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宮本三次は今日も逝く  作者: 室町幸兵衛
最高のおもてなし
131/136

心がダメージを負ってます

 会長の意外な過去に触れ、その偉大さに心を打たれながら店を後にした。


「そろそろ帰ろうか」

「そうだな」


 喫茶店に横付けされたクルマイスに乗り込んだ時。


「あれ、ラムチンチ・コレロレロ君?」


 後方から声がした。振り返ると、サラサラヘアーで背が高く、真っ白なシャツに紺の細身パンツを履いた男が笑顔で立っていた。


「あっ、カワズル・リムケーノ君!」


 ラムは嬉しそうに彼の元へ走り寄った。そして何やらおしゃべりを始めた。

 何とな~くイヤな予感がした。状況から見てクラスメイトだと思う。どれくらいの仲なのか不明だが、互いに見つめ合って笑顔で会話している所を見ると結構仲が良さそうである。

 置き去りにされた俺は、全滅間近の左脳を駆使して相手のスペックを探った。


 目鼻立ちが整った端正な顔立ち。身長は既に170センチはありそうな大人の体系だった。足も長くスラっとしている。肌は意外にも少し小麦色だった。チージョ星で小麦色の肌は珍しい。着ているシャツが白いからか、それともラムの肌が白いからか。対比の作用もあってか健康的で清楚に見える。

 顔、スタイル、爽やかさ。どれを取ってもイケメン男子だ。学校内でもモテモテの部類に入り、女性経験豊富な玄人と見た。

 仮に我がクラスに居たとしたら、女子全員が涎を流して喰らいつく物件である。


 しばらく茫然としながら2人を眺めていたが……。


 時折、サラサラの髪の毛をサクッとかき上げてニッコリ笑う。ラムは上品に笑いながら彼の胸辺りをポンっと叩く。話が盛り上がって来たのか、彼は肩でラムを小突いた。ラムはお返しに肩で小突き返した。

 どこからどう見ても仲良しカップルにしか思えなかった。

 ハッキリ言う。この手のタイプが一番苦手だ。

 スラっと寸詰まりの俺とは真逆の男子。まだ成長途中の俺は162センチくらいしかなく胴長短足。これから先、大きく成長すると思うが、どう考えても足長のモデル体型にはなれない気がする。

 床屋に行くのが面倒くさいので、最近は克己のお姉さんにカットして貰っている。

 余談だが、克己の姉は現在高校2年生で将来は美容師になりたいと思っていた。今から勉強するから「カットさせろ」と命令口調で言われたのでやらせてみた。

 左右の長さが非対称の斬新な髪型になった……。

 そんな事はどうでもいい。


 遠目から見ても仲睦まじいイチャイチャ加減で、確実に何かしらの行動を起こしているような気がする。マンゴーとバナナのミックスジュース。メロンとキュウリの挟み撃ち。そんな雰囲気だった。

 あらかた話が終わったのだろう。「じゃあね」と挨拶した別れ際、2人は全ての部位をくっ付けて抱き合った。


「なぬぃぃ!?」


 抱き合うのは信頼の証でチージョ星では当たり前の挨拶方法だ。頭では分かっている。分かっているのと理解するのは別物である。

 例えそれが日常だったとしても、目の前でラムが他の男と抱き合う姿は心をエグられる。

 クルマイスの後ろで瀕死の状態になっていた俺の元へラムが帰って来た。


「ごめん遅くなって。そろそろ帰ろうか」

「い、今の誰?」

「クラスメイトよ」

「な、仲がいいんだね」

「まあね」


 ラム君。僕は今、心に強烈なダメージを負ってます。

 このまま地球へ帰ります。


 もうダメかもしれません……。







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