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森守り姫と狩人王子の仮婚約  作者: いとう 縁凛
第四章 森守り姫と狩人王子の仮婚約
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 少しでもイリゼの情報を掴むため、兵士が連れてくるであろうシカトリス達を迎えに行く。ちょうど庭園に入って来ていた兵士の元へ行くと、シカトリスしかいなかった。


「申し訳ありません。指示を受けてからすぐに向かったのですが、もう一人の男は逃がしてしまいました。周囲を捜索しましたが、見つかりませんでした」


「なんだとっ!?」


「王子ぃ、そんなに怒鳴るなよ。おれが来たんだからいいだろう」


 すでに体裁を取り繕うことをやめたらしく、本来の話し方をしてきた。イニオンを先に逃がしたのは、恐らくあの男が嘘をつけない人間だからだろう。シカトリスなりに、仲間を守ったのかもしれない。


「さっさと尋問を始めろよ。ま、何も話さないけどな」


「その男を地下の牢へ閉じ込めておけ!」


「かしこまりました!」


 シカトリスを連れてきた兵士を見送り、今後のことを考える。


 --あの男が言うように、尋問したところで何も吐かないだろう。だが、あの男しかイリゼの居場所を知らないことも事実。逃がしたというのなら、イニオンも見つけられないだろう。


 イリゼへの手がかりがなくなってしまった。口論の後に連れていかれたとすれば、すでに二日過ぎてい

る。早く見つけなければ、イリゼの命が危なかった。


 街へ赴き、全員から話を聞いてもイリゼの情報が出てこない。その間にまた日は過ぎて、二日経とうとしている。


 イリゼが行方不明になってから、四日過ぎたことになる。発見できたとしても、もう命はないかもしれない。そう思った瞬間、胸の中に大きな穴が空いた。


 --くそっ。こんなときにイリゼへの気持ちを自覚するなんて……失ってからじゃ、何もできない。街のためだと言わないで、自分の言葉で好きだと伝えれば良かった。


 二日間走り回っても、何も進展がない。せめてイリゼの顔をもう一度見たいと思っていると、兵士の一人から相談を受けた。今はそんな事態ではないと言おうとして、シカトリスを連れてきた兵士だとわかり話を聞く。


「なに? 地下から声がするだと?」


「はい。ぼそぼそと複数で話しているように聞こえるのです」


「いつからだ?」


「それが、あの男を牢に入れてからなんです」


「だとすると、二日か。あいつが何か言っているんじゃないのか」


「いいえ。気のせいかと思ったのですが、男にばれないように地下へ行くと必ず聞こえるんです」


「ということは、あいつは何か知っているんだな」


「はい。自分もそう思いまして、尋問してみたのですが……」


「まあ、話さないだろうな。報告ご苦労。俺も確認してみる」


 兵士から聞いた話を、王に伝えてみる。すると眉間にしわを寄せて、何かを思い出している様子を見せた。


「あれはいつだったか……祖父からそのようなことを聞いたような気がするのだが……」


「何を聞いたのですか!?」


「焦る気持ちはわかるが、少し待て。ああ、そうだ。祖父も祖父から聞いたようなのだが、確か地下には歴代の王しか知らない道があると言っていた」


「父上はご存じないのですか!?」


「その道を使っていたのは、どうやらヒューツニビレーができて間もない頃だったようでな。緊急避難経路を必要としない時代になり、廃れたようだ」


「それはどこから行けるのですか!?」


「確か、地下の牢屋があるところから、さらに繋がっていたはずだ」


「わかりました! 行きます!」


 王のもとから離れ、急ぎ地下牢へ行く。長い間使われていなかったそこは黴臭く、じめじめと湿っていた。こんな様子でシカトリスを入れておけるのかと、鉄柵を確認。どうにか形が残っている程度で、成人の男ならば力づくでどうにか出来そうだった。


 こんな状態でシカトリスはずっと居たのかと思い、入れられている牢まで行く。


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