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巻ノ弐百弐拾壱 走れ!エイトマン の巻

 冷たい北風が吹きすさぶ中、大作たちを乗せた二艘の高瀬舟は権現堂川だか逆川だか名前も良く分からない川を北西の方向に遡って行く。

 朝が早かったせいだろうか。みんな揃って眠そうな三白眼をしながら欠伸を噛み殺している。

 少し進むと川は恐ろしく巨大な沼に繋がっていた。北岸に目を凝らすと土塁やら櫓やらが所狭しと建ち並んでいるのが霞んで見える。


 これって『地獄の黙示録』に例えるといったいどの辺りに当たるんだろうか。

 ド・ラン橋の先にあったエピソードっていうとアレか? 突然の襲撃でクリーンが死んで子犬が行方不明になっちゃうんだっけ。何だか嫌な予感がしてしょうがないんですけど。

 例に寄って大作は自分自身で考え出した恐ろしい妄想に取り憑かれて震え上がる。


 そんな大作の心中を知ってか知らずか政四郎が眠そうな目を擦りながら声を掛けてきた。


「御本城様、あれに見えまするが水海城にございますぞ。お立ち寄りになられましょうや?」

「そ、そうですなあ…… 昨晩、拙僧が集めた情報によれば簗田は二つに割れておると聞きましたぞ。水海城主の洗心斎とやらは北条のことをあまり良う思うておらぬそうな。行っても歓迎はして貰えぬでしょうなあ」

「割れても末に逢はむとぞ思ふ、などと申しますぞ。御本城様が同心して語らえば洗心斎様もきっと(なび)かれるのではありますまいか?」


 上手いこと言ったとばかりに政四郎がドヤ顔で顎をしゃくった。この意味不明な自信は何処から湧いてくるんだろう。

 もしかしてこいつ、あそこに客を連れて行けば何かインセンティブでも貰えるんじゃなかろうな? 大作は警戒レベルを引き上げる。


「うぅ~ん、時にゆとりがあればのんびりと語ろうて北条の味方に引き込むのも悪うはござりませぬでしょうな。されど今はとにかく時間がありませぬ。僕にはもう時間が無いのでござりまする。それに今は大戦(おおいくさ)の目前ですぞ。信用できない味方を増やすよりは敵味方をはっきりさせた方が宜しかろう。万が一にもミニエー銃やテレピン油の秘密が敵に漏れたらそれこそ大惨事ですからな」

「みにえいじゅう? てれぴんゆ? 其れは如何なる物に……」

「好奇心は猫をも殺す。可愛い猫さんが死んじゃったら可哀想でしょう? とにもかくにもこの話はこれで仕舞です」

「御意」


 あまりにもあっさりと政四郎が意見を引っ込めたので大作は拍子抜けした。まあ、マトモに相手をするのが阿呆らしいと思われたのかも知れんけど。


 ちなみに史実では水海城主の簗田晴助は小田原征伐の際、北条にはっきりとした敵対的行動を取らなかったらしい。とは言え、水面下では浅野長政と書状の遣り取りをしていたんだそうな。徳川に再就職できたのもそのお陰なんだろう。

 だったら無暗に引っ掻き回すよりは放置した方が無難なはずだ。豊臣を撃退した後に好きなように料理すれば良い。大作は簗田晴助(洗心斎)を心の中のシュレッダーに放り込んだ。


 どんぶらこ、どんぶらこと高瀬舟は利根川を遡って行く。やがて右側から渡良瀬川が合流してきた。舟は利根川本流の左側へと進む。


「あっちに流れているのが渡良瀬川だぞ。かの有名な渡良瀬橋は北西に八里くらい行ったところだな。北側のたもとに歌碑が建てられていてボタンを押すと曲が流れるんだってさ」

「曲が流れるですって? それっていったい如何なる絡繰りなのかしらねえ」

「さ、さあなあ…… 音楽プレーヤーでも仕込んであるんじゃね? 知らんけど」


 どこまでも広がる田畑の間を緩やかな曲線を描いた川が延々と続く。これといって見るべき物も無いので大作は早くも退屈してきた。

 そんな微妙な空気を読んだのだろうか。メイが妙なハイテンションで話を振ってくる。


「ねえねえ、大佐。私たちが向かっている碓氷城ってどんなところなのかしら? こんな長旅をするくらいなんだから大層と大事なる所なんでしょう?」

「う、うぅ~ん。どうなんだろう。それが分からんから見に行くんだよ。史実では与良与左衛門とかいう奴が八百の兵を率いて碓氷峠で北国勢を迎え撃ったそうな。だけども敵は前田が一万八千、上杉が一万、松平が四千、真田が三千の合わせて三万五千の大軍だろ。真田昌幸にあっさり瞬殺されちまったらしいぞ。その後、大道寺は二、三千の兵で松井田城に籠城するんだけど一月ほどでギブアップしちまう。これを何とかしないことには箱根方面でいくら頑張っても無意味だろ?」

「むいみなの?」


 首を傾げたメイの顔にはさぱ~り分からんと書いてあるかのようだ。大作は助けを求めるようにお園に視線を送る。だが、返ってきたの小馬鹿にしたような半笑いだった。


「無意味なんじゃないのかなあ? だって、いくら玄関の戸締まりをしっかりやっても裏口の鍵を掛け忘れてたら意味が無いだろ?」

「大佐は碓氷を裏口だって言うの? そんな話は大道寺様とやらにはしない方が良いと思うわよ」

「いやいや、裏口っていうのは意外と盲点なんだぞ。それにマンション上層階に住んでると油断してベランダを開けっ放しにすることも多いだろ? ところが屋上や隣の部屋から侵入しようとする泥棒も結構多いんだってさ」

「べらんだ?」


 例に寄って例の如く目の付け所がメイだなあ。こんな風に心の赴くまま話を脱線させ続けられたらどんなに幸せなことだろう。大作の胸中に仄かな嫉妬の炎が灯る。


「気になるのはそこかよ~! ポルトガル語で露台って意味らしいな。二階以上にあって庇の付いたやつのことだ。庇が無ければバルコニー。一階にあればテラス。玄関先にあればポーチだな。んで、話を戻しても良いかな? とにもかくにも、敵の進行ルートは分かってるんだ。だったら防衛に有利な山間部に戦力を集中して食い止めるのが定石だろ? 史実で失敗したのは戦力が少な過ぎたせいだ。一万の兵で守りに徹すれば阻止するのは難しくないはずさ」

「だけど大道寺ってお方は信ずるに足るお方なのかしら。史実では一月でギブアップしたんでしょう?」

「そこが問題なんだよなあ。後詰が期待できない状況で二、三千の兵で一ヶ月の籠城っていうのは悪くない結果だ。だけど問題はその後なんだよなあ。奴はただ降伏したんじゃなく完全に敵に寝返っちまう。こともあろうに北条の弱点を教えたり先頭に立って北条の城を攻めたりしやがったんだ。将棋の駒じゃあるまいし普通はそう簡単に立場を引っ繰り返せないだろ? 秀吉もこいつは信用できんと思ったんだろうな。小田原城開城の後に切腹させたそうだ」


 これぞ裏切り者に相応しい末路だ。小早川秀秋みたいにちょっと捻ったパターンも悪くない。だけどこういうド直球な因果応報も趣があって良いなあ。大作は胸のすく思いがした。

 しかしメイの心にはちっとも響かなかったらしい。不満そうに唇を尖らせると吐き捨てるように呟いた。


「何だか阿呆みたいな話ね。そんな目に遭うくらいなら死ぬまで戦って名を残せば良かったのに」

「やっぱそう思うよな? ゲッベルスも似たようなことを言ってたっけ。とは言え、大道寺は早雲公の時代からの御由緒家? 御一門衆? 何かそんなのだ。簡単に切るわけにもいかん。他に適当な人材もいないしな。まあ、裏切ったのは松田と同じで北条に勝ち目が無いと思ったからだろ? だったら勝てば良いだけだ。簡単なことさ」

「あのねえ大佐。勝つためにはどうすれば良いかって話をしているのよ。それなのに勝てば良いなんて話が堂々巡りしてるわ。つまるところどうするの?」

「いやいや、だから北条は勝てるって信じさせれば良いんだろ。いつも通り俺の華麗なトークスキルで煙に巻いてやるさ。俺を信じる俺を信じろ」


 大作は内心の不安を押し殺して自信満々にドヤ顔を決めた。だが、女性陣とナントカ丸は曖昧な笑みを浮かべるばかりだ。

 少し離れたところで政四郎だけが話に加わることもできず寂しそうにしている。そう言えばさっきは一方的に意見を却下したんだっけ。何かフォローしといた方が良いんだろうか。大作は懐からスマホを取り出すと写真を表示させた。


「時に政四郎殿。これが先ほど申し上げた可愛い猫ちゃんですぞ。名前はまだありません。取り敢えず『猫ちゃん(仮)』とでも呼んでおきましょうか」

「ほほぉ~う。此れが猫ちゃん(仮)にござりまするか。そこはかとなく()いですなあ」

「もし小田原にお立ち寄りの際は是非とも拙僧をお訪ね下され。未唯に頼んで猫ちゃんを抱っこさせてあげますぞ」

「おお、其れは嬉しや。遠慮のうお訪ね致します」


 余りにも急な政四郎の態度の変化に戸惑いながらも大作たちは猫談義に花を咲かせた。




 一同を乗せた舟は利根川をひたすら遡って行く。巨大な中洲が増えてきて船頭は懸命に櫂を操る。

 広瀬川との合流ポイントを左に進むと川はさらに中洲だらけになった。日も徐々に西の空に傾いてくる。

 ふと視線を感じて振り向くとそれを待っていたかのように政四郎が口を開いた。


「御本城様、今宵は和田城にお泊りになられましょうや?」

「和田城? そこってどんなお城でしたかな。どれどれ…… ああ、高崎城の南に昔あったお城ですな」

「はて、高崎城とやらは如何なる城にございましょうや? 某は耳にしたこともござりませぬが」


 例に寄って政四郎の顔には『小さなことが気になってしまう。僕の悪い癖』と書いてあるかのようだ。だが、先ほどの猫の脅しが効いているのだろう。決して疑問を口には出さない。

 それに気を良くした大作はスマホを弄って情報を漁る。


「和田城主の和田信業(わだのぶなり)殿は永禄三年(1560)に甲斐武田氏の譜代家老、跡部勝資の子として生まれたんですな。そして上野の国人で和田城主だった和田業繁の婿養子に迎えられた。ところが長篠の戦いで業繁が戦死して十五で家督を継ぐことになる。お陰で上野の一国衆に過ぎなかった和田氏は武田氏の譜代家臣並みの扱いを受けられたんですと。んで、天正十年(1582)三月の武田氏滅亡に先立って北条氏直に乗り換えた。ところが滝川一益が上野を領有したことで織田氏の家臣となる。と思いきや六月に本能寺の変で信長が死ぬと再び北条氏直の家臣となって他国衆として遇される。いやいや、本に国人衆とは難儀な稼業ですなあ」

「遠山の家は代々、北条様だけにお仕えできて幸せ者にございます」


 そう言うと政四郎は口元だけで愛想笑いをする。だが、目が全然笑っていない。

 こいつ何か国人衆に思うところでもあるんだろうか。とは言え、迂闊に開いてはいけないパンドラの箱みたいな威圧感を感じるぞ。これは触れない方が良さげだ。


「ちなみに上野の国衆では由良国繁と和田信業だけに朱印の使用が許されていたって書いてありますな。それだけ重用されておったのでしょう。小田原征伐では小田原に籠城するが戦後に失業と。おやおや、このお方も無事に徳川に再就職できたみたいですぞ。何だか徳川ってシルバー人材センターの様相を呈してきましたな」

「さ、左様にございますな」


 そんな阿呆な話をしているとまたもや川が分岐した。いやいや、遡っているから合流しているんだっけ。舟は左側の細い方へと進んで行く。

 急に狭くなった川は流れも速くなり大きな蛇行を何度となく繰り返す。巧みに櫓を操る船頭の顔にも疲労の色が濃くなってきた。


「運転手さん、じゃなかった。船頭殿、くれぐれも無理はしないで下さりませ。ここまできて事故でも起こしたら大変ですからな」

「いやいや、御本城様。これしきのこと何の障りもございませぬ。じきに和田のお城にござりますれば、今暫くお待ち下さりませ」


 口ではそんなことを言っているが信用して大丈夫なんだろうか。舟が揺れる度に大作は肝を冷やす。佐野の渡しを通り過ぎ、日が大きく傾いたころ舟はようやく和田城へと辿り着いた。


 今回も先行してくれていた御馬廻衆が見事に役目を果たしてくれたらしい。大手門前には地味だが高そうな着物をビシッと着こなした大柄な侍が待っていた。年齢は三十手前といったところだろうか。事前に調べた情報とも合っているようだ。

 無論、その後ろにも大勢の供回りの侍や門番みたいな連中が金魚の糞みたいにくっついている。


「これはこれは御本城様、正月にお目通り頂いて以来になりましょうや? ご無沙汰しておる間に随分と頭が寂しゅうなられましたな。御裏方様も相変わらずお美しいことで。今宵、我が城にお泊り頂けるとは嬉しい限りにございます。美味い酒を用意させました故、夜通し飲み明かしましょうぞ!」


 何なんだこのおっさん? 妙な距離感なんですけど。まあ、この男は既に七年に渡って北条に仕えて重用されている。三年前には氏直に従い常陸谷田部城攻めにも参加したそうな。戦場で同じ釜の飯を食ったりすれば仲良くもなるだろう。

 とは言え、大作としては初対面の相手なだけに話を合わせ辛いことこの上ない。それに酒の失敗は繰り返したくないし。大作はさり気なく一歩だけ距離を取る。

 だが、信業は瞬時に二歩近付いてきた。縮地か? 縮地なのか? 信業、恐ろしい子!


「いやいや、右近衛大輔殿? 拙僧は医者に酒を止められておりましてな。折角ですがノンアルコールでお願い致します」

「某の酒が飲めぬと申されまするか? それに御本城様、右近衛大輔などと他人行儀はお止め願いまする。八郎とお呼び下さりませ」

「は、八郎? そう言えば、たこ八郎っていらっしゃいましたな。そうそう、エイトマンの本名は東八郎だって知っておられましたか? 八郎だからエイトマンなんですぞ。笑っちゃいますよな。アハ、アハハハハハ……」




 必死の話題反らしにも関わらず夕餉では和田信業が性懲りもなく酒を勧めてきた。

 何としてでもアルコールを回避したい大作は無い知恵を絞って懸命に抵抗を続ける。


「知っておられますかな、八郎殿。酒は百薬の長なんていうのは真っ赤な嘘っぱちだってことを」

「なんと申されまするか、御本城様。其れは真にございましょうや?」

「先日、テレビで林先生が申されておられましたぞ。適量の酒を飲む人が酒を全く飲まない人より長生きするって統計はデータの取り方に問題があるんだそうな。考えてもみられませ。重い病で明日をも知れぬ者が酒なんて飲まないでしょう? そんなデータまで一緒に混ぜちゃうから酒を全く飲まない人が早死するなんて変な結果が導き出されるんですよ」

「さ、左様にござりまするか。うぅ~む、やはり御本城様に知恵比べでは叶いませぬな。ささ、一献」


 信業には何か人にアルコールを飲ませなければならない使命でもあるんだろうか。執拗に酒を勧めてくる不屈の根性には執念とも言える強い思念を感じるほどだ。もし叶うならばこのエネルギーを人類の役に立つ方向に活かせれば良いのになあ。大作は柄にもなく感動していた。


「いやいや、だから駄目なんですってば。お園も何とか言ってくれよ」

「ナントカ! なぁ~んてね。うふふ、戯れよ。されど八郎様もお戯れはほどほどになされませ。アルハラは立派な刑法犯にございます。刑法209条『過失傷害』や刑法204条『傷害罪』、刑法223条『強要罪』に触れるやも知れませぬよ」


 お園は優しい笑みを浮かべ、口調もとっても柔らかだ。だが、目だけは笑っていない。その視線に気付いた信業は黙って盃を飲み干すと愛想笑いを浮かべて引き下がる。

 と思いきや、信業は急に糞真面目な表情を作ると居住まいを正した。


「して、御本城様。此度は斯様な草深き所へ何用にござりまするか? もしや豊臣との大戦(おおいくさ)は避け難しとの思し召しで?」

「え? なんだって? 大戦でございますか? そうですなあ…… 八郎殿は如何なるお考えですかな?」


 取り敢えずは言葉のジャブでシンキングタイムを稼ごう。大作は信業の疑問をそっくりそのまま打ち返す。だが、信業から返ってきたのは予想外の答えだった。


「いやいや、儂ごときに左様なことが分かろうはずもござりませぬ。御本城様の御考えを教えては下さりませぬか?」

「えぇ~~~っ! 質問を質問で返すなって言われたことはございませんか? ない? ないんだぁ~」

「御本城様こそ儂の問いをそのまま返しておるのではござりませぬか? して、大戦は有りや無きや? 是非ともお言葉を賜りとうございます」


 こりゃあ一本取られたな。大作は素直に白旗を上げそうになる。いや、まだだ! まだ終わらんよ! 無駄蘊蓄こそ、人類の夢だから!


「だったらこんなのはどうですかな? イギリス首相ベンジャミン・ディズレーリは申された。『I am prepared for the worst, but hope for the best. 最悪の事態に備え、最良の事態を期待せよ』と。先の大戦において旧軍は過度の楽観論で軍民合わせ三百万の犠牲を出すに至りました。油断は禁物にございます。有るか無いか分からんなら有ると思うておきましょう」

「うぅ~む、先の大戦とは応仁の乱にござりましょうや? 正に『治に居て乱を忘れず』にございますな。お言葉、確と承りました」


 信業は分かったような分からんような顔で眉間に皺を寄せて何事か考え込んでいる。

 これは勝ったのか? それとも引き分けか? 少なくとも負けてはいないはずだ。大作は心の中で休戦を宣言すると食事へと戻った。






 そのまま夕餉はなんとなく散会となり、二人は宛がわれた寝室へと案内された。広々とした座敷には小さな火鉢が置かれ中では炭が赤々と輝いている。

 煙も炎も上げていないということは割と良い炭を使っているようだ。煙たくは無いんだけれど一酸化炭素とか大丈夫なんだろうか。心配性な大作が換気のために襖を開けると冷たい風が吹き込んで室内の気温を一気に下げてしまった。


「寒ぅ~~~! これじゃあ暖房の意味が無いやん! まあ良いや、今日もテントで寝ようか」

「それが良いかも知れないわね。私、風邪をひくのは真っ平御免の介ですもの」


 この夜、二人はまたもや屋内でテントを張って寝る羽目になった。


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