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一矢報いるために  作者: ぽーりー


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5−17 暴走



第五章 最終話






エミリーとロバートは大神殿の会議室に呼び出されていた。

ロバートは大理石の円卓に頬杖を突き、エミリーは姿勢よく椅子に腰掛けていた。

しばらくすると、扉が開いてルーズベルトとロイが入って来た。


「待たせたな」


ロバートとエミリーがさっと席を立つ。


「父上、なんで俺たちを大神殿に呼んだんですか?」


ロバートが不思議そうに尋ねると、ルーズベルトが険しい表情で口を開いた。


「お前たちに会わせたい人がいる」

「会わせたい人?」


ロバートとエミリーはきょとんとした顔でルーズベルトを見つめた。


二人は黙ったままルーズベルトの後に付いていく。

階段を降りて地下に行くと、廊下に控えていた神官が重厚な扉を開いた。

ルーズベルトに続いてロバートとエミリーも部屋に入ると、そこで目にした光景に二人は驚愕した。


「「!!」」


部屋に鎮座されていた棺の中に、目を閉じたレオナが横たわっていたのだ。


「お母様・・・」

「なんで・・・」


エミリーは両手で口を覆い、ロバートは呆然としていた。


「レオナはヘイマド山脈にいた・・・そして、私と話している時に毒を飲んだんだ・・・」

「!!」

「・・・母上は・・・自殺したってことですか?」


ロバートが信じられないという顔でルーズベルトを見つめた。


「そうだ・・・最後は・・・私がとどめを刺した」

「「!?」」


エミリーは青ざめた顔でその場に座り込んだ。

ロバートは唇を噛み締めてルーズベルトを睨みつける。


「なぜ・・・ですか?解毒することも出来たんじゃないんですか!?」


その言葉にルーズベルトが首を振った。


「いや・・・これで良かったんだ」

「!!」

「な!?良かったって、なんだよ!!」


ロバートがルーズベルトに掴み掛かろうとするのをロイが阻止した。


「ロバート様!落ち着いて下さい!最後まで話を!!」

「離せ!!お前には関係ないだろう!!」


今にもルーズベルトに殴りかかる勢いだ。

ロイは仕方なく魔法を詠唱してロバートに拘束魔法を掛けた。


「お兄様!?」


両腕を背後で縛られたロバートを見たエミリーが叫ぶ。


「エミリー様も!どうか落ち着いて下さい!!」


ロイが声を張り上げると、エミリーはグッと口を(つぐ)んだ。

ロイが目で合図を送ると、ルーズベルトが口を開く。


「16年前の竜災を起こしたのは、レオナとレオナの兄のライオリー・リンベルだ」

「!?」

「レオナはそれを私に自白して、死を選んだんだ」

「そんな・・・嘘です!!」


ロバートは両腕を縛られたまま叫んだ。


「母上がそんなことをするはずがありません!!調べ直して下さい!!何かの間違いです!!」


ロバートがルーズベルトの足元に縋り付く姿を見たエミリーが嗚咽を漏らす。


「うぅ・・・」

「証拠もある・・・間違いない・・・」


ルーズベルトが唇を震わせながら告げると、ロバートは放心状態になって床に座り込んだ。


「そんな・・・母上は一体何のためにそんなことを・・・」

「アメリアを殺すためだと、レオナは言っていた」

「兄上の母上を・・・?」

「そうだ。アメリアを憎んでいたと・・・」


それを聞いたエミリーが叫んだ。


「あぁぁぁぁ!!」


エミリーの体中に鋭い痛みが走る。

体がカッと熱を帯びて意識が混濁(こんだく)する。


「!!」


それに気付いたロイが咄嗟に魔法を詠唱した。

次の瞬間、エミリーを中心に爆発が起こる。



ドーーーーーーーン!!



部屋の物が粉々に吹っ飛び、天井や壁が崩れ落ちる。

ロイが咄嗟に張った防御障壁のおかげでルーズベルトとロバートは守られていた。


「エ・・・エミリー?」


目を開けたロバートが部屋の中を見回す。


「何があった!?」


ルーズベルトも辺りを見回すが、粉塵が舞い上がっていてよく見えない。


「ゲホッ・・・エミリー様が魔力暴走を起こしたようです!」

「何!?」

「早く落ち着かせないと危険です!」


すると、廊下から神官たちが駆け付けた。


「陛下!!」

「ご無事ですか!?」

「エミリーは!!エミリーを見なかったか!?」


エミリーがいないことに気付いたルーズベルトが叫んだ。


「いえ、廊下にはいらっしゃいませんでした!」

「私も見ておりません!」

「どういうことだ・・・」


エミリーはこの場から忽然と姿を消していた。








レン王子が私室のソファで魔導書を呼んでいると、茶器を持ったテヒトが入って来た。


「今日はいつもと違う茶葉が手に入りましたよ」

「へぇ・・・」


レン王子が興味なさそうに相槌を打つ。


「デニスさんがおすすめしてくれた茶葉なんですが、すごくいい香りで」

と言いながらテヒトがチェストの上に茶器を置いた時だった。



ガシャーーーン!!



「「!?」」


突然すごい音とともに誰かがレン王子の目の前のローテーブルに落ちて来た。

テーブルに横たわっていたのは青いドレスを着た女性で。


「なんだ!?」


レン王子は目を見開いた。

ブロンドの髪に白い肌、この細い腰・・・。


「エミリー!?」


慌ててエミリーを抱き上げると、レン王子は言葉を失った。

エミリーは体中に火傷を負っていて、目と口の端からは血が流れていた。

駆け寄って来たテヒトがエミリーの状態を見て目を見開く。


「これは!魔力暴走かもしれません!」

「え??」

「このままでは危険です!」

「早く信徒を呼べ!!」

「わ、わかりました!」


テヒトは転びそうになりながら慌てて部屋から飛び出して行った。

レン王子はエミリーの顔にかかった髪を耳に掛けて声を震わせる。


「エミリー・・・死ぬな」







〜 第五章 完 〜






第五章 最終話までお読みくださりありがとうございました


評価&レビュー よろしくお願いいたします


この章はペイミ祭りでした☺️


次回は誰が活躍するのか・・・ご期待ください



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