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第100話 破天荒な文化祭 二日目

楽しい文化祭もいよいよ最終日に突入した。それにより生徒達の熱気はさらに上がっていった。

今日見回りをするのは昨日居なかった二人と俺だ。

昨日の時点では、一年生のところだけ見ていたので、今日は二年生のところだ。

果たしてどれほどクオリティが上がってるのか楽しみだな。


『只今より、文化祭二日目を開始します』


お、ついに始まったか。なら俺達も動かないとな。

とりあえず自分のクラスから行くか。何やってるのか気になるし。

早速三人で俺のクラスである1組へ向かった。ほぉ、ウチのクラスもお化け屋敷か。

これは亜衣さんと来たかったな。なんなら明日もう一回ここに来るか。

早速お化け屋敷の中に入る。おぉ、井戸が設置されてる。

こっちには墓石か。流石にこれ偽物だよな?なんか妙に本物っぽいんだが・・・

というか二人とも全く怖がってる様子はないな。やっぱり亜衣さんがいいリアクションするな。

まぁでも結構作品に手も混んでるし、結構高得点が期待できるな。

そうだ、ついでに玲狐のクラスの所にも行くか。

俺が行くなんて伝えてないからな、もしかしたら居ないかもしれないが。

昨日はクレアと玲狐は午前から働いてたようだし、今日は午前に遊びに出ているだろ。

何しろやってる店がメイド喫茶だからなぁ・・・あの二人がいると、ロクなことにならないんだよな。

まぁ、順番的には次がここだしな。さっさと入ってサクッと終わらせるか。

意を決して優達は玲狐達のクラスのメイド喫茶に入って行った。

すると、目の前にはとびっきりの笑顔をした玲狐とクレアが立って居た。


「「お帰りなさいませ、ご主人様!!」」

「げ、お前ら居たのかよ・・・」

「優くん、私が席に案内するよ?」

「いえいえ、私が案内しましょう。玲子ちゃんは後ろの二人の相手をお願いするわ」

「いやいや、そっちはクレアちゃんの方に任せるから!」

「こ、この二人ってここまで仲悪かったかしら・・・?」

「いや、普段はこんなことあんまりないんだが」

「た、多分昨日優さんに会えなかったからこうなってるのかも・・・」


その後も数分の間、玲狐とクレアの口喧嘩は続いた。

しかし、途中でクレアが諦めてとある案を提案した。


「もう、仕方ないわね。それなら二人で優くんを案内しましょう」

「まぁ、それなら・・・」

「そういうわけなので」

「優くんご案内で〜す!!」

「・・・あれ、もしかして私達置いてけぼり?」

「そ、そうですね。ほ、本当は私達もいなくてはならないのですが、あ、あの二人の目がこ、怖いです・・・」

「明らかにこっちに来るな、って訴えかけてるわね。とりあえず私たちは他のクラスへ行きましょう。犠牲は付き物よ」

「ゆ、優さん。すみません・・・!」


え、どういうわけか二人がクラスを出て行くんだが・・・って、委員長さりげなく俺のこと犠牲とか言ってなかったか!?

あれ、そういえばこのクラスやけに静かだな。いまの時間ならお客さんが出入りしているはずだがお客の声はおろか、俺達以外の声が聞こえねぇ。

ま、まさかこいつら俺達が来るのを分かってて生徒を買収したのか!?


「さ、優くん何にする?」

「今ならオプションつけ放題ですよ。一緒に写真を撮ったりもできますし、オムライスに文字も書いてあげますよ?」

「な、なぁ一つ聞いていいか?」

「なんですか?」

「他のクラスの奴らはどうしたんだ?お前達以外に人がいないような気がするんだが」

「あぁ、みんなには一時的に出てもらったよ」

「みんなは助かる、とか言ってくれましたよね」

「まさかのみんな納得済みなのかよ。ありえねぇ・・・」

「ささ、優くん楽しみましょう」

「昨日できなかった分、たっぷりサービスしてあげますからね!」


女の子二人にこんなに迫られてもときめかないことなんてあるんだな。もはや恐怖すら感じてるわ。

何も言わないうちに玲狐は勝手に奥の方へ行くし、その間に逃げようとしてもクレアに捕まるし。

もう、このクラスに俺の逃げ場なんて一つもなかった。

その後二人には一口ずつオムライスを食べさせられたり、ツーショットの写真を撮ったり、教卓の前で二人が歌う歌を聞いたりしていた。

・・・ん?あれ、意外に普通のサービスじゃないか?始めのはやり過ぎりすぎだが。


「どう?少しは疲れとれた?」

「立て続けに見回りをしてるって燐ちゃんから聞いてさ、私たちが癒してあげようと思って」

「玲狐、クレア・・・ありがとう!!俺はてっきり二人は自分の欲望のためにやっているのかと勘違いしていたが、そうじゃなかったんだな!」

「へぇ、優くんの中で私達ってそんなイメージなんだ〜」

「ちょっと傷つきましたね〜」

「ぐ、す、すまん」

「まぁいいけどさ〜」

「この後はどうするんです?」

「とりあえず逃げていったあいつらと合流するかな」

「そっか」

「色々とありがとうな。おかげで元気出たわ」

「それなら良かった!」

「今度またしてあげるわよ?」

「機会があればな。それじゃあな!」


優は玲狐達のクラスを出て、七海達を探しに向かった。

見つけた頃には既に二人でクラスを回りきった後だった。

あれ、今日俺何もしてなくないか・・・?

お読みいただきありがとうございました。

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