巻ノ弐百参拾四 リスキーシフトの恐怖 の巻
小田原城の大広間で開かれている評定の席で氏政、氏照、氏邦、氏規の仲良し四兄弟は侃々諤々の論争を繰り広げていた。
その不毛な遣り取りを大作は他人事の様に眺めながら妄想世界へと逃避して行く。だって本当に他人事なんだもん。
確か今日は天正十七年十一月十七日(西暦1589年12月24日)だったっけ。これって史実だと何が起こっている辺りなんだろうか。
Wikipediaによれば秀吉は天正十七年十一月二十四日に五ヶ条の朱印状を発給したそうな。この事実上の最後通牒は家康を経由、津田盛月と富田一白を使者として氏直に届けられる。
ほぼ同時期に北条側も石巻康敬を弁明の使者として上洛させて時間稼ぎのために交渉引き伸ばしを計っていたらしい。
別の資料によれば朱印状は東海道をえっちらおっちらと下り、十二月五日には沼津の三枚橋へ着いたんだとか。誰が運んだのかは知らないが書状は箱根の山を越えて氏直の下へと届けられた。
氏直が書いた返事は十二月七日付けになっている。その内容はといえば……
上洛は来春か夏頃にしてくれって言ったら二月中旬でも良いって返事を貰ったこと。氏政が拘束されたり国替えされるのを警戒していること。名胡桃城では上杉が動いから軍勢を沼田に入れただけなこと。
言い訳に終始していてとてもじゃないけど本気で戦を回避するつもりがあるようには思えない。
その一方で氏政は十二月八日、国内向けに兵の動員や城普請を指示。戦時体制への移行を開始している。
秀吉の方も十二月十三日に諸大名にむけて陣触れを発している。
要するに双方ともに戦をやる気で満々だったというわけだ。
なんだか真珠湾奇襲攻撃直前の日米交渉みたいだなあ。大作はコーデル・ハル国務長官も大嫌いだ。偉そうに上から目線でハルノートなんて提示しやがって。あんな挑発を受けたらそりゃあ戦争にだってなるわいな。思い出しただけで腹が立ってきたぞ。だったらもう……
「ねえ、大佐。さっきから何をぶつぶつ言ってるのかしら? 御隠居様や評定衆のお方々が大事なお話をされておられるのよ。ちゃんと聞いていないと申し訳が立たないわ」
「えっ? なんだって?」
「どうせまた阿呆な無駄蘊蓄を考えていたんでしょう? ねえねえ、そうなんでしょう? 怒らないから教えなさいよ」
「いやいや無駄じゃない、無駄じゃないからさ。アレだよアレ。どうやったらアメリカをギャフン(死語)と言わせてやれるかって考えていたんだよ。『子供たちを戦場に出さない』を選挙公約にしていたルーズベルトが日本をわざと怒らせて戦争に引き摺り込んだんだぞ。どんだけ舐められていたんだよって話しだな。それが予想外の大損害を被って四選目で大敗北。失意の内に脳卒中で死んじまったらさぞかし爽快だろうなあ。それか戦犯として処刑されちまう方が面白いかも知れんか」
大作はルーズベルトに『平和に対する罪』で死刑判決を下すと心の中の絞首台へと登らせる。
と思ったけれどルーズベルトってポリオで足が不自由だったから車椅子に乗っていたんだっけ。足の不自由な人の絞首刑ってどうやるんだろう。それよりかは電気椅子の方が良いかも知れん。だけど電気車椅子って電動車椅子みたいで紛らわしいよなあ。
「それで? 此度はどうやってアメリカに打ち勝つつもりなのかしら。何ぞ良い考えがあるんでしょうね?」
「良くぞ聞いてくれました。アメリカにダメージが通りにくいのは地理的に隔絶しているからだろ? とは言え、だからこそアメリカ市民は打たれ弱い。だったらアメリカ本土を直接攻撃して民間人に百万単位の犠牲を強いれば厭戦気分が蔓延して総崩れになる。なるに決まってる。って言うか、ならないと困るだろ? ばんざ~い、ばんざ~い! んで、その方法っていうのが風船爆弾だ」
「蒲生でお城を焼きそうになったアレね。だけど、あんな物が二千里も離れた海の彼方まで届くのかしら?」
「届くのかしらって言われてもなあ。現実に届いたんだからしょうがないだろ。史実では昭和十九年冬から昭和二十年の春に九千三百発も放球され、千発近くが米本土まで届いたとか届かなかったとか。戦争末期の絶望的な状況下でそんなことができたくらいだ。開戦前の余裕のある状況下で大和や武蔵の建造を中止して風船爆弾開発に全力投球すれば百万発やそこらは作れるんじゃね? これに生物兵器や化学兵器を満載してやれば核兵器以上の強烈な効果を発揮してくれるはずだ。って言うか、発揮してくれないと困るぞ」
大作は言っていて自分でも阿呆らしくなってきた。そもそも1925年のジュネーヴ議定書を受け入れたのが失敗なのだ。
生物・化学兵器は非人道的だから禁止だと? んじゃあ、その後の無差別爆撃や核兵器の方が人道的だとでもいうのか? そっちが野放しなのはおかしいじゃん!
むしろ戦争なんていうのは恐ろしくて残酷だからこそ良いって物なんだ。そもそも戦争に人道やら倫理やらを求めるなんてかえって平和に逆行してるんじゃね? スタートレックTOSにもそんなお話があったような、なかったような。
「大佐。ねえ、大佐ったら。皆様方のお話が終わったみたいよ。ちょっと、大佐ってば!」
「うわらば!」
妄想世界に没頭していた大作はお園に強く耳たぶを引っ張られて我に返った。
痛いなあ、もう! もし千切れたらどうしてくれるんだよ、まったく。大作は心の中でぼやくが決して口には出さない。
耳を揉み解しながら顔を上げると四人の爺さんたちの殺気立った顔が目に飛び込んできた。
こういうピリピリした雰囲気は苦手なんだけどなあ。って言うか、話を全然聞いていなかったなんて正直に話したらどんな顔されるんだろう。大作は想像しただけで吹き出しそうになったが空気を読んで必死に我慢する。
「ちょ、ちょっと皆さん一旦クールダウンしませんか? せっかく盛り上がってるところ悪いんですけど会議の目的は情報共有ではありませんぞ。意思決定にございます。と思いきや、Googleなんかでは『会議は意思決定の場ではなく対面で話し合うための場』とか何とか言ってるようですな。そう申さばAppleでも会議の参加人数を極力減らして対話を重視しているんだとか。そんなわけでもうちょっとだけ対話してみませんか? 対話のドアは常に開かれておるのですぞ。ね? ね? ね?」
「然れば御本城様は如何なお考えにござりましょうや? 是非にもお聞かせ賜りとう存じまする」
「ですからぁ~! 先ほどから申しておりますでしょうに。はっきり言わなきゃ分かりませんか? ではまず父上から。父上は御隠居様にございますぞ。そんなお方が戦場に出れる…… 出られるはずが無いでしょう? そこまで北条は追い詰められたのかと兵や民が憂えますぞ」
「何を当たり前のことを申しておる。儂とて本意でそう申したわけではないぞ。戯れじゃて」
氏政が引き攣った笑顔を浮かべながらスキンヘッドを撫で回す。これは絶対に嘘だな。とは言え、真面目に相手をするのも阿呆らしい。
一機撃墜! 大作は心の中で絶叫すると反対側に座ったおっちゃんに視線を移した。
「さぁ~てと、次なるお方は…… 美濃守殿? っていうと氏規さんでしたっけ? 資料によれば貴殿は和平派ってことですがお間違いは無いですかな? そんなお方が何でまた立候補したんでしょうか? そもそも叔父上殿には韮山城があるじゃないですか。アレを放っておくわけには参りませぬでしょうに」
「いやいや、御本城様は予てより山中城で雌雄を決すると申しておりませなんだかな? 然れば韮山は敵の真っ只中にござりまするぞ。後詰め無き籠城など何の役に立ちましょうや。其れよりも碓氷で戦う方が幾許かは……」
「そうは申されまするが叔父上殿。韮山城は初代早雲公が堀越公方を討ち滅ぼして伊豆を平定した折に建てられた北条のシンボル的存在ですぞ。それをすてるなんてとんでもない! 戦う前にそんなことしたら民草のテンションがダダ下がり間違い無し。国民不満度が跳ね上がると戦闘効率やIC生産にも悪影響が出るんですぞ」
「さ、左様にござりまするか。御本城様は儂如きに斯様な大役は務まらぬと仰せにござりまするか……」
氏規はこの世の不幸を一身に背負ったように打ちひしがれた顔だ。捨てられた子犬みたいな上目遣いで見詰められた大作は何とも言えない気持ちになる。
って言うか、開戦前からこんな後ろ向きになられても困るんですけど。だけど何をどうフォローすれば良いんだろう。分からん、さぱ~り分からん。
「まあまあ、叔父上殿。それほど悲観した物でもありませぬぞ。歴史上の偉人でも硫黄島の栗林中将とか沖縄第三十二軍司令官の牛島中将だって似たような立場じゃありませんか。他にも旅順要塞のステッセル将軍やスターリングラードのパウルス元帥なんかもそうでしょう? これっぽっちも寂しくないと思いませぬか? それにほら、真田十勇士の誰かも申されておられましたな。願わくば我に七転八倒を与えたまえとか何とか」
「其れは尼子十勇士が筆頭、山陰の麒麟児が申された『願わくば我に七難八苦を与えたまえ』ではござりませぬか? 然てもやは御本城様。武者は犬ともいへ、畜生ともいへ、勝つ事が本にて候とも申しますぞ。儂も叶うものなれば勝ちとうございます」
「うぅ~ん、脳科学者の中野先生も申しておられましたぞ。人間はやって後悔するよりもやらなかった後悔の方が後々まで引き摺るんだとか。何とかして叔父上にやる気を出してもらうわけには参りませんかなあ…… そうだ、閃いた! お客様の中に松田憲秀、じゃなかった。えぇ~っと、尾張守殿はおられませんか? 尾張守殿、いたら返事をして下さりませ!」
大作が絶叫すると少し離れた所で退屈そうに居眠りしかけていた老人がびくっと小さく飛び跳ねた。
急に名前を呼ばれてよっぽど驚いたんだろうか。暫しの間、固まっていたがやがて恐る恐るといった風に口を開く。
「如何なされましたかな、御本城様? 某なれば先ほどから目の前に居りまするぞ」
「いやいや、目の前ではありませぬぞ。目の斜め前ってところじゃありませんかな? それはそうと尾張守殿。貴殿は籠城派の急先鋒ではありませなんだか?」
「如何にも。大軍を相手に真っ向からぶつかるは下策。某は籠城が上策と存じまする」
良かったぁ~! 合ってた。ほっと安堵の胸を撫で下ろした大作が振り返ると半笑いを浮かべた萌と目が合う。
大作が小さくガッツポーズ(死語)を作ると萌も人を小馬鹿にしたような微笑みを返してくれた。
「でしょ? でしょ? ですよねぇ~? ほら、叔父上殿。尾張守殿もこう申されておられますぞ。後生ですから騙されたと思って韮山城に籠城して下さりませ。ほれほれ」
「左様にござります、美濃守殿。籠城は宜しゅうございますぞ。ただ城に籠っておるだけで敵が勝手に飢えてくれるのですからなあ。其れに山中城や韮山城、碓氷城を戦わずしてみすみす敵にくれてやることなぞ出来よう筈もござりますまい」
「頑張れ! 頑張れ! 出来る! 出来る! 美濃守殿ならきっと出来る!」
「左様じゃぞ、助五郎。其方なら必ずややり遂げられる筈じゃ! 犬に噛まれたとでも思うてやってみられよ」
籠城派の松田憲秀を味方に付けた大作は一気に攻めに行く。その他大勢の皆さんも韮山城を無血開城なんて阿呆なプランをマトモに相手にする気はさらさら無いようだ。無責任に囃し立てる様子は悪乗りしているようにしか見えない。
氏規は今や四面楚歌。って言うか、和平仲介の唯一の窓口だと思っていたソ連に裏切られて全世界を敵に回した大戦末期の日本みたいな状態だ。暫しの抵抗の後、黙って頷くより他は無かった。
フフフ…… 氏規が破れたようだな。奴は四天王の中でも一番の小物。裏切り者の松田憲秀如きに論破されるとは北条の面汚しよ。
大作は心の中で嘲り笑うが決して顔には出さない。なるべく真面目腐った顔を崩さないよう努力しながら氏規の手を取って優しく声を掛ける。
「ご存じですかな、叔父上殿。集団における意思決定においては責任感が分散されるので危険な選択肢を選びやすくなるそうですぞ。これをリスキーシフトと申すそうな。それに同調圧力が掛かるので全員が全員、これはダメだと思っていても反対意見が言えなくなるんだとか。戦艦大和の沖縄特攻なんて誰一人として成功すると思っていなかったそうですぞ。場の空気って怖いもんですなあ。まあ、それは今の叔父上が一番身に染みて感じておられるのでしょうが」
「さ、左様にござりまするな……」
「さて、お次はどなたでしたかな? えぇ~っと…… 君に決めた! 陸奥守殿、お次は叔父上の番ですぞ」
大作はたまたま目に付いた爺さんを適当に指差すと犯人を追い詰める探偵のような表情で迫る。
それまで半笑いで氏規を囃し立てていた氏照の顔が突如として凍りついた。
「わ、わ、儂じゃと? 儂の何処がいかんのじゃ? 儂が率いて然るべきであろうが! 何故じゃ、何故に奴を認めてこの儂を認めんのじゃ?」
「どうどう、お気を平らかになされませ。叔父上殿、聞こえておられたら御身の生まれの不幸を呪われるが宜しかろう。貴殿は良い叔父上でござったが貴殿の父上がいけのうございました。アハ、アハハハハ……」
「な、何じゃと?! 御先代太清軒様の何処が悪いと申すのじゃ? 如何に御本城様の仰せとは申せ返答次第ではただでは済まぬと思し召されよ!」
「いやいや、マジレス禁止! 話せば分かりますってば。なぜならば陸奥守殿は主戦派にござりましょう。だったらもっと良い活躍の場をご提供できますぞ。それはぁ~ ドゥルルルル~ ジャン! 山中城でしたぁ~! 彼の城は箱根絶対防衛戦の中でも最重要拠点にございます。あのような重要拠点を任せられるのは数多ある北条の将の中でも陸奥守殿を惜いて他には誰一人としておられませぬぞ。ね? ね? ね?」
史実では氏照は八王子城を家臣に任せて小田原城に籠城。主が不在の八王子城を守る農民や女子供三千は一万五千の北国勢に攻められて皆殺しにされる。その血で城山川は赤く染まったそうな。
その間、氏照は小田原城でニートのような生活をしてこれといった働きもしていない。結論の出ない小田原評定にうつつを抜かすのみの毎日だ。開城後に切腹したのが後にも先にも唯一の仕事だという無駄飯食いっぷりだ。
この給料泥棒に食い扶持分くらいは働いてもらわねばならん。絶対にだ!
そんな大作の鬼気迫る表情に氏照は首を竦ませて縮こまる。だが、精一杯の反抗といった風に唇を尖らせて呟いた。
「さ、然れども儂などより宜しかるべき者がいくらでもおりましょうに。左衛門大夫殿など如何かな?」
その名前を聞いた瞬間、大作はきゅ~っと心臓を掴まれたような気がして身の毛がよだった。
それって北条氏勝のことじゃんかよ。これぞ歴史の復元力のなせる技なんだろうか。
いくらなんでも大事な大事な山中城の戦いをあんなボンクラに任せることだけは避けなければ。
まあ、七万vs四千では誰が指揮をしていても勝てそうにないんだけれど。とは言え、まだ味方の兵は懸命に抵抗を続けていたんだ。それを大将が真っ先に逃げ出したせいで味方が総崩れなんてマトモな指揮官のやることか? とてもじゃないけど指揮官としての適正があるとは思えん。
いやいや、マッカーサーとかもそうだっけ。あの卑怯者は八万もの将兵を置き去りにして家族や側近と魚雷艇に乗って逃げたんだっけ。しかも『アイシャルリターン』なんて捨て台詞まで残して。
ちょっと待てよ。確か奴はフィリピンのケソン大統領を一緒に連れて逃げる代わりに五十万ドルもの巨額の金を個人口座に振り込ませたんじゃなかったっけ。しかもその金の出処はフィリピンの税金だったはず。なんて性根の腐った奴らなんだろうなあ。みんな死んじまえば良いのに。まあ、とっくに死んでるんだけれど。
閑話休題。氏勝も氏勝だ。奴は玉縄城に逃げ帰るとちょっと包囲されただけで碌な抵抗もせずに二十日足らずで降伏してしまう。しかも必死に抵抗を続ける北条の城を回って降伏勧告まで進んでやったときたもんだ。
そんな涙ぐましい努力が功を奏して徳川に再就職が叶い、やがては下総国岩富藩初代藩主になっちまったんだから世も末だ。
本当にみんな死んじまえば良いのになあ。まあ、とっくに死んでるんだけどさ。
とにもかくにも『あんな人たちに負けるわけにはいかない!』のだ。大作は心の中で絶叫するが決して顔には出さない。
「さ、左衛門大夫殿には玉縄城を守るという大事なお役目があるじゃないですか? ね? ね? ね? 彼のお方にはそっちを頑張って頂きましょうよ。叔父上も男なら聞き分けられませ!」
「玉縄城ですと? あの城こそ小田原より遥かに後ろではござりませぬか? 山中城で敵を迎え討つのならば玉縄城に備えなど要りますまいに」
「そんなはずはございません! あっちはあっちで何だっけ? ほれ、海の向こうにいる奴。さ、さ、さ…… 里見! そう、里見の水軍とかくるかも知れないじゃありませんか。んなわけで陸奥守殿。叔父上には山中城をお願いできませんか? って言うか、これは叔父上の機関の仕事です。閣下は兵を必要な時に動かして下されば良い。もちろん拙僧が政府の密命を受けていることもお忘れなく」
いい加減に面倒臭くなってきた大作は得意の名セリフで強行突破を図る。だが、元ネタを知る由もない氏照は首を傾げるばかりだ。
どうしたもんじゃろのう。無い知恵を振り絞って考えるが何一つとしてマトモなアイディアが出てこない。これはダメかも分からんな。
そんな時、不意に袖を引かれる感触がして顔を向けて見ればお園がちょっと意地の悪そうな笑顔を浮かべていた。
「どうどう、大佐。制服さんの悪い癖よ。ことを急ぐと元も子もなくすわ。閣下が不用意に打たれた暗号でも解読されたんじゃないかしら?」
「そ、そうかも知れんな。そうじゃ無いかも知らんけど。って言うか、お園がそう思うんならそうなんだろう。お園ん中ではな」
これは長丁場を覚悟した方が良いかも知れんなあ。大作は小さくため息をつくと長期戦に備えて足を崩した。




