王子に会いたいのですが、道が閉ざされています。

「『愛は活動し続ける』！！！！！！！！！！

　これはヒトの心理を解明した私の言葉です。

　愛に対する答えの1つで、

　愛のために活動することが

　愛されるために必要という考え方です。

　"愛される"とは何か。

　あなたの愛するものが

　あなたの期待に応えることです。

　愛するものがあなたの期待に応えるには、

　あなたの愛を理解する必要があります。

　あなたは自分の望むもの、

　"あなたの愛の形"を提案せねばなりません。

　愛するものが"愛の形"に応えないのは、

　あなたの"愛の本質"を理解していないからです。

　あるいは別の人間が、

　あなたの望まない"愛の形"を

　提案している可能性があります。

　あなたの望む"愛の形"が届かなければ、

　愛するものは、理想像とは別物になります。

　愛すべき要素は失われてしまう。

　あなたは『愛するものを失う』のです。

　好きなものを思い浮かべてみてください。

　人間でなくても結構です。

　あなたの理想から離れそうではないですか？

　あなた以外の"愛の形"に寄り添っていませんか？

　心当たりがあれば"危険"です。

　あなたの愛するものは、

　あなたの望む"愛の形"から遠ざかっています。

　あなたは愛するものを他者に奪われてしまう。

　あなたの望み<愛の形>を伝える"活動"が必要です。

　愛するものがあるなら、

　あなたの"愛の形"を伝えましょう。

　愛するものを脅かす考えには、

　真っ向から"愛の形"を掲げて、立ち向かいましょう。

　あなたは愛するものを守ることができる。

　あなたには力と知恵がある。

　あなたが愛するものを守る活動を続ける限り、

　愛するものが"望まない形"になる危険を

　減らすことができます。

　これが『愛は活動し続ける』の

　言葉に込められた教訓です。

　令嬢、あなたは愛するものを守れますか？」

「任せておきな、令嬢仙人！

　俺は理想の王子を守る！

　そのためにも婚約するぜ！」

　ある石材の豪邸にて。

　石柱令嬢<人型>は

　愛の教訓を学んでいた。

　令嬢は人間の王子を愛していた。

　だから石柱令嬢仙人から

　愛について学んでいたのだ！

　学びを終えた令嬢は、

　王子との婚約を決意する。

「さらばだ石柱共！

　俺の婚約を楽しみにしてな！

　はーっはっはっは！」

　こうして令嬢は

　王子と婚約する旅に出た。

　片道1時間の王宮を目指し、

　令嬢は豪邸を出ていくのであった。

----------

　令嬢は王宮にやってきた。

　しかし王宮の門は閉ざされている。

　途方に暮れる令嬢に

　歩いてきたシスターが声を掛けた。

「くくくく。お嬢さん。

　王子との婚約をお望みかい？」

「むっ。何だお前は？

　なぜ俺の心を！」

「私は勘がいいんだ。

　もし私に戦いで勝てば

　王宮へ入れてやってもいい。

　私も王子を愛する女の1人さ。

　その手の方法には詳しいんだ」

「ありがたい話だが。

　恋敵である俺に

　なぜそんな話を？」

「勝てばの話だ！

　負ければ王子には一切

　近づかないと約束しな！」

「そういうことか。

　ふっ。いいだろう。

　全力で掛かってくるがいい！」

　令嬢はシスターを待ち構える。

　シスターは銃を構えると、

　令嬢に向けて乱射した！

「銃っ！くっ！」

　令嬢が飛び退くと

　頭上を銃弾が通り過ぎていく。

　弾を撃ち尽くしたシスターは

　ナイフを構えて令嬢に飛びかかる！

「これで勝ちだねぇっ！」

「そうはいくかぁっ！」

　令嬢は分裂して、

　片方の体を身代わりにする！

　"令嬢分裂術"により、

　令嬢である彼女は分裂できたのだ！

「増えただって！？くうっ！」

　身代わりの令嬢は

　石柱の形に変化していく。

　シスターのナイフと

　令嬢の石柱がぶつかり合った！

「トドメだ！シスターっ！」

　令嬢は石柱を振り回し、

　ナイフに突き立てる。

　そして石柱で

　シスターを殴り飛ばした！

「ぐあああああぁっ！」

　シスターは城に叩きつけられる。

　令嬢のパワーで殴り飛ばされ、

　戦える状態ではなかった。

　勝負は令嬢の勝ちであった！

「ナイフが刺さったか。

　もうこれは体には戻せんな」

　石柱を投げ捨て、

　令嬢はシスターへ近づく。

　シスターは鍵を取り出すと

　令嬢に渡した。

「ま、負けたよ。

　あんたみたいな令嬢は初めてだ。

　裏口の鍵を持っていきな」

「すまないな。

　鍵も王子も貰っていくぞ」

「なら気を付けな。

　裏口では恐ろしい女が

　婚約阻止のために見張っている。

　私では歯が立たなかった」

「安心しろシスター。

　俺に負けはない。

　婚約の邪魔をするというなら

　尚更だ……！」

　こうして令嬢は、

　王宮の裏口の鍵を手に入れた。

　しかしシスターの話によれば、

　裏口には恐ろしい女がいるという。

　令嬢は鍵を握り締めて、

　王宮の裏口へ向かうのだった。

----------

　令嬢は鍵を使い、

　裏口から王宮に侵入した。

　裏口の通路を進んでいくと

　曲がり角が見えてくる。

　令嬢が曲がり角に近づくと、

　1人の人物が飛び出してくる！

「なっ！」

「死ね侵入者っ！」

　飛び出してきたのは姫であった。

　姫は刀を構えており、

　令嬢目掛けて振り下ろした！

「うおおっ！」

　令嬢は慌てた様子で

　刀を掴みとった！

　そのまま令嬢エネルギーを放ち

　刀に流し込んだ！

「ぐうぅっ！やるな！

　私相手でなければなっ！」

　刀を通じて、

　姫に令嬢エネルギーが

　襲い掛かった！

　しかし姫は令嬢エネルギーを

　吸収してしまった！

「な、なんだと！？」

「残念だったな！

　俺は元令嬢の姫だっ！

　令嬢エネルギーの吸収法を

　マスターしているのさ！」

「くっ。元令嬢の姫だと？

　ならばここの王子は既に？」

「いいや、俺は隣国の姫！

　ここの王子が俺との婚約を認めねえから、

　こうして妨害しているのさ！」

「そうか。ならば通る。

　邪魔すれば叩きのめすまでだ！」

「殴り合いで俺に

　勝てると思うなよ！

　いくぜっ！」

　姫は令嬢に殴り掛かる！

　拳に令嬢エネルギーを貯めて、

　電気に変換する！

　電撃のパンチが令嬢に迫っていく！

「ふん。誰が殴り合うか！」

　令嬢は姿勢を低くして、

　姫の足元に滑り込んだ！

　令嬢のスライディングを受けて、

　姫は転倒する！

「うおおっ！？」

「よっと」

　令嬢は姫の腕を蹴り、

　転倒の下敷きになる位置に

　移動させる。

　姫は電撃を帯びた拳の上に

　転倒してしまう。

　姫の拳から

　電撃が解き放たれた！

　強烈な電気の一撃が

　姫の体を襲う！

「ぐわあああああぁっ！」

　自身の電撃を受けて、

　姫は意識を失う。

　令嬢は王宮への道を

　切り開いたのだ！

　こうして姫は王宮に入ることに成功した。

　その後、王宮内で王子を発見し、

　王子に愛を伝えた。

　王子も令嬢を愛していると伝えて、

　2人は婚約することとなった。

　2人婚約が決まった後も

　姫は王子を諦めていなかった。

　あの手この手で

　王子を誘導しようと企んでいた。

　しかし令嬢は、王子に自分の望む

　"愛の形"を伝えていた。

　王子は姫の言葉に惑わされることなく

　令嬢を愛し続けていた。

　令嬢が"愛の形を伝える活動"を

　怠らなかったことで、

　王子は道を誤らなかったのだ。

　王子は令嬢の望む"愛の形"だけを

　目指し続けた。

　令嬢の活動が、王子を姫から

　守ったのである！

　令嬢と王子の

　愛し合う関係は続いている。

　令嬢は"愛の形を伝える活動"を

　ずっと続けている。

　2人の愛は形を変えずに

　続いていくのである。