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宮本三次は今日も逝く  作者: 室町幸兵衛
惑星チージョの革命児
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相変わらずの強制連行

「三次。起きて!」

「うがっ? ぎょえぇぇぇーー」


 空中に何者かが浮かんでいた。


「ゆ、幽体離脱かっ!」

「パパが、パパがぁぁーー」


 ラムが叫んで抱きついてきた。

 女の子に抱きつかれるのは男としては本望だが、状況がこれっぽちも理解出来ないのは人として不本意である。


「とにかく落ち着け」

「一緒に来て!」

「どこへ?」

「チージョ星」

「なぜ?」

「パパが呼んでるの」

「は?」

「いいから来て!」


 説明も何もなく宇宙船へ連れ去られ、そのままチージョ星へ飛んだ。




 2時間後。


 ミーーン、 ミーーン。

 セミの鳴き声がした。


 辿り着いた先は病院であった。


「パパって入院してるの?」

「そうよ」

「大丈夫なの?」

「もう峠は越したらしんだけど……」

「けど?」

「少し悩みがあるみたいなの」

「……で?」

「三次に相談したい事があるんだって」

「……」


 それならそうと、最初から説明すれば済む話だと思う。叩き起こされ、問答無用で拉致られる程の案件ではない。チージョ星人は説明が苦手なのだろうか。

 脱力感満載でパパの病室へ向かった。


 チージョ病院に来るのは久しぶりである。

 以前、ラムが大怪我をして運ばれた。その時、女子トイレから侵入するという画期的な方法で惑星初の覗き魔に認定された過去がある。(第三部 ラムが大変なんです 参照)

 改めて言うが、この星には入口という概念がない。みな同化という能力を駆使して室内へ入って行く。

 初めて読む人には同化が何なのか分からないと思う。そんな人の為にパパの言葉を使って超簡単に説明しよう。


「三次元を超えて四次元の世界を移動する事で物質を無効化する。生物も含めて惑星内にある全ての物質が同じ細胞の配列であり、それらが融合する事で空間や時間を超越して……三次君だったら分かるよね」


 とか言っていた。


 俺は宇宙を司る神々と同等なので理解出来るが、頭の中に忍法しか浮かばなかった者たち。今後も友として仲良くやろう。

 それは置いといて。


 要は、すり抜けという特殊能力を持っていて、壁や建物などの物質を無効化する技らしい。

 惑星全ての建造物に出入口がないため、同化の能力を持っていない地球人は内部に入れないのである。

 考え抜いた挙句、女子トイレの窓から潜入して大騒ぎになった。

 という伝説の逸話だ。


 あの時から年月を重ねて大人になった。もうそんなヘマは……。


 パパの病室へ向かう途中、あちこちに張り紙がしてあった。院内に入った途端に目につく位置でアピール感が半端なかった。しかも似顔絵付き。

 直感的に背筋が薄ら寒くなった。今までの経験上、イヤな予感しかしない。


「ラム。何て書いてあるの?」

「これはねぇ~」



 覗き魔は未だ逃走中です。

 有力な情報提供者には100万チージョ。

 犯人の特徴は「頭の悪そうな猿」です。


 連絡先は XXX-XXX まで



 知らぬ間に懸賞金まで付けられていた。もはや指名手配犯である。

 壁に貼られた似顔絵は、どの角度から見ても幼稚園児が適当に描いた感じで犯人の特徴がまったく見えてこない。

 さらに「猿のような出で立ちで頭が悪そう」なら納得いくが、頭の悪そうな猿は単なる猿だと思う。

 あれから既に何か月も経っているが未だに犯人探しとは恐れ入る。

 ラムはゲスな笑いを浮かべ「情報提供しようかしら」とのたまった。


 ……チージョ星人って思った以上にバカなのな!






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