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宮本三次は今日も逝く  作者: 室町幸兵衛
番外編 チージョ星に危機が
87/96

いや~な予感がします

 ある日、チージョ星に得体の知れない生物が現れた。奴らは町で暴れ、人々を襲い、傍若無人な振る舞いで惑星内を恐怖に陥れた。

 チージョ防衛軍が出動して極悪星人と火花を散らしたが、奴らの弱点を見出せず返り討ちにされた。惑星誕生以来の危機。人々は恐れ戦き、惑星全土に緊急事態宣言が発動された。

 そんな絶体絶命ピンチの時、1人の勇敢な漢が立ち上がった。愛と平和をこよなく愛する正義の味方。全てを司る神と同等の頭脳を持つ者。

 その名は宇宙戦士サンジー。

 極悪非道な輩と勇者サンジーの直接対決が始まる。

 果たしてチージョ星の運命は……。




 草木も眠る丑三つ時。


 勉強机の引き出しがピカピカ光った。緑色の光が点滅を繰り返し、部屋中が歩行者信号のようにチカチカして鬱陶しい。

 たぶんアイノデリモンクーだと思われる。確認したい所だが、平和を守るために昼夜を問わず活動しているため、疲れが溜まっている。特に昨日の夜は「憧れの挟み撃ち」というDVDを入手し、100メートル全力ダッシュを2本ほどキメた所だ。腱鞘炎になりそうな手首に湿布を貼り、いましがた豊かな眠りに着いたばかり。

 疲れ切った体が起き上がるのを拒んでいた。明かりはそのうち消える。そして再び夢の続きへ……。

 光は消えるどころか増々激しい点滅を繰り返した。10Hzくらいの点滅周期は脳をヤラれ光過敏性発作を起こす。


「うぜぇーな。何なんだよ!」


 イラついて引き出しを開けると、緑の光線が飛び出して目を直撃した。


「うぎゃ。目がぁぁ。目がぁぁぁーー」


 上空に向って飛び出した光は生き物のようにユラユラと揺れ始め、天井にメッセージが描かれた。


 @%##!k* B&&&¥ $<・=L


 読めなかった。メッセージは数秒間の眩しい光を放ち、ゆっくりと消えた。

 ラムから連絡が来たのは間違いない。だが、チージョ語を解読する能力がないため、それが何の用事か分からなかった。

 もし急用ならわざわざメッセージを送りつける必要はない。目の前に現れて問答無用でラチればいいだけである。何かしらの約束をした覚えもない。頼み事をされてもいない。

 こういう場合は、天才的頭脳をフル回転させて読み取るのが望ましい。


 ハカイダナデシオの調査結果か?

 いや、あの地域での調査は時間がかかると言っていた。惑星中の学者や科学者が本格的に乗り出すので全貌を解明するには年月を必要とするらしい。

(第三部 新たな物質の発見 参照)


 焼きそばが完成したのか?

 この場合、ココが真っ先に飛んできて「焼きそばを愛でてくださいぃ~」そう叫んで俺を宇宙船へ引きずり込むだろう。


 ラムがまた入院したか、それともパパが俺の頭脳を必要としているのか。

 もしやミルクさんが俺を欲するようになったとか……。

 いくら考えても答は出なかった。


 今後はチージョ語を勉強する必要があるな。





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