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4:ご自由に~

 結局もう一人の俺に一度も触れる事のないまま、無駄に体力が尽きかけた頃俺は提案する。


「なぁ、お前は何の事なんて呼べば良いんだ?」

「何、今更改まっちゃって? 自由で良いわよ、相棒って呼んでくれてもいいし、ナイトゥって呼び捨てても勿論構わないわ」

「どっちも却下だ!」

「何よ、さっきは相棒って呼んでくれたじゃん」

「ばっ」


 何て事だ。どうやら先ほどの呟きがコイツに聞こえていたようである。


「そうね、コイツ、とかアイツって呼ばれるのは個人的に好きじゃないし、この際呼び名を決めましょう相棒」

「なぁ、何で俺の事を相棒って呼ぶ?」

「そりゃあれよあれ、相棒が相棒欲しいって思ってたからじゃない? ちなみに、愛棒も」

「おいまて、いま発音がおかしかったぞ? ふんっ、俺の深層心理か何か知らんがしっかりと呼び名を決める必要があるな」

「ふふ、どうぞご自由に~」


 さて、どうしたものか。見た目は完全に女性っぽくなったが顔は完全に俺の顔だし、どんなに見繕ったところで男には違いない。よって女ものの名前はつけるわけにはいかないわけだ。


「私、可愛い名前がいいな」

「おいこら、俺の思考を読んだかのか? 却下だっ」

「えー」


 悩む時間も惜しい、こうなれば適当に名付けてやる。


「決めた、お前は今後ウトゥだ! 俺はナイトゥで良い、よしこれでいこう」

「強引ね、ナイトゥは。でもウトゥか……私、気に入ったわ! ありがとうナイトゥ」

「そ、そんなに喜ぶなよ」


 照れるじゃねぇか。


「ところでナイトゥ、おうちは作らないの?」

「ん、そうだったな」


 野宿生活をこのまま続けるつもりはさらさら無いのだ、ここを第一拠点として最低限住める環境を築き上げる決意を固まる。


「良い拠点をつくろー!」

「お、おう」


 オー、と手を振り上げるとそのまま俺に抱き着いてくるウトゥ。触れれないと思っていたけど、わずかな重量を体に感じ取るのだった。

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