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 Xア$-&ィ、%Φ-porsguk? -2

今回は短め、もう一個の話と背景がリンクしてきました。

 巻き起こった土埃に包まれたとき、ティアは、ふと慣れ親しんだ感覚にその身を委ねていた。

『どこかで感じた……、ううん見た……、という訳でもない。何だか、不思議な感覚……』


 何かを今懐かしく感じていた。………?


 違う! 現在(いま)が懐かしいのではない。

 懐かしい視線を感じているのだ、一体どこから?


 首を動かさないようにして、視線を誤魔化す。居た!


 光学迷彩で、姿を隠しているのにも関わらずに建物の影からこちらを見ている男性の姿、ティアをきちんと認識しているようで手招き………違う! あれはハンドサインだ。


HaRHaL(ハロハロ)T-a(テァ)?』


 最初のHaRHaL(ハロハロ)は、意味のない呼びかけ。古代ニッポン州での『もしもし』に該当する。

 T-a(テァ)? は、つまり『ティアか?』 と。

 面影は誰かに似ているというだけの人物。髪の色も、目の色も見たことの無い色彩で目がどうしてもそちらに向いてしまう。

 ………何故、そのハンドサインを知っている?


 あの多くの仲間が散っていった魔騎士(サタヌート)との戦いの中、モニター監視しているときにマイクの電磁波を感知されないためのハンドサインが必要になって、ティア(わたし)ともう一人とで造った、………もう一人? ふたりで周りの人間に教えていったという経緯があるから、なにも、知っているのがもう一人ダケっという訳でも無いが。

「ティアか?」などと先輩風を吹けるのは、ヒリュキとガルホだけだった。


 ガルホ・スターロ? という風には何となく思えない、纏う雰囲気が違う気がする。

 では、ヒリュキ・サトー?

 でも本当に彼? 地球とはいえ、この世界で逢う?


 でもやっぱり気になって、ティアもハンドサインで返す。


HruK(ヒリュキ)?』、手首を返しながらサインを送る。指の向きや本数、形で母音と子音を(あらわ)し、手首を返すことで疑問系にする独自の型。


 何年も前になるあの時の別れから、現実への復帰のような不思議な感覚。


 だが、確実と分かるまでは軽々(けいけい)と動くわけにもいかない。

 宇宙で別れたハズの人間が何故この地に居るというのか、分からないことが多すぎた。 まあ、確かに、私たちは落っこちてきたのだけどね。


 だから、思いをせる。

 あの戦いの最終盤にあって、眩しい光から告げられた言葉はなんだったのか、と。


『あなた達の代価は支払われた。次の大地が待っています』……と。


 だが、あのとき、この言葉を受け取ったのは本当に私たちだけだったんだろうかと、疑問を持って掛からなければならないようだった。


 どうやらここは、あの……。


 そう思ったとき、巨大な軍馬にまたがった偉丈夫(いじょうふ)が道のど真ん中に現れた。


「どうした。あのディノニクスタイプの頭は? 客人たちはどこだ? また、例の企画とやらか? マグナ・マキマキ・キフォン都市長、出てきて説明しろ」

 あの偉丈夫、都市長を呼び捨てに出来る存在のようだ。


 しかし、例の企画とは一体何だ?

 ワタルとチヅルが互いに見交わして、「アレは……」「ん、だろうな」などと頷いている。

Ta(テァ)He()-Boss』、


「ボスだって、ヒリュキが……」

 ここの統治者マキシ・マクド・マクシ・マキシマであることは、ヒリュキとのハンドサインで判明した。


「ヒリュキって、あのヒリュキ?」

 チヅルの記憶にあるヒリュキの姿はひどく神経質な話し方の青年である。

「そう、そのヒリュキ」


「長期の休暇を取って、旅に出たかもっていう話だったけど、今ここでハンドサインを使ってる彼はあの時のままの彼なんだと思う」


 そう言って、光学迷彩の中から、コッソリと抜け出ると、ヒリュキの元へと気配を絶ちながら、歩み寄っていく。リュウとティアの二人だけが為し得るテクニックだった。

 ヒヨコのチャーはヒリュキの知らない存在なので、怪しまれると思いチヅルに引き留めて貰っている。


「久し振りだね、ティア。」 

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