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あの子と私の過ごす日々

最終話:ネコの季節

作者: ミディア寝子

こんにちは

ミディア寝子です

こちらの小説はシリーズ最終話!?

シリーズ内の他の小説をお読みくださった方・まだ読まれていない方

どうぞ最後までご一読くださいませ

この子(ネコ)がナルコレプシーになったと分かってからもうすぐ一年。

あれからというもの、できるだけパソコンと向かい合っている最中にもこの子(ネコ)を膝に乗せて寝かせるようにした。

我が家では相変わらずこの子(ネコ)が中心だ。


しかし、変化が起きたのもまた事実。

あれは晴れた日の朝。

私が散歩をしていた時。

可愛い猫ちゃんを見かけついて行くと、それは新たな同居人との出会い。


猫ちゃんの行き先はダンボールで……はなくて………



…………………ゆったりとした男性だった。


案内された場所はどなたかのお家の前。

声をかけてきたのは家の主であろう男性。

結構若いようだが……


「こんにちは。どうされましたか?」


などと声をかけてくるが、貴方の方こそどうされたのか、と聞きたくなる。

イリオモテヤマネコの描かれた茶色いTシャツに少し薄めの茶色いズボン。

髪型は癖の強いミディアムヘア。

猫目がなんとも似合う男性はとてもびしょ濡れだ。


「ええっと…猫ちゃんについてきたんですけど、大丈夫ですか?」


「ああ、ミリングについてきたんですね。僕のことなら大丈夫ですよ。ちょっと近所の子たちと水風船で遊んできたところなんで濡れているんです」


ミリング…?って、あの削って加工する?

変な名前をつけるんだな。

と、職業上単語などを調べる機会があるせいで思ってしまった。


「ミリングちゃん…飼ってるんですか?」 


「いいや。ミリングは恐らく野良猫でしょう。名前は会った日に”ミィ~”って鳴いて土管の中に隠れてたから…ミィ~と土管の輪っかでミリングってつけた。」


「そうなんだ。可愛いですね」


「……うん」



そんなこんなで何回かお話しているうちに楽しいなと思い始めた。

時々崩れる敬語の奥には可愛い返事が待っていた。

まるで、少年のような…困った子犬のような…かわいい猫のような…そんな返事。


ミリングちゃんに餌をやって食べる姿を見ながらお話して。

家の可愛いネコも紹介した。

最近この子(ネコ)が機嫌が悪いのは私から他の猫の匂いがプンプン漂ってくるからなのだろう。


イリオモテヤマネコの描かれたTシャツを着ていた彼は、相変わらずな可愛い服を着てうちの猫に会いに来ると、私が決められなかった名前を決めてくれた。


ミャウテンモ____と


ミリングちゃんの時と同様に鳴き声と何かを組み合わせたようだが、聞いてもそっぽを向く。

何度も聞いてやっと帰ってきた言葉は…


「ラテン語で、te amo……」


と言いづらそうに一言。


_________貴方を愛しています。




顔を赤らめるのを見て、私も赤くなってくる。

それでも嬉しく思ってしまう自分がいる。

私も仕事をする時はそんなクサいセリフをこれでもかと打ち込み、女主人公のドキドキを高めているが、現実でそんなことはまったくないものだと思っていた。


癖毛ゆるふわ男子の直球告白なんて、可愛すぎる。

もともと一緒にいて楽しいとは思っていたが、相手から()われて私も気づく。


ああ…この人の事好きだな


返事をすると赤らめた顔で嬉しそうに飛び跳ねている。

このあとどうなるかと思っていたら、

あれやこれやと…

新婚生活突入前に同棲スタートとなってしまった。


まあ……私も嬉しいから問題ないんだけど。


ミャウテンモは私の膝の上でしか寝ない。

このことは変わらないのだがそのおかげで、この人は会社員で帰ってくるとすぐにミャウテンモに嫉妬する。

癖毛や言動を見ると何だかミャウテンモより猫っぽく見えてくる。

こんなに可愛い人が営業部で”鬼上司”と恐れられているとは誰も思いもしないだろう。

一度見に行ってみようかな……と思うが、サプライズする時のために言わないでおく。


ミリングちゃんはお隣のおばさんに好かれたみたいで、おばさんに飼われている。

会いにいくこともあるが極力触れない。

今度はミャウテンモが嫉妬するからだ。

違う猫の匂いがすると嫌みたいで、威嚇してくる。


さて、そんなこんなで私は二匹の猫を飼っ……違う違う、一匹だ。

一匹の猫と猫のような(仮)夫と仲良く暮らしている。


お次は貴方の物語。

一体何が待ち受けているか。

人生では突拍子のないことがよくある。それをあなたも、頑張って乗り越えるんだ。

お読みくださりありがとうございました

ご意見・ご感想お待ちしております

※この物語はフィクションです

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