表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/516

巻ノ九拾六 朝の訪問者 の巻

 雑炊を食べ終わってメイの腹も膨れたようだ。仰向けに寝転んで腹を摩っている。年頃の娘にしては行儀が悪すぎるんじゃね? 大作は眉をしかめた。


「食べてすぐ寝ると牛になるって言うぞ」

「そんな話、聞いたことも無いわ。それって本当なの?」


 真剣な顔をしたメイが問い返す。マジレスされても困るな。いや、マジレスにはマジレス返しだ。大作は取って置きの蘊蓄を傾ける。


「本当のところは食べた後に横になるのはむしろ健康に良いって説もあるな。胃の出口が右にあるから身体の右を下にして横になると良いぞ。ただし、眠ってしまうのは駄目だ」

「ふぅ~ん」


 どうやら納得してくれたらしい。大作はそろそろ本題に入ることにする。


「さて、桜殿。いや、桜と呼ばせて頂いて宜しゅうございますかな?」

「ご随意にお呼び下さりませ。して、お坊様が真の大佐様にございますか?」


 桜が大作の目を真正面から見据える。もしかして怒ってるのだろうか? 大作はちょっと不安になったが顔には出さない。


「タメ口で良いぞ。もう俺たちはファミリーだからな。騙すような真似して悪かったけど、桜だってなかなか本当のことを教えてくれなかっただろ。合言葉か何か決めて置けば良かったな。お互い様と言うことで水に流してくれないか?」


 大作は額を床板に擦り付けるようにして謝る。お礼とお辞儀はタダだ。使わないと勿体無い。


「お顔をお上げ下さいませ。万が一にも間違いがあってはならぬとの思いから、なかなか大佐様を信じることが出来ませんでした。私の不徳の致すところにございます。お許し下さいませ」

「大佐で良いって言ってんだろ! それと、タメ口で頼む。それじゃあ、後のことはお園に頼めるかな?」


 面倒臭くなった大作はお園に丸投げを試みる。しかし、まわりこまれてしまった!


「伊賀から忍びが来れば全部任せて新婚旅行に行くって言ったわよね。忘れたんじゃないでしょうね?」

「いやいや、それは五月雨が開けてからにしよう。何でジューンブライドって言うか知ってるか? 六月は結婚式場に閑古鳥が鳴いてたんでホテルオークラの副社長が広めたらしいぞ。それはそうと、伊賀のみんなのことを何て呼べば良いかな。さすがに忍びとかくノ一って大っぴらには呼べないだろ? 桜組とかチーム桜とか格好良い名前は無いかな」


 大作は強引に話題の転換を図る。別に新婚旅行が嫌だったわけでは無い。メイとほのかの視線が怖かっただけだ。

 新婚旅行に二人を連れて行くわけにも行かんだろう。いや、護衛は必要なのか? でも、わざわざ二人を連れて行く必要は無いな。桜の配下を借りて行けば良い話だ。大作は考えるのを止めた。


「大佐様、元い、大佐のお望みのままに。如何様にもご随意にお呼び下さいませ」


 大佐様と言いかけた瞬間、大作が眉を吊り上げたので桜は咄嗟に言い直した。だが、大作は桜に感情を目一杯込めた言葉を叩きつける。


「自分は何て呼ばれても良いなんて、そんなこと言うなよ! ご随意にお呼び下さいなんて、悲しいこと言うなよ!」

「申し訳ございませぬ。このような折、如何にお答えすれば良いのやら分かりませぬ」


 お前、凄いな! 大作は心の中で称賛する。咄嗟にこの返しが出来るとは。そして、最高のドヤ顔を作って決めゼリフを返した。


「笑えばいいと思うぞ!」




 そこからエ○ァ談義が始まってしまい、大作の独演会は深夜にまで及んだ。幸いなことにお園、メイ、ほのかがフォローしてくれたので説明に苦労することは無かった。

 第拾伍話のア○カとのキスシーンでは三人のギラギラした視線を感じたが大作は華麗にスルーする。くノ一の連中は特に食い付いて来ることは無かった。

 くノ一が色仕掛けを使ったという話はフィクションにしか出てこない。Wikipediaにもそんなことが書いてあった。実際には地味な情報収集が主な役目だったらしい。

 とは言え、こいつら妙に美女が揃い過ぎている気がする。もしかして百地丹波の趣味かも知れない。大作は少しだけ警戒レベルを引き上げた。




 夜も更けて来たので大作はテレビ版の最終話でエ○ァ談義を打ち切った。

 ところで、今晩はどうやって寝るんだろう。昨日でも限界ギリギリだったところに一名追加だ。もう限界。どげんかせんといかん。


「俺とお園は土間にテントを張って寝よう。窮屈だけど今晩だけの辛抱だ。明日はみんなで山ヶ野へ行こう。増築したから十人くらいなら何とかなるよな?」

「夜寝るだけなら何とかなるわ。でも昼間は村から働きに来る十二人がいるのよ。もし雨が降ったら居場所が無いわね」


 メイが恐ろしいことをサラッと口にする。って言うか、ちょっと目を離した隙に山ヶ野では何が起こっているんだ?


「もしかして、また孤児が増えたのか? 今、何人だ」

「今日のお昼で丁度二十人だったわよ。もう巫女服が足りないって愛が言ってたわ」


 忍びが来ることは分かってたのに寝泊りする場所を考えていなかった。そのうえ梅雨と孤児が一緒にやって来てはどうにもならん。

 

「急いで増築するしかないか。明日、材木屋に掛売をお願いしよう。そうだ! 巫女軍団は床下祓いで五平どんの村と行き来してるだろ。ショートステイさせてもらったら良いんじゃね? 食料持参なら嫌な顔もされんだろう」


 大作と三人娘の会話をチーム桜の面々は興味深そうに眺めている。だが、空気を読んでいるのだろうか。話に入ってくることは無かった。

 エ○ァの話を数時間したくらいで心の壁が消せたら人類を補完しちゃう計画だって苦労しない。

 山ヶ野に帰る道すがらにもコミュニケーションを取って信頼関係を強化しなければ。大作は心の中のメモ帳に書き込んだ。


 手早くテントを張り、お園と並んで床に就く。まさか、家の中でテントを張って寝る羽目になるとは夢にも思わなかった。

 本当ならコンドル軍団の話とか進めなきゃいけなかったのに。激しい後悔に襲われるが既に手遅れだ。

 まあ、巫女軍団も増えたことだ。一緒に纏めて済ませた方が無駄が無い。大作は自分で自分を慰めた。




 翌日、朝食をとっていると、ほのかが緊張を孕んだ声で呟いた。


「大佐、囲まれてるわ」

「またかよ~!」


 いったいこの家には何が起こっているんだ? シャイニングのオーバールックホテルみたいに変な霊でも憑りついてるんだろうか。

 そもそも、警備体制に問題がありすぎるな。ヒトラーの総統大本営みたいに地雷原と有刺鉄線で囲まれた難攻不落の要塞にせねば。

 だが、それは先の話だ。まずは目の前の問題をどうにかしよう。とは言え、今の俺にはチーム桜とメイとほのかで合計十二人の戦力がある。強気で行こう。大作は声を張り上げた。


「包囲部隊に告ぐ。直ちに降伏せよ。お前達の父母兄弟は国賊となるので皆泣いておるぞ」

「大佐! 藤吉郎にございます」


 戸の外から返事が返る。なん…… だと…… 奴まで裏切ったのか? だが、判断を誤ったな。こっちには十二人の凄腕くノ一がいるんだ。

 大作は余裕の笑みを浮かべる。しかし、桜の予想外の一言に肝を冷やす。


「藤吉郎殿、お待ちしておりましたぞ」


 こいつら仲間なのか? 敵の味方は敵? でもメイと桜は味方なんだぞ。わけが分からないよ…… 大作は考えるのを止めた。




 恐る恐る戸を開けてみると藤吉郎の後ろにサツキと今井宗久と中年の男が二人立っていた。

 話を聞けば日向まで桜たちと同じ船に乗っていたらしい。チーム桜は走って来たけど藤吉郎たちは歩きだったので二日遅れたそうだ。

 大作は頭を抱え込みたくなった。組織の情報共有に問題がありすぎるぞ。報連相の重要性を徹底的に叩き込まねば。大作は心の中のメモ帳に書き込んだ。


とりあえず何か言わなきゃ。大作は頭をフル回転させるが例によって何も出てこない。適当で良いか。


「もう少し来るのが遅ければ、ここが危なかったな」


 大作は藤吉郎の首の後ろを軽く叩きながら意味深に微笑み掛ける。元ネタを知らない藤吉郎も曖昧な愛想笑いで答えた。




 五人が土間に入ると家の中の人口は十九人になった。その内の十四人は女だ。こんなとんでもない人口密度では落ち着いて話も出来ん。


「私は生須賀大作だ。緊急事態につき私が臨時に指揮を取る。ジエチルエーテルと蒟蒻の計画は秋まで凍結。夏の間にエタノールを作る。ほのか、この金で材木を買って馬借に山ヶ野まで運んで貰ってくれ。残り全員で山ヶ野に向かう。今井様、今から出ても昼過ぎまで掛かります故、お話は道すがら致しましょう」

「金が一万貫目は採れる山とは如何なる所にござりましょう。船の中でも気が急いてなりませなんだ。この二人は山師にございます。必ずやお役に立ちましょう」


 今井宗久が目を輝かせている。まさかこいつが来るとは予想外だった。だが、欲望に正直な奴は信用できる。

 大作たちは曇り空の下、材木屋ハウス(虎居)を後にした。




 大作は虎居の城下を歩きながらチーム桜に鍛冶屋や材木屋の場所を説明して回る。ほのかとは馬借のところで別れて山道を東に向かった。


「藤吉郎、船旅はどうだった。お前は船に弱かっただろ」

「散々な目に遭い申した。されど、三日ほどで慣れたようで随分と楽になりました」

「それは良かったな。三半規管が鍛えられたんだろう。これから船に乗る機会も増える。覚悟しといてくれ」


 人手不足で困っていたので藤吉郎は貴重な戦力だ。とは言え、何をやらせよう。十三歳の子供に鉄砲の営業は荷が重そうだ。でも、こいつの才能を金山の労務管理なんかで無駄に使うのは勿体無い。

 いやいや、こっちの都合だけ押し付けちゃ駄目だ。本人の希望も聞いて話し合って決めよう。


「サツキは船は大丈夫だったか?」

「私は大事ありませんでした」

「さすがは凄腕のくノ一だな。これから忙しくなるがよろしく頼むぞ」


 もともとサツキとはそんなに親しくなる時間も無かった。しかも一月半ぶりの再会になる。積極的にコミュニケーションを取って仲良くならないと一人だけ浮きそうだ。とは言え、仲良くなり過ぎてこいつとまでキスする羽目になったらメイの反応が怖いな。

 そうだ! サツキとメイはセットで行動させよう。これなら心配無い。いやいや、本当に大丈夫だろうか。二人から同時にキスをせがまれたらどうしよう?


「大佐様、一万貫目の金と伺いましたが如何なる見立てにて拠る物にございましょうや?」

「うわぁ!」


 邪な妄想を膨らませていた大作は急に今井宗久に声を掛けられて悲鳴を上げた。


 驚かせやがって。大作は心の中で愚痴るが決して顔には出さない。

 こんな途方も無い話、根拠を知りたいのは無理も無い。とは言え、そんなことを俺に聞かれても知らんがな。

 Wikipediaに二十八トン採れたって書いてあるんだから採れるんだろう。でも、この説明では納得しないよな。まあ、実際に採れたのは間違い無い。適当に誤魔化そう。


「この一月の間、我らは徹底的な地質調査を行いました。その結果、永野から山ヶ野への半里に渡って複数の金鉱脈が伸びているのを確認致しました。金の品位は鉱石百貫目に金一匁。鉱脈の幅、高さ、長さから求めた数字にございます。昼には着きます故、ご自分の目でお確かめ下され」


 大作は胸を張って自信満々で答える。Wikipediaだけでなく複数のサイトでも裏を取った。あれが全部嘘だったら夜逃げするしか無いぞ。

 今井宗久はそれで納得してくれたらしく大人しくなった。




 次は桜を片付けよう。大作はさり気なく近づいて話しかける。


「桜たちの待遇について相談があるんだ。伊賀からの出向とか派遣じゃなくて、うちの正社員ってことにして貰えるかな? 傭兵はいろいろと不味いんだ」

「ようへい?」


 やっぱ、この時代には傭兵って言葉は無いのか。中世では足軽という存在が傭兵に近かったそうだ。常備軍化して行ったのは室町時代以降らしい。


「傭兵ってのはフリーランス? ランスってのは南蛮の槍だな。日本の槍と違って全部が鉄で出来てるから重いんだ。フリーっていうのは自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ。つまり、誰にも仕えていないってことだ」

「……?」


 桜が全然分からんって顔をしている。そもそも志願兵なんて概念が無いんだから理解させるのは無理だな。大作は考えるのを止めた。


「こっちで働いてる間は伊賀から離れて、うちの直臣? 直接雇用? 俸禄だか扶持だか知らんけど俺が直接払うんだ」

「伊賀の忍びは雇い主には神掛けて(まつろ)う者。大佐様、元い、大佐のためならば命を捨てる覚悟にございます」


 桜が仰々しく頭を下げた。何だか伝わって無い気がしてならない。大作は表現を変えて念押しすることにする。


「命は捨てないでくれるか。労災とか厄介だしな。とにかく傭兵は困るんだ。ジュネーブ条約第一追加議定書の第四十七条では戦闘員資格どころか捕虜資格すら認められていない。国連はスパイと傭兵を忌み嫌ってるらしい」

「こくれん?」


 まあ、こんなところで良いだろう。大作はチーム桜の一人ひとりの目を見ながら声を掛ける。


「困ったことがあれば何でも言ってくれ。みんなは貴重な労働力だからな」


 大作は精一杯の笑顔を作る。誰一人として元ネタを知らないので言葉通りに受け取ったようだ。




 メイが篠笛を吹き、お園が歌う。みんなに笑顔が広がり、良い雰囲気だ。幸いなことに天気も悪くない。


 大作は時間潰しにチーム桜に今後の活動方針を話すことにした。

 本来なら先に大作の理念や目的を説明するべきだろう。だが、残念なことに大作には確たる理念や目的が無い。

 それに大作が欲しいのは一を聞いて十を知るような早とちり気味な人材なのだ。そのためには、あえて情報を制限してみよう。

 断じて説明するのが面倒臭いわけでは無い。大作は誰に聞かれたわけでも無いのに心の中で弁解した。


「安芸に毛利元就ってちっぽけな国人領主がいる。こいつの謀で来る七月十二日に小早川隆景って奴が井上元有とかいうのを木村城とかいう城で殺すらしい。翌十三日には井上就兼が郡山城へ誘い出されて桂就延に殺される。その後、福原貞俊や桂元澄が三百騎の軍勢で井上一族の城を攻める。棟梁の井上元兼や三十人以上の一族が皆殺しになる。中郡の市川氏ってのも纏めて殺される。井上ってのは毛利の三分の一くらいは兵を集められたらしい。でも、不意打ちだったんで何も抵抗出来なかったみたいだな」


 まだ二月以上先のことを大作は見てきたように話す。チーム桜の面々は一言も聞き逃さないよう耳を傾けている。だが、話の意図を図りかねているようだ。


「俺としては卑怯な騙し討ちで井上一族が滅びるのを見るに忍びない。何とかして井上元兼に危機が迫っていることを教えてやりたいんだ」

「文を届ければ宜しゅうございますか?」


 戸惑いがちに桜が答える。情報源や目的には一切の関心が無いようだ。need to knownを貫くつもりらしい。

 こんなんじゃ困るな。でも、説明を省き過ぎたこっちが悪いんだから余り強くも言えん。意識改革は追々やって行こう。大作は心の中のメモ帳に書き込んだ。


「差出人不明の怪文書なんて信じて貰えるかな? それよりミンスミート作戦みたいに偽装書類を持たせた死体を放置する方が良いかも知れん。まあ、まだ二月も先の話だ。時間はたっぷりあるからゆっくり考えよう。これは毛利が百二十万石の大大名に成長する切っ掛けとも言える重大イベントだ。是が非でも井上を助けたい」

「命に代えても」

「だから命は大事にって言ってんだろう!」


 桜って実は厨二病なんだろうか。大作は心の中で深いため息をつく。まあ、それで機嫌良く仕事してくれるんなら文句は言わんけど。


「ついでにもう一つ頼みたいんだ。九月十五日に大内義隆が仁壁神社と今八幡宮へ参詣するつもりらしい。それを狙って陶隆房と内藤興盛がクーデター、って言うか何だその…… 謀反を起こすって噂が立つんだ。そんで義隆は参拝を取りやめる。家臣の冷泉隆豊が陶を粛清しようって言うんだけど義隆はそれを止めるんだ」


 大作は言葉を区切ると桜たちの顔を見回す。真剣に聞いてくれているようだが本当に分かってるんだろうか。

 沈黙に包まれた桜たちを見かねたのだろうか。お園が口を挟む。


「九月十五日って武田が砥石城を攻めあぐねている頃よ。両方いっぺんに兵を動かすのは無理じゃ無いかしら」

「しまった~! いやいや、大丈夫だ。こっちには兵を出すつもりは無い。陶の謀反の証拠をでっち上げて大内義隆に信じさせれば良いんだ」


 さすがに細かいことまでは覚えていない。大作はスマホを取り出して目を通した。


「史実では陶隆房は八月二十四日に毛利元就や吉川元春に文を送ってるな…… あれ? 毛利のイベントってこっちにも繋がってるんだ。井上一族の去就如何で陶のクーデターもどうなるか分からんぞ。とは言え、元就みたいな厄介な奴は早めに潰すに限る。どうしたもんじゃろの~」

「大佐は伊賀から忍びが来れば楽になる。いつも一緒にいられる。旅に連れてってやるって言ったわよね。桜たちにそんなに沢山の頼みごとをして約束を守れるのかしら」


 お園が不満げに頬を膨らませる。大作は人差し指で頬を突っつきながら精一杯の優しい声を掛けた。


「そんな顔しないでくれよ。これは歴史改編に関わる重要イベントなんだ。それに忍びは来て無いじゃん。来たのはくノ一だぞ。今から文を出せば五月雨が明ける頃には着くはずだ」

「酷いわ。騙したのね」

「騙して無い、騙して無い。忍びとくノ一は違うぞ。な、桜?」

「……」


 もしかして、この世界は俺の生きていた世界の過去とは少し違う時間軸なのかも知れん。大作はちょっとだけ心配になった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ