんでも作ってくれそうだけど。

数十分後、温泉から出た私達は旅館での夕飯を楽しみ、七海と一緒に娯楽室の卓球を楽しんでから眠りについた。

とってもリラックスできた一日だったわ。優もゆっくりできているといいのだけれど・・・

しかし、現実はそううまくはいかなかった。

四人が満足して家に帰り、玄関を開けたその時、やけにお酒の匂いが漂って来た。

急いでリビングに向かうと、そこににはお酒の瓶が三本ほど転がっており、満足そうに何かを抱えて眠っている奏蘭、机に寄りかかりながら力尽きている玲狐と、キッチンで寝込んでいる燐、そして奏蘭に抱き枕にされながら気を失っている優の姿があった。

わ、私たちがいない間に一体何が起きていたの!?

お読みいただきありがとうございました。

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