『 Human After All 』
『 Human After All 』
なにも
ひとりで
いるということに
我を見失われたために
くだらないことに
人生を
苛まれ
ひとりでいる広野を
盗まれ
そのために
でもすくなくとも
ぼくじしんの
広野でいえば
いや
ぼくじしんの
広野だけでいえば
べつに
ぼくは
なにも
えらそうにいおういおうと
たくらみやゆめを
わかるさ
たいせつなのはみうしなわないことだ
あのゆめを
えんぎや
ことどもや
いっしゅの
かうんたかるちゃや
ぼくはたんにそれぞれのぶぶんや
ひとの
いわば
個室というものが
すくなくとも
それにちかいなにかや
でもとにかく
それぞれには
それぞれの
蜜の蕾には
わすれられてはならないてつかずの
きせきの
いや
ぼくはおおげさやうそやたったひとつのかけらでも
みうしなわないために
できないよ ぼくにはこうした
ことどもや
おおくの
ものごとや
あらゆることどもは
きっとさ むずかしいのさ たぶん すくなくとも できない
ぼくにはさ
うらみだとかさ
あるいは
それに変わるなにかや
べつにぼくはなにかを
なにかの
すでに世界の
あらゆる宮殿のいみにおいてせかいの
たったひとつにうしなわれたせかいの
きょぞうにのみこまれたせかいの
しらないさ
なにも
ぼくがはじめから
こうしたものごとに
でも
きっとそうさきっと
たぶん
ぼくらは
しっていたのさその
あるやぶれめを
やぶれめを
あのやぶれた
きえたうんめいや
やぶれに
あのすてさられたやぶれめじしんも
――なにも
だってきみだってきっとはじめから
やぶれたうえに
ぼくらは
だいじょうぶさ きっと だいじょうぶさ
なく蜜があるのは
ないて
ぬけたようにないて
ぼくのかたや
かたやせなかやうでや
いつもそういう
そういうとこで
でも
ぬれたたねが
ぬれはてたくちびるが
もえるあたたかなぬれた舌が
いつかきえたほとりで
きえたほとりの奥まりで
さきっぽの逃げ遅れた故郷で――。
ひとで――。
国で――だとすれば
家で――。
しんじられてきた あらゆる きっと
あわててぬすんだこきょうを
きえたこきょうを
きえたこきょうのほとりで
しんよくにまみれたほとりで
あるいは
いつのひか あの ぼくは
――すくなくとも ぼくは
たとえ
きえてなお
きえはてたとほうの袖で
だって――
だれだって――、 しらないさ きっと だれもが だれだってさ
だれだってさ――。