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  作者: ネムノキ
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ウイスキー

 琥珀色のお酒を、氷を溶かしながら飲む。


 フワッと口の中に広がる、木の香り。


 ウイスキーは森で造られるというけれど。


 その意味を思い知らされる風味だ。


 ウイスキーが好きだった父よ。


 私も、この琥珀を飲めるようになったぞ。


 自慢出来る相手は、もういない。


 それか、ただひたすらに悲しい。


 ウイスキーよ。


 どうか、この悲しみを森に運んでいってくれ。


 明日には、きっと元に戻るから。


「なーに寂しく飲んでるの!」


 友人が、気にしたのかやって来た。


「いや。父が、これ好きだったな、と」


「そうなのね」


 友人は、しばし黙った後、ひと言。


「美味しい?」


「ああ、美味しい」


 今、美味しくなったよ。

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