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冴えない男子高校生の俺がもしも超可愛い「女子高生アイドル」になったなら  作者: いず
第二章 遂にアイドルコンテスト開幕…!
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第27話 勢いそのままに

PM06:30 新川市体育館にて

ここで会場内はまた30分の休憩だ。まあ一回戦や二回戦に比べるとこれでも試合の間隔は大分狭いが。

「みんな居るかな?それじゃあ衣装着ていっちゃってね」

うーん…緊張するな。正直言って、相手に勝てる自信は殆ど無い。結城さんが緊張を少しでも隠せる様になったのは凄いな。…一時的じゃなきゃ良いけど。頼むから決勝まで持ってくれ。

それにしても…さっきの最上さん可愛かったな。身体は俺だって可愛い女の子だが、心は何の取り柄もない普通の男子高校生だ。少しはそんな事だって考える。

「まあ全員が実力的に出し切れたら少なくともいい勝負にはなるだろうな」

「じゃあササッとメイクして行こうか」

「「「「はーい」」」」

…そう言えば、意外とメイクって落ちる物なんだな。まああまり厚化粧じゃ無かったり、かなり動くし衣装は暑いしで結構汗もかくからしょうが無いと言えばそうなのだが。

今川さんが良いアドバイスをそれぞれにしてくれている。全部的確だから凄い。

「綾香ちゃん、やっぱり上手だね」

「えへへーっ…そうですかっ?」

…嬉しそうだ。まあメイクの実力は職業にしても良いくらいだからな。

あと20分か。意外と時間が残ってるな。

「みんな準備はいいね?後はもう待つだけだよ」

結城さんは不気味な程平静を保ち、大友さんは結城さんよりさらに平静を保ち、松平さんは台本の確認をして、最上さんは緊張と戦う。

「あれ…?玲奈ちゃん、緊張してないの?」

「ああ。緊張はしてるが、何だか普段よりも大丈夫な感じなのだ」

「うーん…なんでだろうね」

まあ、理由はともかく本来の実力を出せるのだったら良かった。まさか緊張を最上さんに移したとか恐ろしい事言わないよな…?

「よし…みんな集中して、落ち着いて…私たちなら絶対勝てるよ!」

「「「「おーっ!」」」」

さあ…出番だ。一番は自分ってアイドルに向いてるの?と言う悩みを解決していくストーリーである。これにはそれぞれの本心も少しずつ入れている。

「はぁ…」

「あれ?唯ちゃんどうしたの?何だか元気が無いみたいだけど…」

「先輩は何でもお見通しですね」

「いやいや…全然そんな事ないよ」

「実は、少し悩んでいる事があって…」

「どうしたの?」

「私って背も小さくて、運動神経も良い訳ではないしスタイルもそんなに良くないしでアイドルに向いてるのかなって…」

「そうかな?背が小さいのも良い個性だし、そこまで運動神経だって悪くないと思うよ?それに唯ちゃんには歌が上手いって言うアイドルに大きくプラスになる物だってあるし、別にアイドルに向いてない事無いと思うけどな」

「本当ですか?」

「あれ?一体どうしたんだい?」

「んんっ?どうしたんですかっ?」

「唯ちゃんが自分の事アイドルに向いてないって言うんだけど…そんな事ないよね?」

「ボクもそんな事無いと思うな。歌も上手いし、可愛らしいしね」

「私もそう思いますっ!」

「私もそう思うぞ」

「あれ?玲奈ちゃん、いつの間に?」

「先輩が説明した頃からだ」

「えー…気づかなかったな」

「それで結局、私ってアイドルに向いてるんですかね」

「うーん…私は向いてると思うし、後はやっぱり唯ちゃん自身がどう思うかじゃないかな」

「私は実力がどれだけでも、アイドルが好きなんだったら十分アイドルには向いてると思うぞ」

「そうだよっ!大事なのは、好きな物を好きだって思い続ける事だからねっ」

「何だか自信が湧いてきた気がします」

「じゃあ良かったね!」

「ボクたちも自分たちに自信を持って、頑張るぞーっ!」

「「「「おーっ!」」」」

少なくとも月島東高校と同等の演技は出来たと思う。とは言え、月島東高校も四強の一角を担う存在だ。弱いわけが無い。因みに月島東高校は俺たちと同じ一番だった。

「得点発表です。まずは先攻の大谷高校です」

40点は最低でも超えないと厳しいな。

「得点は…45点です」

勝てる。勝てるぞ…!

「よし!いい得点だよ」

「続いて、後攻の月島東高校の得点です」

頼む…

「得点は…43点です。よって、勝者は大谷高校です」

「おおーっ!?」

会場が大きく揺れる。この勝利で俺たちの実力が証明されたのだ。

気付くと会場には俺たちと相手の月島東高校に大きな拍手が響いていた。

ああ…ヤバい。嬉しい。

「やったーっ!」

思わず今川さんに抱きついてしまった。まあ…一応自分の身体に抱きついたんだから大丈夫だろう。

…ん?結城さんから妙に冷たい目線が送られてる気がするな…気をつけよう。

「…こほん。それで、決勝戦の見通しはどうなのだ?」

「え、えーっと…」

「まあ実力的にはこちらが少し上だろう。ただメンバーを入れ替えて来るかもしれないから分からないな」

「とりあえず決勝戦の種目が何かによるんじゃないかな」

もうすぐ発表されるはずだが…

「決勝戦の種目を発表致します」

さあ…何になるかな。…複合だったら面白いが、勝てる確証は無い。

「決勝戦の種目は…複合競技です」

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