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巻ノ弐百伍拾弐 飛べ!赤とんぼ の巻

 八幡山の新城で行われた氏政と氏直の北条家トップ会談は双方の歩み寄りによって何とか無事に終わった。

 お園の熱心な説得を受けた氏政は小田原城で一緒に暮らすことになる。夕焼け空を右手に見ながら三人は仲良く手を繋いで小田原城へと続く長い坂道をのんびりと下って行った。


「ねえねえ、大佐。私たち三人ってファミリーなのよねえ。こんな綺麗な夕焼け空を見ながら一緒に歌える歌って何かないのかしら」

「歌? うぅ~ん、歌ねぇ。そうだ! そのものズバリの『夕焼け小焼け』って曲があるぞ。どれどれ……」


 大作はお園と繋いでいた手を離すと懐からスマホを取り出して情報を漁る。


「作曲の草川信は1948年没だから著作権は消滅しているぞ。と思ったけど作詞の中村雨紅は1972年没かよ! ってことは著作権は有効だな。残念!」

「それじゃあ歌えないってことなのね。ちょこちょこっと歌詞を入れ換えて誤魔化すことはできないのかしら」

「あのなあ…… 替え歌ってのは翻案権や著作者人格権における同一性保持権の侵害になるって教えたよな? それにJASRACは翻案権や同一性保持権を管理していないから権利者に個別の許可を得なきゃならんしな。そんなのいちいちやってられんだろう? って言うか、今頃そんなことを言ってるなんて著作権に関する意識が低すぎじゃね? 帰ったらみんなも集めてコンプライアンス研修をやった方が良いかも知れんな」

「そうかも知れないわね。そうじゃないかも知らんけど。それはそうと、だったらあの歌はどうかしら。石鹸を作った時の歌よ。夕焼小焼の 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か…… とか何とか」


 突如としてお園がアカペラで歌い出したので氏政が目を丸くして驚いている。

 これって『赤とんぼ』の冒頭だっけかな。作詞の三木露風は1964年没だから問題無い。作曲の山田耕筰も1965年没だし。

 って言うか、この曲だったら俺でも何とか吹けるかも知れんぞ。吹けんかも知らんけど。

 大作はスマホを懐に仕舞うと代わりにバックパックからサックスを取り出してマウスピースを咥えた。


 ソドド~レ ミソドラソ ラドド~レ~ミ~  ミラソ~ラ ドラソラソミ ソミドミレドド~~


「へぇ~っ! この曲もソドレミから始まっているのね。宮○彬良様の申された通りだわ」

「良く分かったな。って言うか、お園って絶対音感を持ってたのかよ? 隠れた才能がまた一つ発揮されたな」

「それはそうと二番の歌詞を教えて頂戴な。大佐がサックスを吹いてたら分からないんですけど?」

「そ、それもそうだな。気付かなかったよ……」


 大作はスマホに表示した歌詞をお園の眼前に翳す。チラリと一瞥しただけでお園は記憶してしまったらしい。流石は完全記憶能力者だ。




赤とんぼ

作詞 |三木露風(1964年没) 作曲 山田耕筰(1965年没)


夕焼小焼の 赤とんぼ

負われて見たのは いつの日か


山の畑の 桑の実を

小籠(こかご)に摘んだは まぼろしか


十五で(ねえ)やは嫁にゆき

お里のたよりも 絶えはてた


夕やけ小やけの 赤とんぼ

とまっているよ 竿の先




「うぅ~む、いと麗しき歌じゃな。お督殿が斯様に歌が上手とは存じておらなんだぞ。折々、時につけ歌っては下さらぬか」

「お褒めに預かり恐悦至極に存じます、お義父様。でも、褒めたって何も出ませんよ。ところで大佐、小焼けって何なのかしら?」

「気になるのはそこかよ~! それはアレだな、アレ。ぶっちゃけ特に意味は無いんだよ。歌詞っていうのは七五調になってることが多いだろ。だから文字数を調える必要があるんだな。他にも大寒小寒とか大雪小雪とか言うだろ? 栗鼠栗鼠小栗鼠(りすりすこりす)とか涼風小風(すずかぜこかぜ)、仲よし小よし、エトセトラエトセトラ」

「ふぅ~ん、特に意味は無いのね。それを聞いて安堵したわ」


 さぱ~り分からん。お園の価値観はいまだに良く分からん。大作がそんなことを考えている間にも三人は小田原城の本丸へと帰り着いていた。




 三人は御本城様の座敷へ向かう途中で少しだけ寄り道をする。夕餉の支度で大忙しの台所は戦場さながらの修羅場だ。その場の責任者、台所奉行は部屋の隅っこで偉そうにふんぞり返って…… って言うか、手持ち無沙汰に佇んでいた。


「池辺? 池波? 池澤? お名前は何と申されましたかな、台所奉行殿?」

「池田新右衛門にございます。御隠居様、御本城様、御裏方様。今日(けふ)は斯様にむくつけし所に如何なる御用で御出でになられました?」


 這いつくばるように姿勢を低くした台所奉行が顔を引き攣らせている。やはりアポなし訪問っていうのは相手とって本当に迷惑な物なんだなあ。大作は激しく後悔するが時すでに遅しだ。


「急な話で申し訳ござらぬが、夕餉の追加オーダーを一人前お願いできますかな? 父上も一緒に召し上がることになりまして。その方が洗い物も一遍にできるから助かりますでしょう? 宜しゅうございますかな、父上?」

「で、あるか。儂に託言(かごと)なぞあろう筈もなかろう。遠慮のう頂くと致そうか」

「だそうです、池田殿。とびっきりのご馳走を期待しておりますぞ」

「畏まりましてございます」


 台所奉行が畳に額を擦り付けるように深々と頭を下げる。大作たちも軽く会釈すると逃げ去るように台所を後にした。




 三人が御本城様の座敷に辿り着くとほのかが部屋の隅っこでリュートを弾いていた。脇目も振らず一心不乱に『きよしこの夜』を練習しているようだ。

 部屋の反対側では未唯がヴィオラ・ダ・ブラッチョを弾いている。こちらはまだ曲を弾くレベルには達していないらしい。単純な運指練習をひたすら繰り返すのみだ。

 大作たちの姿に気付いた二人は演奏の手を止めると顔を綻ばせた。


「見て見て、大佐! 見て頂戴な。子猫が食べれる…… 食べられるラーメンの試作品ができたわよ。後でみんなで食べましょうね」

「私めのリュートも聞いて頂戴ね。一日でこれだけ弾けるなんて大した物でしょう? ね? ね? ね?」

「はいはい、二人ともよく頑張ったな。『よくやったな、シンジ』って感じだぞ。ところで小太郎はどこ行ったんだ。もしかして、また迷子になったんじゃなかろうな?」

「それって小次郎のことよね、大佐? それならば大事無いわよ。あの子も小田原へきてから半月にもなるんですもの。もう、ここが自分の家だと思っているんじゃないかしら」


 薄ら笑いを浮かべた未唯が何の根拠もない楽観論を得意気に披露する。その顔には緊張感の欠片も感じられない。こいつはとんでもない大物だなあ。大作は心の中で苦虫を噛み潰す。


「あのなあ、未唯。先の大戦において旧軍は過度の楽観論で軍民合わせ三百万の犠牲を出すに至ったんだぞ。油断は禁物だと心得てくれ」

「先の大戦っていうのは応仁の乱のことかしら? あの戦で三百万もの方が亡くなったなんて私、聞いたこともなかったわ」

「とにもかくにも小太郎…… じゃなかった、小次郎の安否確認が先決だ。夕餉を食べたら全員で城内をくまなく探すぞ。父上もお手伝いをお願い致します。Let's go together!」


 猫探しなんて面倒臭そうな仕事は人手が多い方が良いに決まっている。大作は卑屈な笑みを浮かべながら上目遣いで顔色を伺う。

 だが、そんな大作の気持ちを知ってか知らずか氏政は怪訝な顔で聞き返してきた。


「小次郎じゃと? 其れは何者じゃ?」

「ご存知ない? いやいや、京からの帰りの船でずっと一緒だったでしょう? 例の雄の三毛猫ですよ」

「何じゃと、新九郎! 儂に猫探しを手伝えと申すか。北条家先代当主の此の儂に駆け回って猫を探せじゃと!」


 怒髪天を突くといった勢いで氏政が声を荒げる。まあ、京の都でスキンヘッドにしてしまったので頭はツルツルなんだけれども。


「そうは申されますが父上。あの猫は銭百貫文もした超高級猫なんですぞ。それをにがすなんてとんでもない! 草の根分けても探し出さねばなりませぬ。働かざる者食うべからず。嫌だと言うなら夕餉は抜きですぞ!」

「いやいや、儂は嫌だなどとは一言も申してはおらんぞ。じゃが、新九郎。今しがた、猫探しは夕餉の後じゃと申したな。なれば儂が飯を食ろうた後に猫探しは嫌じゃと申したら如何致す所存じゃ?」

「え、えぇ~っ…… 父上には北条家先代当主としてのプライドって物が無いのですか?

「ぷらいどじゃと? それは美味いのか?」


 心底から人を馬鹿にしたような薄ら笑いを浮かべながら氏政が鼻を鳴らす。何だか知らんけど突如として黒氏政が本性を現したって感じだぞ。

 こいつはちょっと手強いかも知れんな。大作は警戒レベルを一段階引き上げた。


「確かに父上の申されようは尤もな仰せにございますな。少なくとも法的には責任を問うことはできますまい。されど世の中は須らく信頼の原則によって回っていると思し召せ。もし父上が斯様に恥知らずな真似を致すと申されるならば拙僧は『しっぺ返し戦略』を取らざるを得ませんな。父上にはそのお覚悟がございますか?」

「いや、あの、その…… 分かった、分かった。ちょっと揶揄うただけじゃ。儂も猫探しを手伝うぞ。手伝うに決まっておろう。そうと決まれば飯じゃ飯。腹が減っては猫探しはできぬ。早う夕餉を運んで参れ」


 氏政の声を待っていたかのように膳が運ばれてくる。白米、魚介の味噌汁、焼き魚、鱠、エトセトラエトセトラ。そこそこ豪華な夕食と言えんこともない。

 大作はご飯と焼き魚を口一杯に頬張りながら幼い小姓に声を掛けた。


「んで、ナントカ丸のレンズ研磨はどんな具合だ? 望遠鏡はできたのか? 倍率は? 解像度は? 色収差はどのくらいだ?」

「恐れながら今日はまだ最初のロットが研磨の最終工程を終えたところにございます。明日にも検品を行いまして障りが無いことを確かめる所存。望遠鏡の組み立てに取り掛かれるは明後日かと存じまする」


 ナントカ丸は口の中のご飯を飲み込むとドヤ顔で踏ん反り返る。だが、その根拠の無い自信にお園が敏感に食い付いた。


「然らば明後日ね? 明後日には私の望遠鏡ができあがるのね、ナントカ丸? もし遅れたら承知しないわよ!」

「どうどう、お園。餅つけ。納期にプレシャーを掛けても碌なことにはならんぞ。手抜きされるのがオチなんだ」

「ことを急ぐと元も子もなくしますぞっていうことかしら。そう言えば、美味しい料理には時間が掛かるんだったわねえ」

「そういうことだな。基本的に人はインセンティブがなければ動かん。ナントカ丸、もし明日中に望遠鏡が完成すれば豪華粗品を進呈するから期待しておけよ」

「御意! 気張ってお勤め致しまする」


 これにて一件落着。とは言え、豪華粗品ってどんな物なんだろう。何か適当な物を見繕っておかねば。大作は心の中のメモ帳に書き込んだ。


「政四郎殿の臭化銀は如何なる案配にござりますかな?」

「若干量のサンプルを製造することが叶いました。されど光に当てた端から分解してしまう故、纏まった量をお見せすることが叶いませぬ。如何致せば宜しゅうございましょうや?」


 刺激的な臭素の臭いをプンプンさせた政四郎が表情を曇らせて項垂れる。って言うか、臭素って猛毒なんですけど。大作はさり気なく政四郎との距離を取った。


「え、えぇ~っと…… 萌、ここからはどうすれバインダー?」

「はいはい、後はこっちで引き継ぐわ。政四郎殿は臭素製造プラントのスケールを拡大して製造量を増やして下さりませ」

「心得ましてございます」


 こっちは気の長い話になりそうだ。臭化銀だけ完成しても現像液や停止液、定着液、フィルムベースがなければ写真の実用化はできない。

 山中城の戦いには何とか間に合わせたいけれど小田城には間に合うと思えん。映像記録なしだと詰まらんなあ。大作の心中から小田城への関心が急速に薄れて行く。

 ふと視線を感じて視線を上げると藤吉郎が何か言いたげな顔をしていた。


「どしたん、藤吉郎?」

「某は本日、クスノキの葉や枝をチップ状に致しました。既にテレピン油製造装置を間借りして水蒸気蒸留する段取りを付けておりますれば、明日にも結晶を取り出すことが叶いましょう。後はニトロセルロースを作るばかりにございます」


 ドヤ顔で顎をしゃくる藤吉郎を見ているだけで大作はムカついてしょうがない。

 言われたことをやっただけの奴が何を偉そうにしているんだろう。ここはひとつ何とかして鼻を圧し折ってやらねばならんな。

 虫けらを見るような目で藤吉郎を睨みつけると、心底から呆れたといった調子で吐き捨てた。


「要するにニトロセルロースを作るという目的は達成できなかったわけだな? 藤吉郎、君には失望したよ……」

「は、はぁ?」


 藤吉郎が唖然とした顔で呆けている。この表情だけはいつ見ても堪えられんな。大作は藤吉郎が立ち直る隙を与えない。間髪を入れず…… 容れず追い打ちを掛けるように告げた。


「現時刻を以てニトロセルロース担当の任を解く。別命あるまで自室で謹慎したまえ」

「大佐ったらまた阿呆なこと言い出して! ひとつ言い忘れていたけど藤吉郎は人に褒められる立派なことをしたのよ。胸を張っていいわ。おやすみ! とにもかくにも大佐。いくら繰り返しがギャグの基本だからって少しは捻りなさいな」

「はいはい、分かりました。だがな、藤吉郎。これで勝ったと思うなよ。写真の実現にはセルロイドが必要不可欠なんだ。一日も早くニトロセルロースを完成させてくれ。って言うか、藤吉郎殿。ニトロセルロースのこと、返す返すもお頼み申す……」


 大作は藤吉郎の手を力なく握りしめてプルプルと小刻みに震わせる。繰り返しはギャグの基本なんだからしょうがない。それに歴史と伝統は守らねばならんし。


「さて、業務報告はこんなところかな。まだ何か言いたい奴はいるか。ん? メイは何かあるのか?」

「今日はサツキと一緒に徴兵請負人の方々と語らったわ。月末までには兵を集めて年内に鉄砲の稽古を終わらせる心積もりよ。足軽長屋の目途も付けておいたわ」

「小田城へは歩いて参るのでしょうか? 船を用うるとなれば其の手配りもせねばなりませぬが」

「うぅ~ん…… 歩いた方が安上がりなんじゃね? でも、それだと宿の心配をせにゃならんか。船なら狭苦しいのを我慢すれば中で寝れる…… 寝られるしな。取り敢えず両方のプランで見積もりを取ってくれるかな~?」

「いいとも~!」


 今度こそ本当の本当に一件落着。大作はほっと安堵の胸を撫で下ろす。だが、好事魔多しとはこのことか。いやいや、花発いて風雨多し? 月に叢雲花に風?

 とにもかくにも大作がお椀に残ったご飯を口に放り込んだ瞬間、壁に掛かった呼び鈴が大きな音を立てながら激しく揺れた。

 鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした氏政が口からご飯粒を飛ばしながら叫ぶ。


「な、な、何の騒ぎじゃ! 是は如何致した、新九郎?」

「気を平らかになされませ、お義父様。あれは呼び鈴にございます。もしもし、如何なされました?」


 すっくと立ちあがったお園が伝声管の蓋を開いて問いかける。すぐに伝声管から返事が返ってきた。


「お督様にあらせられまするか? 秀丸にございます。御馬廻衆が筆頭、山角上野介様が火急の用とのことで御本城様にお目通りを願い出ておられます。如何致しましょうか?」

「ですってよ、大佐?」

「こんな時間にいったい何の用なんだ? 用件を聞いてくれるかな~?」

「いいとも~!」


 秀丸が底抜けに明るい声で返事を返す。ノリの良いやっちゃなあ。未だに顔と名前が一致しないけれどこいつとは意外と仲良くできるかも知れんな。

 そんなことを考えながら待つこと暫し。伝声管から秀丸の物と思しき声が聞こえてきた。


「小田城攻めの儀においてお伺いしたいとの由にございます」

「小田城攻め? 小田城攻めっていえば…… アッ~! しまったぞ、御馬廻衆をキャンセルするのを忘れてた! 女子挺身隊と国防婦人会に任せたからお前らは用済みだなんて今さらどんな顔して言えば良いんだ? キャンセル料を要求されたらどうしよう?」

「ねえ、大佐。書面によらない贈与契約は民法第五百五十条により、物を渡していなければいつでも取り消すことができるんでしょう? 無かったことにして貰えるんじゃないかしら」


 お園が他人事みたいに気軽に言ってのける。まあ、本当に他人事なんだけれど。

 そんな言葉を右から左に聞き流しながら大作は打開策を模索して頭をフル回転させる。しかしなにもおもいつかなかった!


『どうすれバインダ~!』


 大作は心の中であらん限りの絶叫を上げる。だが、その声は誰の耳にも届くことはなかった。


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