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短編集

特殊育成キット『地球』

作者: 縁 笈留

昔はみんなこういうのを夢見てたんじゃないでしょうか?地球を作るなどの物語…。

そういえばドラえもんでも同じような話ありましたよね。地球を作る物語。

 この前、私の13歳の誕生日がきた。誕生日は1月11日。覚えやすくていいってみんなによく言われる。

 誕生日はいつもと同じで、ちょっと豪華なご飯と誕生日のケーキを家族みんなで食べながら笑いあう。そのあと、お父さんからのプレゼントをもらうだけ。

 そして、私の誕生日プレゼントは「特殊育成キット『地球』」というものだった。説明書によると、これは私達が住んでいる「地球」を擬似的に作れるものらしい。

 さらに説明書を読んでみると難しい説明とかやり方が書いてあったけど、なんとか理解できそうなのでやってみることにした。

 私は物心がつく前から育成ゲームが好きだったし、プラモデルも好きだった。このプレゼントからはお父さんが私の事をよく考えて選んでくれたんだとわかるので、尚更頑張りたいと思う。




1、地球を作りましょう


 説明書によると、よく手を洗ってから粘土Aと粘土Bを混ぜ合わせて、丸い形にする。丸い形にしたら、それにスプレーAをかけて暗い所に一晩置いておくとのこと。

 スプレーをかけすぎると時間の進み方が早くなるので注意。とも書いてあった。


 キットには3つ地球を作れるように予備が2つある。予備があるからもし失敗しても作り直せるらしい。

 説明書に「よく手を洗ってから」という文が赤文字で書いてあったので大事なことなのだと思う。だからきちんと手を洗いに行くことにした。




 台所まで来たけれど、私は背が小さいから水場までは届かない。台所の隅っこに私専用の足場があるからそれを使うことにする。

 いつも通りに足場を運んできて、手を洗うことにしよう。その足場は牛乳パックを集めてガムテープでぐるぐる巻きにしただけのやつなので、上に乗ると少しグラグラする。でも、それもいつも通りなのであんまり気にしない。

 蛇口を捻ると、キュキュッと音がなってから水が出てくる。


 冬だから冷たいだろうなぁ……。

 ええい、女は度胸!

 ……冷たいどころじゃない…………痛い……。


 水に手を入れるとやはり冷たくて、なぜか首を竦めてしまう。冷たいのを我慢しながら手をこすり続けて、洗い場の三角ボックスにおいてある石鹸を取り出す。この石鹸は、私の通っている学校に置いてある石鹸と同じ物で、レモンと同じ色をしていて、レモンと同じ香りがする。

 私のお気に入りの石鹸なのだ。


 よくわからない自慢を心の中でしておきながら、私は石鹸を使い、ゴシゴシと手を洗う。水によって手が冷えてしまい、私の手が真っ赤になっている。

 でも、手が真っ赤になってる代わりに、あまり冷たさを感じなくなったのでイーブンということにしよう。


 水め……なかなか強敵であった……。

 次は負けないんだからな!私は成長する女なんだから!

 つ、次は夏に勝負をしようじゃないか!さらばだ!




よし、気分を取り直して粘土を混ぜよう!

 えっと……説明書によると粘土をよく混ぜてないと生物が誕生しなくて、混ぜすぎると海とか雲ができなくなる…らしい。

 うーん……どれくらいに混ぜればいいんだろ……。とりあえず粘土Aの茶色と粘土Bの黒色が見えなくなるくらいでいいよね


 まずは粘土Aを右手に持つ。なんだかヌルヌルムニュムニュと音が出そうなくらいに柔らかい。

 そして粘土Bを左手に持つ。こっちは消しゴムくらいの柔らかさ。


 左手に粘土Bを!右手に粘土Aを!合体!

 ちゃっきーん。


 などと息巻いて混ぜようとしてみたけれど、粘土Bが硬すぎて混ざらない……。仕方ない…最終兵器を取り出そう!

 私は机の引き出しをあけ、図工セットを取り出す。この箱の中にはたしか混ぜ混ぜ棒があったはず……。


 で、でたー!

 男子が30センチ定規の次に武器にしそうなやつ!

 この、勇者の冒険初めの装備にありそうな感じがたまらない。

 長さが肘くらいまであるから振り回しやすい。……前に振り回したらお母さんに怒られたからやらないけど。

 でも誰かが私に冒険をしろと囁きかけてくる気もするの!

 勇者王に、俺はなる!

 ……一人で何やってるんだろ。




 気を取り直して、粘土を混ぜることにする。粘土Bの上に棒を置いて、上から体重をかける。すると、段々と粘土Bが伸びていく。

 ある程度伸びたら、そこに粘土Aを置いて捏ねて伸ばして捏ねて伸ばしてとやっていく。


 よ、ようやく終わり!

 綺麗なまん丸になんとかなった。色は汚いけど。

 うわー…手がベトベトになった……。

 もっかい手を洗わなきゃ……。

 冷たいのに、冷たいのに!


でも手を洗う前に、スプレーAをかけておくことにする。

 説明書によると、スプレーAをかけると時間の進みが早くなり、スプレーBをかけると時間の進みが遅くなるらしい。

 スプレーAを3回かければ、1時間で生物が生まれる頃になるらしい。

 私はスプレーAを地球に向けてシュッ、シュッ、シュッと三回かける。


 うぅ……臭い…。

 このスプレーなんかすっごい臭う……。

 とりあえずこの地球は押入れで作ろうっと。


 粘土を片手に持ち、押入れを開ける。押入れの中は薄暗くて、なんかしっとりとしてる。

 暗い所に一晩置くだけらしいので、押し入れはちょうどいい。

 画用紙を敷いて、そこに混ぜ終わった粘土を置く。粘土はソフトボールより少し大きいくらいで、私の小さい手だと、ぎりぎりで持てるくらいだ。




2、太陽と月を作りましょう


 この特殊育成キット『地球』では、稀に人間に似た生き物ができるらしい。普通は四足歩行の動物ができるとかなんとか…。

 でも太陽とか月がないと地中にもぐって暮らしてたり、水の中で生きていたりなどと私達と違う部分がうまれちゃうらしい。

 だからなるべく環境を一緒にするように太陽と月を作ってあげるとのこと。

 説明書によると、太陽は太陽の素にお湯をかけて3分経つとできるらしい。月は月の素に水をかけて3分経つとできるらしい。

 太陽の素は黄土色で、とっても柔らかい。まるでお味噌汁に入ってる豆腐。ちょっと強く握るだけで砕けちゃいなくらいだ。

 月の素も同じくらいに柔らか。でも太陽の素よりもザラザラしてる。これが鮫肌?


 それにしてもなんでお湯と水なんだろう……。

 もしかして太陽が温かくて月が冷たいからかな?

 それに3分って…カップラーメン?


 とにもかくにも、作業をするためにキッチンへと向かう。私の部屋の隣がキッチンだから行き来が面倒臭くなくて楽だ。

 キッチンの中には小さなテーブルがあって、そこにお湯の入ったポットが置いてある。水は台所にある水でいいだろう。……たぶん。


 よかった…ポットにまだお湯残ってた。

 とりあえずバケツに太陽の素を浸せてればいいかな? あ、でもバケツ一個しかないや…。

 月の素は……底が深いお皿を使おう。




 チンッと、よく響く金属音が聞こえた。たぶんキッチンに置いてある3分タイマーの音だろう。

 私は気持ちが高ぶるのを感じながら、太陽と月の様子を見に行くことにした。


 太陽だ! 太陽だ!

 すごくピカピカしてる!

 でも月は見た目がそんなに変わってない……。

 手で覆いかぶせると、光ってるのがうっすらとわかるくらい。

 なんか残念だ。




 私は熱々の太陽をキッチンミトンで持ち、自分の部屋に戻る。キッチンミトンをつけているのに、熱さを手のひらに感じる。きっと直に触ったら火傷するだろう。

 そんなことを思いながら、説明書を読む。説明書によると太陽を地球に置くと、勝手に浮いて自転と公転を始めるようになるらしい。

 説明書の通り、押入れに置いてある地球に太陽を置いてみるとする。


 う、浮いたぁぁ! すっごいすっごい!

 本物の太陽みたい! あったか~!

 あ、じゃあじゃあ、月も浮くのかな……わっ! 浮いた!

 やった! なんか楽しくなってきた!

 このままどんどんと作っていこう!




3、地球に生物の素をあげましょう


 地球を作ってから一時間経った。上手く行けば生き物が生まれているはずだろう。

 私は手に汗を握りながら地球の様子を見てみることにした。私の始めての告白の時も、こんな感じになったことをふと思いだした。


 きちんとできてるといいなぁ……。

 粘土Bと粘土Aを混ぜすぎちゃったような気もするし、月は水道水で作っちゃったし……凄く不安。


 地球は……茶色と紫色が混ざったような色になっていた。

 もうそろそろ生物ができはじめる頃なんだけど、なにもできてない……。ゴロゴロとしたよくわからないものがあるだけだ。


 やっぱり失敗しちゃったのかな?

 ……残念。恐竜とか見てみたかったのにな。


 落ち込んているのが自分でもよくわかるけど、まだなんとかなるかもしれないと淡い期待を持って説明書に目を通す。

 説明書には……地球が綺麗な紫色になっていなければ生物は生きていけません。と書いてあった。

 なぜか分からないが目の前の景色が歪んでいる。鼻につぅっと何かが通った気がした。ずずっと、何かをすするような音も聞こえる。


 なんだろう…。なんだろう…。

 すする音がとても近くから聞こえる。

 それが煩わしいと感じると、ますます目の前が歪んでくる。

 あぁ…私、泣いてるんだ……。

 私には生き物を作る資格がないのかな……。

 もうやだ……。このまま大声を出して泣いてやりたい。出る涙がなくなってもずっと喚いてやるんだ。そのあとはふて寝してやる。そのあとは晩御飯も食べないでやるんだ。それで…それで……。

 ……はぁ…やだ…やだよ…お父さんが、パパが私にせっかく買ってきてくれたのに…失敗したなんて…。どうしよう…どうしよう……。

 そういや失敗した時のための予備があったはず…。

 どうしよう……作り直そうかな? それとも、もうちょっと待ってみようかな?

 …………もうちょっとだけ待ってみよう。




 未練たらしく私は地球を見守ることにした。押入れの前で体育座りになり、ぼうっとしながら地球を見続ける。

 ……幾分立っただろうか。それは10分だったかもしれないし、一時間だったのかもしれない。

 ただぼうっと見ていた私には時間の感覚なんてほとんどなかったことだけは確かだ。


「……ぁ、ぇ」


 言葉がでないとはこういうことだろうか。何か喋ろうとするが、喘ぐだけである。

きっとぼうっとしすぎて、目の前の状況に気づかなかったのだろう。私の目の前にある地球はとても鮮やかな紫色をしているのだ。

 そしてその地球はグルグルと自転している。

 いったい何が起きたんだろう。




 とりあえず生物ができる環境はできたらしい。

 でも自然発生はもうできないらしいから、生物の素をいれることにする。


 説明書によると、生物の素をいれると微生物というのが地球に生まれるらしい。

 でも、それには海がないといけないらしくて、海が自然にできていないときは液体Aを地球にかけてあげるとのこと。

 液体Aを地球にかけたら、すぐに離れておくようにって書いてあった。

 とりあえず早速液体Aを地球に全部かけてみる。


 すると、液体Aがじゅうじゅうという音を発しながら蒸発した。そして地球の周りには水蒸気が集まっている。

 すぐに離れないといけないのはこのためだろうか。水蒸気に手を近づけるだけでも熱さを感じる。これは触れたら火傷どころじゃ済まないのかもしれない。

 そして、蒸発せずに残った液体Aが地球の表面を覆っていく。しばらく経つと、水蒸気は一部に集まって雲のようになっており、地球は液体Aで包まれている状態になった。

 液体Aで埋まっているが、大陸とか大丈夫なのだろうか。

 私としては段々と失敗が目立っているからけっこう心配だ…。

 でも予備があるから大丈夫。そう、予備があるから…。




 さてさて、続きをしましょうか。

 生物の素を液体Aに包まれた地球に入れる。生物の素は風邪薬のように粉状になっていた。

 白い粉が液体Aに浮いていて、シュワシュワと炭酸のように音を立てている。

 なんだか飲めそうだと思い、苦笑する。




 とりあえずこのまま3時間待つとのこと。

 スプレーAを2回かければ1時間で済むらしいけど、失敗することもあるらしいから今回はきちんと3時間待つとしよう。


「ごはんよー」


あ、ママが呼んでる!

ごはん食べて、テレビ見て、お風呂入ったころには3時間経ってるかな?




4、大陸を作ってあげましょう


 お風呂に入ってポカポカ気分になった私は今までの鬱憤を晴らすべく、張り切って地球を作ろうと決意した。

 とりあえず地球はどうなってるのだろうか。


 ………お風呂?

 地球からは湯気が出ており、先程入ってきたお風呂に酷似している。しかし、地球をよく見てみると、泡がポツポツと出てきているのがわかる。

 ………炭酸温泉?

 手を近づけてみるがさほど熱くないため、沸騰しているということはないだろう。

とりあえずは説明書を読んでみるとする。


 説明書によると、気泡が出ているのは海底火山などができている証拠らしい。

 付属品のヘラを使って大陸を作ってあげたり、火山を上にあげたりするとのこと。

 図工は苦手だがやるしかないだろう。私は今、とても燃えているんだ。




 世界地図を見て、なるべく同じようにつくろうとしたが失敗した。ヘラを使って大陸を固めるのだが、気泡ですぐに崩れたりなどしてしまうのだ。

 結果的には全ての大陸が繋がっている奇妙な地球ができてしまった。直そうとがんばってみるものの、地球の表面はすっかり固まっていて、ヘラ如きでは直せないだろう。


 これは少し残念な結果になってしまったがまだ私は諦めない。

 せめて恐竜が産まれるまでは頑張りたい。


 とりあえずこれが終わったら12時間置いておくらしいので、今日はこのままもう寝ることにする。

 明日にはマンモスとかできてないかな……。




5、氷河期を終わらせましょう


 驚いた…。

 私はいつものように朝起きて、顔を洗って、ご飯食べて、歯を磨いた。

 そして地球を見に行ったら……。

 綺麗に凍っていた……。


 また失敗したのかと思って説明書を読んでみると、これは正常らしい。

 昨日、沸騰していた状態から段々と熱が覚めていったが、それの延長線上なる状態らしい。

 そして凍っている地球に液体Bをかけて大陸を露出させるとのことだ。

 とりあえず液体Bをかけてみよう。


 またなんか水蒸気が……。

 あっ! 地球ができてる!!

 なぜか大陸が別の場所に動いてるし、海がきちんとできてる!


 私は失敗してなかったんだ!


 液体Bをかけると地球を覆っている氷が溶け、湯気が出てきた。

 そして氷が全て溶けると、そこにはまさに地球と呼ぶべきものができていた。

 私は胸の高鳴りを抑えながら説明書を読む。

 説明書によるとスプレーAを5回かけて3分たったら、スプレーBを8回かけるとのこと。


 なんて面倒な…しかもスプレーA臭いやつじゃん!




6、人類を進化させましょう


 スプレーAの匂いはなんとかならないものだろうか!ペンキと牛乳を混ぜたような匂いは私の顔を歪ませてくる。

 スプレーBは無臭だったので安心した。しかし……匂いがないのはそれはそれでなんかさみしい気もする。




 ともかく、作業が終わったので生物ができているはずだ。だからそれの確認をすることにしよう。


 あ、いた……。

 ここからだと毛玉にしか見えない何かが蠢いている。

 目を凝らしてみると、その毛玉は猿のようだ。

 なんていったっけ?アウステ……アウステロピクス?

 たしかそんな感じだった名前のはず。


 生物ができてるのは嬉しいけど続きだ。続き!私は人間がみたいんだ!

 説明書によると液体Cをかけると世界に変動が起こるらしい。

 なにが起こるのかわからないので不安もあるが、説明書に書いてあるのでやってみることにした。




 そして説明書にはスプレーAを8回かけて5時間待つと、現代社会になるって書いてある。

 またスプレーAか!!!臭いんだよ!臭うんだよ!何回やらせる気だよ!!

 はぁ…また手を洗わないと…。そして5時間かぁ……何してようかな…。




7、実際に見てみましょう


 お正月なので近所の友達と縄跳びしてきた。

 縄跳びって疲れるけど楽しいよね。ピョンピョン!ってさ。

 それは置いておいて……地球はどうなってるのかな。


 ……お城!ビル!でっかいビル!タワー!なんじゃこれー!


 なんかすっごいなぁ…。

 今までにスプレーAをたくさんかけたからか、凄い勢いでビルができたり、壊れたり、さらにでかいビルができたりしている…。


 えっと…説明書!!応答せよ!




 んー……?スプレーBで地球の速さをゆっくりにしたあと、付属品のルーペを使うと中の様子が詳しく見れたりするらしい。

 イヤホン繫げると音も聞こえるんだって。イヤホンどこに繋ぐのさ…。

 とりあえずイヤホンをパパから借りてこよっと。




 パパの部屋にはヘッドホンしかなかった……。まぁ、イヤホンと変わりはない!…はず!

 ヘッドホンってもしゃもしゃしてるのが耳にあたるからなんか嫌なんだよね。

 パパのヘッドホンは凄く大きくて重い。それをつけている私の頭も一緒になって重くなる。

 さてさて、中はどうなってるのかな……。


「千沙ー!ごはんー!」


 あ、ママが呼んでる! 早くいかなきゃ!

 地球はご飯食べてからでいいや!


「はーい!今行くー!」


 私は急いで部屋を飛び出す。地球に集中しすぎたせいか、もうお腹がペコペコになっているのだ。




 ご飯 ゴーヤチャンプルーだった…。卵は好きだけど、ゴーヤ嫌い。臭いしまずい…スプレーAの次くらいに臭い。

 なんで沖縄の人はこんなものを料理にしてるんだろう……。


 さーて、気を取り直して地球地球っと!

 って、あああぁぁぁ!スプレーBかけるの忘れてた!


 私が急いでスプレーBをかけ、地球の速さを元に戻す。

 そして地球を見てみると、そこには今私が住んでいるような世界があった。

 ビュンビュンと車が空を飛び、ぐるぐると捻れたビルが立っている。

 見事に20XX年の地球という感じだ。これは面白くなってきた予感がする!

 地球の南極当たりにヘッドホンのコードが刺さりそうな所も見つけたし……。ではではー、ヘッドホンつけてー、ルーペを用意してー……ごー!


「これにより地球は時間の歩みが段々と速くなっていることが分かり……」


 ルーペで覗いた場所はどこかの学校のようだ。ガラス張りの学校だから、なんとか向こうの様子が見える。

 しかし、なにか難しい話していて私には理解できそうにない。それに、なぜかこれを聞いていると頭が痛くなってくる。

 他の所を見ようかな。


「ニンジンきらいー!」


 次に見た場所はさっきの学校の近くの遊園地。どうやら家族連れで遊園地に来たみたいだけど、子供が駄々こねてるね。

 ……私もゴーヤとかピーマン嫌い!他の所を見に行こう!


「ハハハ、ニッポン! オタク文化ネ!」


 外国の言葉わかんない……って、ここ日本なんだ…。

 すごいなぁ……。感激だなぁ……

 今度は適当な場所を見てみたが、どうやらここは日本のようだ。周りのビルには漫画に出てくる女の子がたくさん貼り付けてある。

 あ、そういえばさっきからみんな日本語喋ってたね。とりあえず、外国語はわかんないし他の所を見に行こうっと。


「ふんふんふーん♪」


 あ、私に似てる人がいる!そっくりさん発見!

 次に見た場所はさっきとは違い、少し田舎な感じだ。

 私の住んでいる所に似ている気もする。


「お、千沙じゃないか!」


 え……私と同じ名前?

 すごい偶然もあるものだなぁ…。

 さっきから凄いことの連続であんまり驚かないや。


「あ、パパー!こんなところで何してるのー?」


 この男の人も私のパパと似てるし……。はぁー、ドッペルゲンガーってやつだっけ?

 ふと、ドッペルゲンガー会うと死ぬという都市伝説を思い出し、背筋が寒くなった。

 や、やだなぁ…。怖くなってきたよ…。

 他の所行きたいのだけれど、なぜか目が離せない。怖い。


「今日は千沙の誕生日だろ?だから誕生日プレゼント買うところなんだ」


 この前、これと同じようなことをやった覚えがある。

 デジャヴというやつだろうか。ドッペルゲンガーと相まって、恐怖が心を侵食していく。

 体が堅い。強ばっている。とても…怖い。

 これ以上聞いたら心が壊れるという確信めいた予感も感じる。

 怖い。聞きたくない。怖い。目を離そう。怖い。体が動かない。怖い。


「えーと……特殊育成キット『地球』?なにそれー」

私達は本当に地球に住んでいると言えますか?

もしかしたら特殊育成キットに住んでいる一人なのかもしれない…。


ふと上から視線を感じたときありませんでしたか?

もしかしたら誰かが見てるのかもしれませんよ?



実はこの小説の主人公もその中の人です。

つまりは俗に言う、無限ループ物です。


裏話的な物

・地球が失敗したはずなのに復活していた理由

 この小説の主人公を作った人が予備を使って作った。

・主人公の性格が段々と成長している理由

 特殊育成キットによって半ば強制的に精神が成長している。

・ママが呼んだ時、心が元に戻った理由

 人は誰しも心に仮面を被っているのですよ(キリ

・所々にある幼い思考の理由

 半ば強制的に精神が成長させられている副作用みたいなものです。キャラが安定してないわけじゃないです。

・なんで水蒸気って言った後、湯気とか言ってんの?それくらいの違いもわからないの?

 主人公が水蒸気と勘違いしただけです。一人称なのでこういう勘違いを書いてもいいんじゃないかと判断しました。ミスリドを誘ってるわけでもなんでもないです、誤解してしまったのなら謝ります。

・アウストラロピテクスも知らないのか?作者無知乙!

 私は知っています。しかし、私には13歳の少女がアウストラロピテクスを知ってるのかがわかりません。

・液体Cなんなんだよ!伏線かと思っただろ!

 一応伏線です。拾ってない伏線です。これをかけたことにより、世界が繋がったわけですね。

・お正月なので縄跳びってなんなの?正月バカにしてんの?

 私のとこでは正月は縄跳びしてたんですよ……。

・パパとかお父さんとか呼び方が安定してねえな

 ねだる時や甘えるときなどにパパと呼びます。

・パパの部屋にヘッドホンしか置いてなかった理由は?

 私の父の部屋にヘッドホンしか置いてなかったからです。私の部屋にもヘッドホンしかありません。ありていに言えば、イヤホンの形状がわかりません。

・てめぇ、ゴーヤさんディスってんじゃねぇよコノヤロウ!

 ゴーヤーチャンプルー、私は大好きです。でも友人が嫌いでした。その言い訳が臭いだとかで……。

・お前にとって、カタカナは外国の言葉なのか?

 違います、すみません。そういう訳ではなく、ただ私が外国語が苦手なため、カタカナ表記にしているだけです。

・オチ、なんか弱くない?

 ただの私の表現不足です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最後のあとがきを見て、ようやく物語の趣旨がつかめました。 もしも、現在の人類が特殊育成キッドのなかで生きているのだとしたら、現在の社会問題などは、創り主から見ればどう映るんでしょうかね。 …
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