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触手友人

ぺちぺちぺち、


 ほほを叩かれる


 「…………ん、あぁ……ん…」


 目をゆっくり開けるとすぐ目の前でわたしと同じくらいの女の子がほほをぺちぺちしています


 視界はなにか粘液状のものがかかっていて目の前の女の子が詳しく見えないくらいにぼやけて見える

 あと今さっきまで寝ていて眠気眼になってるせいもある


 「あっ!やっと起きた!ちょーっ心配したんですからね!」


 眠気眼気味に目をこすり粘液をとり視界を晴らすとカ・ナの魔族の溢れる魔力を表す象徴の角が見える


 「ん………カ・ナおはよう…すっごいぬるぬるだね……」


 この魔族の娘の名前はカ・ナ

 「えーちゃんさー、あんたのマイペース加減はよく知ってるけど訓練触手に呑み込まれてもケロッとしているのはメンタル強すぎだと思うよ」

 「んふふふー、マイペースの特権ですよ」


 なおわたしはみんなからえーちゃんって呼ばれています


 「普通だったらもうちょっとダウナーな気分になるものよ」


 はい、だってわたしは暇な時間があったらおにゃの娘が触手に犯される妄想を常にしている娘なんですから心構えは充分なんですよ(ムフフー


 「うきゃああああああ!!やだあああ!」


 奥の入り口の方が布を引き裂くようなとてつもない悲鳴が聞こえますので見てみますと完璧に触手から逃げられずに捕まったあとのぬるぬるまみれの同級生が暴れまくって担架に運ばれています

 多分、一時的なこととはいえ重度のSRS(ショクシュ・リアリティ・ショック)に陥ってますね


 「あれは重いやつだけどああなるのが普通でショ」


 カ・ナが指差して言います………あっ保健委員会がSRS(ショクシュリアリティショック)の同級生に鎮痛剤を打ち込んで大人しくさせました、怖いですね触手(棒)

 まあ、わたしはマイペース触手フェチ根暗文学少女だから怖くなくて大好きですけど(触られるのは気持ち悪いけど)


 「ところですカ・ナはどうですか試験はもう受けましたか?」

 「見ての通りまだ受けてないけどこの爆裂トンファーで触手共を爆殺してやるよ」


 カ・ナは獲物である長い方の先に魔方陣がついているトンファーをスナップ効かせてグルグル高速回転させます、いやー手先が器用ですね(わたしは不器用なのだ)


 はい、今さっきカ・ナが訓練試験と言ってましたがその通りです

 前回わたしが全速力で逃げて人間パチンコの弾となって脱出しようとしたり触手に呑み込まれたのはこの学園の新入生を対象として行われる試験だったのですよ(どう考えても不合格なあれでしたが)


 「それにしてもわたしはどう考えても試験不合格ですよね、これはなにかしらの課題をもらっちゃいますよこりゃあ」

 「そんな不合格くらっちゃったえーちゃんにちょっと良い情報あるけどさ聞かナい?」(にやにや)

 うわーなんか悪い笑顔してますよこのカ・ナはロクでないこと考えてますね


 「なんでしょなんでしょ」(ニヤニヤ)

 わたしはこの手のロクでも無さそうなことが好きなんですよ

 「ちょっと耳かしてヨ」

 「はいはい、この試験が不合格な結果になってしまって困ってるえっちゃんを助けるために教えてくださいよ」

 カ・ナがわたしの耳に手を当てごにゅごにょと喋ってくれます(ちょっとくすぐったい)


 「ワタシのお姉ちゃんから聞いた話なんだけドーこの試験ぶっちゃけ合格不合格関係無いらしいヨー」(こそこそ)

 「えっどう言うことですかね?(こそこそ)」

 「実を言うとこの試験は成績に関係無いんだこれは触手の恐怖を刻み付け分からせるためにやってるからみんなが試験に不合格する前提で行われてルんダヨ、これは秘密ダヨー」(こそこそ)

 「成る程、新入生いびりってヤツですね(こそこそ)」

 「ちょっと違うけどまあそんな感じだね」(こそこそ)


 なあんだ試験に成績影響なかったらもうちょっと手抜きしてもよかったですね(マイペース触手フェチの考え)あと別にカ・ナはろくでもないことを考えたわけじゃないんですね。疑い深いのはオタクあるあるネタですよ


 「生徒番号8441!カ・ナ!次は貴様の番だ!さっさと来い!」


 パツキン(言い方が古い)で眼帯をつけている野生の獣のような殺気を撒き散らしている先生が手に持ってるワイングラス(赤ワイン入り)を遊ばせながら言います


 「おっとおっとお呼ばれたねまたねー、えーちゃん」(手ふりふり)

 「そうですかそうですか、はんばって触手にのまれないでくださいよカ・ナも」

 「へへへー余裕だヨ…………ちょっとそこの私のコート取って」

 「どうぞー」


 分厚い素材の防弾コートを取って渡します、カ・ナのコートは裏地にショットガンの弾薬ケースや火炎瓶、鉄鋼鍵爪鎖などの武装が詰まっているので結構思いです


 「サンキュー、じゃあ余裕デ試験クリアしてくるよー!」

 「カラダニキヲツケテネ!オタッシャデー!」

 「……なにそれ?」

 「わたしの地方の言葉で絶対無傷で帰れるよいう意味です(大嘘)」

 「そうなの?まあ良いや私の活躍見ててネえっちゃん!」

 「はいがんばってくださいねー」(むふふー)


 カ・ナは試験場へと行ってしまいました、たぶんわたしみたいに触手に呑み込まれてうねうねされて叫ぶんでしょうね……………………はっなんか妄想でぽーっとしてしまいました


 さてどうしましょうか、試験終わったらさっさと帰れとウエスト先生が言ってたので帰れますね

 根暗系触手フェチ文学少女で新入生のわたしにはルームメイトのカ・ナくらいしかいないのでお喋りする相手が存在しませんので宿舎にでも帰りましょうか

 それでため込んでおいてある触手系エロ本でも読みふけましょうか(不健康ですって?気にしない)


 「くしゅん、」


 あー訓練触手の粘液で体が冷えてきましたね、わたしを回収した保険委員会長はたぶん「こんな良い笑顔で寝ているんだからしばらく寝させてやれそんなことより他の生徒のケアが先だ」とかって言って放置したんでしょうねあの人わたしのことが嫌いなんですよきっと(ひどい言いがかり)


 そう思いながら粘液で重い制服を引きずりながら帰ります


 三回目言いましょう、触手だらけのエロ本的世界に転生しましたよわたしことえーちゃんは



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