表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/41

第34話 希望と心配

6/11 AM10:00 アイドル部 部室にて

「うん!これで全員揃ったかな?」

最上さんもちゃんといるし…大丈夫だろう。

「今日は…まあ勉強会だよ」

不服そうな顔をしているのは最上さんだけだ。…まあどれだけ反対されてもやるけど。

昨日ちゃんと予告しておいたし、反対される筋合いは無い…と思う。

「それじゃあ全員いつものメンバーで勉強するぞ」

「「「はーい」」」

「は、はぁーいっ…」

相変わらず結城さんと大友さんは手が掛からないな。松平さんも最近は良くなっている。と言うか今川さんがかなり上手に教えてるのが大きいと思うが…

「波多野君、ちょっとそれぞれ教える二人を入れ替えてもいいかな?」

「ああ。別に構わないが」

まあ…一種の気分転換である。それにこっちの方がお互いに合っているかも知れないからな。

「えーっと…今はどんな事をやってたの?」

「国語と…後は理科だよ」

「うん、了解!そしたら、分からない所があったら聞いてね」

国語か…別に得意でも苦手でも無いが、好きではないな。

大友さんは大丈夫だな。一人でもちゃんと進められるだろう。

「そういえば、唯ちゃんの得意教科って何?」

「私はやっぱり英語ですかね」

英語か…俺は苦手だ。

「じゃあ、逆に苦手教科ってあるの?」

「うーん…特に苦手って教科は無いですかね」

凄いな…もう尊敬の念が湧いてくる。

「彩希ちゃんは歴史とかってどうなの?」

「歴史かい?うーん…歴史はどちらかと言えば得意って感じかな」

「そっか!それじゃあ国語以外は大体全部出来る感じかな?」

「そうだね」

「先輩は英語、苦手ですか?」

「うん、二人とも英語が得意なんだもんね…私は英語苦手だからな…」

なんで英語が得意になるんだ…?得意になる理由がいまいち分からない。

「なんで英語が得意になれるの?」

「別に理由なんて無いんですけどね」

「そうだね。ボクも特にこれがこうだから得意になったって訳じゃないからね」

感覚としては分からないことは無いが…全くもって参考にならなかったな。…まあしょうが無いけど。

「先輩、ちょっとこの問題を確認してもらっても良いかな?」

「分かったよ」




…「セリヌンティウス。」メロスは眼に涙を浮べて言った。「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君がもし私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」 セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯うなずき、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。…




「…うん?走れメロス…だよね?」


・何故セリヌンティウスはメロスを殴ったのか。文章中から70字程度で書き抜きなさい。


「これだったら、「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君がもし私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」の部分が答えじゃないかな?」

「先輩もその部分って事は…ボクのこれは正解かな?」

…こんな感じなのか。楽しいけど大変だな。

「…あっ!もうこんな時間か…そしたら、お昼ご飯にしようか」

「「「「はーい」」」」

…相変わらず今川さんはハイクオリティでお弁当を作ってきた。俺のイメージがやっぱり壊れる気がする。

「午後は複合の練習にするか?」

「うん!良いと思うよ」

若干既に疲れた。

「来週から走り込みでもしようかな」

「…ん?えっ?」

「えっ?」

…大友さんが焦ってる。貴重なワンシーンだな。

「せ…先輩?今なんて言いました?」

「来週から走り込みでもしようか…って」

珍しく大友が本気で拒否したがってるんだが…そんなに嫌か?

「私は良いと思うぞ?唯は体力不足だしな」

「ああ、そうだな」

「ボクも体力をつけるのは大事だと思うな」

「そうですよっ!ちゃんと身体は動く方が良いですからねっ!」

「え、えぇ…」

「じ…じゃあ決定で良いかな?」

「「「はーい」」」

…大友さんの反応は見なかった事にしよう。










PM00:30 アイドル部 部室にて

「それじゃあ…一回やってみようか」

「「「「はーい」」」」

まだ若干大友さんは元気が無いが…気のせい、気のせい。

「波多野君、ビデオよろしくお願いね」

「…ん?ああ、分かった」

「アイドルコンテスト直前のビデオと見比べてみようよ」

「了解。それじゃあまず今のビデオから行くぞ」

「次にアイドルコンテスト直前のビデオ行くぞ」

「うーん…どうかな?」

ここ最近はあまり練習をしてないにも関わらずレベルは同等か少し上がってると思うんだが…なんでだろうな。

「今の方がちょっと上手いように見えませんかっ?」

「そうだね!私もそんな気がするな」

「少しずつでも成長してるんだなって言うのがちょっと見えた気がするぞ」

「うーん…そしたらもう一回やってみようか」

「「「「はーい」」」」

「何だか身体が温まって来ましたね」

「そうだね!ボクももっと上手く踊れる気がするよ」

「じゃあ今日はもう時間の許す限り何回もやろうか」

「「「「おーっ!」」」」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ