巻ノ弐百 やっぱり戦が好き! の巻
大作一座は京の都の四条大路を西に向かって颯爽と行進を続けていた。
座長の大作がアルトサックスを吹き、メイが篠笛でそれに合わせる。お園が即興で歌を歌い、萌は見たこともない不思議な振り付けで踊る。
サツキがばら蒔くようにお菓子を配ると子供から大人まで皆が夢中になってそれに手を伸ばした。
そして縁の下の力持ち、藤吉郎はサツキと菓子屋の間を往復して消費したお菓子を補給する。近代戦において兵站というものは他の何物にも代え難いほど重要な要素なのだ。
この重要な任務に藤吉郎は正に打って付けの人材なんじゃなかろうか。いやいや、そんなこともないのか? どうなんだろう。考えても良く分からん、さぱ~り分からん。
そもそも兵站って本当に重要なんじゃろうか? ロンメル将軍もパットン将軍も補給なんて無視して猪突猛進してたじゃん。まあ、最後は死んじゃったんだけれども。
とは言え、歴史上の人物って大抵は最後には死んじゃうんだよな。西郷隆盛しかり、大久保利通しかり。
死んだかどうか分からない著名人なんていたっけかな? 植村直己さんとか? うぅ~ん、植村さんは偉大な冒険家だけど歴史上の偉人とは違うような。
歴史上の偉人で生死不明の人物っていったい誰だろう? いたかも知れんけど直ぐには重い打線。ま、いっか。大作は考えるのを止めた。
高倉大路まで進むと釘貫とかいう木戸門が建っている。それを潜った途端、急に街並みが立派に……
そこで唐突に大作の視界が真っ白になり、意識が途切れた。
意識を取り戻した大作の目に飛び込んできたのは見慣れた真っ白の空間だった。
ま~た~か~よ~~~! もう、心の底から本当の本当に飽き飽きなんですけど。大作は心の中で小さくため息をつくと大声を張り上げた。
「もしもし! もしも~し! 誰かいませんか~?」
「あぁ、生須賀君。急に呼び出して悪かったね。座ってくれたまえ」
突如として何もない空間から人影が現れる。それは誰あろう、スカッド其の人であった。
「うわぁ、びっくりした! って言うか、これはこれはスカッドさん。やっぱりあなたの仕業だったんですね」
カーネル・サンダースとランディ・バースを足して二で割ったような風貌は相変わらずだ。このおっさんに縦縞のユニフォームを着せたらどんな感じなんだろうか。大作は想像して吹き出しそうになったが空気を読んで我慢する。
いやいや、いま着ている白スーツも決して悪くはないんだけどな。これに黒い蝶ネクタイを締めたらとっても似合いそうだ。もちろん福井県鯖江で作られた度数3.25の眼鏡も掛けなきゃならんけど。
ちなみに、あの白スーツを日本ケンタッキー・フライド・チキンは一万八千ドルで落札したんだそうな。その他諸々の諸経費込で二万千五百十ドルも掛かったらしい。だったらもう……
「生須賀君、聞いてるかい? 生須賀君!」
慌てて声のする方に目をやってみるとスカッドが例の真っ白なソファーに深々と座り込んでいる。大作も手探りでソファーを探すと向かい合わせに浅く腰を降ろした。
「は、はいぃ? え、えぇっと…… 今日はいったい何の御用でしょうか。もしかして、またもや最終回とか言い出すんじゃないでしょうね?」
「おや、知っていたのかい? 実は今回が記念すべき第二百回目なんだよ。それだというのに君は相変わらずだねえ。小田原にタイムスリップしてからだけでも今回で二十四回にもなるんだ。作中では八日も費やしているっていうのに聚楽第に辿り着きさえしていない。もし、今のペースが続いたら山中城の戦いまで何回くらい掛かるか計算してみたことあるかね?」
そう言うとスカッドは暫しの間、黙り込んでしまった。これは真面目に答えないといけないんだろうか? 大作は足りない頭をフル回転させる。
八日で二十四回ってことは一日で三回ってことだ。五ヶ月は百五十日だから……
「え、えぇ~~~っ! 四百五十回も掛かるんですか? 何だか絶対にそこまで行かない気がしてならないんですけど…… でもですね、展開が遅いっていうんならもっと凄いのを知ってますよ。古い作品なんですけど銀河テレビ小説『四捨五入殺人事件』ってのが作中で一晩の出来事を十五話にも渡って描くという……」
「あのねえ、生須賀君。それは井上ひさしの原作がちゃんとしてたからだろ? 君みたいな素人が真似したって火傷するだけだよ。もっと身の丈にあったことを心掛けた方が良いんじゃないかなあ」
「それくらい自分でも百も承知ですよ。でも、ワンパターンというかマンネリというか新しい展開が全然思いつかないんですよね。いったいどうすれば良いんですか?」
「う、うぅ~ん。実を言うと君たちが二度目のタイムスリップをしてからこっち、感想がさぱ~り付かないんだよ。まあ、もともと少なかったんだけどね。僕からアドバイスできることといえば…… とにもかくにも、もっともっと展開を速めるんだ。小田原から京都に行くだけで二十話も掛けるなんてやってちゃ駄目だよ。絶対にだ!」
眉間に皺を寄せたスカッドが声を荒げる。大作は『知らんがな~!』と心の中で絶叫するが決して顔には出さない。代わりに満面の笑みを浮かべながら精一杯の明るい声で答えた。
「ご心配には及びません、スカッドさん。場面転換の直後だったんでどうしても細かい描写を入れる必要があったんですよ。ここからはどんどん飛ばして行きますから」
「そ、そうかい。そりゃあ大いに期待しているよ。何せ君のストーリー展開の遅さはちょっとあり得ないレベルに達しつつあるからね」
「そんなことより今の私って時空商取引法違反で保護観察中なんですよね? この件で異議申し立てしてもらうことはできませんか。前にも言いましたけど、これって法の遡及適用ですよね? ホーキング博士の時間順序保護仮説とかにも反していますよ。どうしても納得が行かないんですけど」
こんなことで一方的に攻められるなんて甚だ心外なことこの上ない。大作は無理を承知で物言いを付ける。気分は『意義あり!』と法廷で叫ぶ弁護士だ。
この反撃はスカッドにとっても予想外だったんだろうか。恰幅の良い上体を反らして大袈裟に驚いているように見える。
「え、えぇっ! まさか、ここまできて小田原征伐の話を止めるって言うのかい? あと三キロも歩けば聚楽第なんだよ。取り敢えず秀吉の面会イベントまではやってみてはどうかなあ? って言うか、異議申し立てをするにしても結果が出るまでには結構な時間が掛かるんだよ。乗り掛かった舟って言うだろ。ちゃんと豊臣を滅ぼすところまでやってくれないかなあ?」
「いやいや、時空警察は時間に関しては自由自在なんでしょう? 結果が出てから時間を遡って今この時点に知らせにきてくれれば良いんですよ。簡単な話でしょう?」
「そ、そ、それはその。あの…… んじゃ、さよなら!」
あからさまに狼狽えた顔のスカッドが激しく手を振る。その瞬間、大作の意識は唐突に途切れた。
「もしもし、大佐。もしも~し! もおぅ、大佐ったら! Can you hear me?」
気が付くと大作の目の前でお園が小さな手のひらを揺ら揺らと閃かせている。大きくてちょっとタレた瞳にじっと見詰められた大作は思わずドキっとした。
それはそうと手をひらひらさせることも『閃く』って表現するとは知らなかったなあ。辞書に『旗が閃く』みたいな用例が載ってるんだから間違いは無いんだろうけど。
「へ、へぁ? あ、あぁ、お園か。Yes,I can! とは言え、こういう時は『Do you hear me?』って言った方が良いらしいぞ」
「そ、そうだったかしら? でも、入来院様のところで『錨を上げて』を歌った時に『Can you hear me』の方が良いって言ったわよね? あれは嘘だったのかしら」
「いやいや、『Do you hear me』ってのは『ねえ、聞いてるの?』って感じかな。そんで『Can you hear me』は『聞こえていますか~?』みたいな?」
大作はぼやけた頭をフル回転させて適当な相槌を打つ。こんなのぶっちゃけどっちでも同じじゃね? だが、そんな本音はおくびにも出さない。
「それってどう違うのかしら。何だか良く分からないわ。でも、良かった~! 頓に立ち休らふから如何せましと思ひたるところだったのよ。大事は無いかしら? 暫くの間、打ち休む?」
「いやいや、No problem. じゃなかった、You are welcome! 実はスカッドの奴から巻が入ったんだよ。ちゃっちゃと片付けて先に進めってオーダーだ」
「ふ、ふぅ~ん……」
ところで、ここはどこだっけ? 大作はぐるりと一回りして辺りを見回す。そうそう、東洞院大路の釘貫を潜ったところだっけ。
この辺りから西、油小路くらいまでが下京惣構の範囲内ってことらしい。急に街並みが賑やかになり、通りの両側には小さな商家がぎっしりと立ち並んでいる。
人口密度も一気に増えてくるが風魔党が上手い具合に人を捌いてくれているようだ。進路はクリアされており大作一座の行進に支障は無い。
室町小路まで進むと賑わいが頂点に達した。この交差点は室町幕府の制札場だったらしい。この時代では一番の繁華街といったところだろうか。
この付近が下京町組の中心地であり、『鉾の辻』とか言われていて祇園祭でも山鉾町の中心だったそうな。
ここは一発、かましてやるべきなのか? それとも止めといた方が良いんだろうか。まあ、やらずに後悔するくらいならやって後悔した方が良さげだ。大作は考えるのを止めると拳を掲げて声を張り上げた。
「え、えぇ~っと。御町内の皆さま! 拙僧は小田原から参りました北条左京大夫と申します。この場をお借りして皆様方に一言、言上仕りまする。皆様方、拙僧は戦が好きだ! 皆様方、拙僧は戦が好きだ! 皆様方、拙僧は戦が大好きだ!」
「ふ、ふぅ~ん」
お園が気の無い相槌を打つが大作はそれを軽く聞き流す。
ぽか~んっと口を開いて呆けている鉾の辻に集う群衆たちとは対照的だ。
大作はそれら全てを無視して一方的に捲し立てる。手をグルグルと振り回し、目をギラギラと輝かせたその形相はヒトラー総統が乗り移ったかのようだ。
「早慶戦が好きだ。紅白歌合戦が好きだ。オープン戦が好きだ。PK戦が好きだ。九六式艦戦が好きだ。マジノ線が好きだ。草津温泉が好きだ。って言うか…… 響子さ~ん、好きじゃあぁぁ!」
「何だか途中から趣旨が変わっていたわね。ところで、響子って誰なの? その女にも懸想していたのかしら」
「いやいや、響子さんの中の人はナウシカやクラリスの中の人でもあるんだぞ。もののけ姫のトキ、トトロではサツキとメイのお母さんだってやってたし。だったら広い意味で関係者みたいな物だろ? ちなみに、赤毛のアンでオーディションの最終選考まで残ってたらしいな」
「そう、良かったわね」
話が丁度一段落したところで大作一座は道を右に曲がって北へと進路を変えた。
昨日は堀川小路を通ったが、この時代の下京と上京を繋いでいたメインストリートは誰が何と言っても室町小路なのだ。昨日はそれを知らなかったんだからしょうがない。
暫く進むと例によって長閑な田園地帯が広がり、人通りもぱったりと途絶えてしまった。一同は演奏や踊りを止めて暫しの休息を取る。
「いよいよ、あと二キロ…… たったの半里ほどで目的地ってところまでやってきたぞ。それにしても聚楽第ってどんなところなんだろう。楽しみだなあ」
「何を申しておる、新九郎。昨日も門前まで行ったではないか」
「いやいや、父上。昨日は徳川の屋敷に行こうと思ったら間違えて行っちゃったんでしょう。今日はちゃんと白装束を着て磔柱も担いでおります。流石にこれには天下人の秀吉もびっくり仰天することにござりましょうな」
「そうであれば良いのじゃがのう。儂は何やら妙な胸騒ぎがしてならんぞ」
そう言うと氏政が首を竦めてぶるぶるっと震えさせた。いったい何なんだろう、この変てこなジェスチャーは。何かリアクションを取った方が良いんだろうか。
そんなことを大作が考えていると横から萌が口を挟んできた。
「ところで大作、あんたさっきから聚楽第って言ってるわね。だけど、本当は聚楽第が正しいって知ってたかしら?」
「何じゃと? 其は真のことか? 儂も聚楽第じゃとばかり思うておったぞ」
「真のことにございます、御隠居様。大村由己とかいう秀吉の右筆が『聚楽行幸記』の中で聚楽第に『じゅらくてい』ってルビを振っておられました」
氏政の適当な相槌に対し、萌が即座に明確な根拠を打ち返してくる。相変らず手厳しいことだ。
その自信満々な笑顔を見ていると不意に大作の悪戯心に火が点く。ニヤリと笑みを浮かべると小首を傾げてお園の声色を真似た。
「るび? それって、美味しいの?」
「もおぅ、大佐ったら! もしかして、私を真似たつもりなのかしら?」
「おっ? やっぱ、自覚はあるんだな。まあ、食欲旺盛なのは悪いことじゃないぞ。別に人に迷惑を掛けてるわけじゃないし」
「ちなみにルビっていうのは振り仮名のことよ。明治の日本では五号活字が標準的に使われていたんだけど、振り仮名には七号活字を使っていたの。これって5.25ポイントに相当するんだけど、十九世紀のイギリスでは5.5ポイント活字をルビーって呼んでいたのが由来なの。めでたし、めでたし」
間髪を入れずに萌が無駄蘊蓄を披露する。とっくの昔に張り合う気力の失せていた大作は両手を上げて無条件降伏を表明した。
そんな阿呆な話をしている間にも道沿いには段々と家屋が増えてきた。例に寄って何にもない田園地帯だが室町通との交差点だけは街並みといっても良いくらいには賑わっているようだ。
この辺りも来年には再開発で公家町が整備され、慶長年間には拡張された内裏に取り込まれてしまうんだそうな。もしかして、これってビジネスチャンスじゃね? まあ、死ぬほどどうでも良いんだけれど。
「この東西に延びている道が勘解由小路みたいだな。来年には再開発されて下立売通になっちゃうらしいぞ。聚楽第…… 聚楽第は西に一キロくらいだ」
「何だか寂しい通りねえ。良く分からないけど京の都って思っていたほど華やかでもなかったわ」
「そうかも知れんな。ちなみに、この道を二ブロックほど行くと西洞院大路との交差点北西に平安時代から獄舎があったらしいな。普通に晒し首とかやっていたそうだぞ。天正十三年(1585)に引っ越ししたらしいから今はやってないだろうけどさ」
「た~い~さ~~~! 私、そういう話は嫌いだって何遍も何遍も言ったわよね! サツキかメイ、悪いんだけど一っ走り行って首が晒されていないか見てきて頂戴な」
顔を顰めたお園がくノ一姉妹の顔を交互に見比べる。だが、二人とも素早く顔を伏せると視線を反らしてしまった。
「ご、ご、ごめんねお園。私は笛を吹かなくっちゃいけないのよ。代わりにサツキが行ってくれないかしら」
「わ、わ、私だってお菓子を配らなきゃならないわ。笛が無くても大佐のサックスがあるから大事ないでしょう。メイが行って頂戴な」
「あのなあ、お前ら。さっき晒し首は引っ越ししたって言っただろ? スマホに書いてあることは絶対の真理なんだ。俺を信じるな、俺の信じるスマホを信じろ! 首なんて晒されていない。絶対にだ!」
突如として不安感に駆られた大作は根拠なき楽観論を捲し立てる。だが、誰一人としてその言葉に耳を傾ける者はいないようだ。全員が急にその場に立ち止まると恐々とした顔で道の先の方を凝視しだした。
う、うぅ~ん。阿呆な冗談を言うもんじゃなかったな。激しく後悔するが完全に後の祭りだ。って言うか、本気で怖がってるみんなの顔を見ているとこっちまで怖くなってくるんですけど。大作はバックパックから単眼鏡を取り出すと恐る恐る道の前方を観察する。
「怖い怖いと思いながら見ると何でもかんでも不気味に見えてくるんだよなあ。パレイドリアとかシミュラクラ現象ってあるだろ? 『幽霊の 正体見たり 枯れ尾花』ってやつだ」
「それって正しくは横井也有の『化け物の 正体見たり 枯れ尾花』なんだけどね。ちなみに尾花っていうのはススキのことだから冬の季語よ」
萌がまるで鬼の首でも取ったかのようにドヤ顔を浮かべる。だが、大作はそれを完全に黙殺した。
「大丈夫、少なくとも見えている範囲に生首は晒されていないようだぞ。周辺警戒を怠らずに前進しよう」
「御意!」
誰だ、今のは? 大作は声のした方を振り返る。すると風魔小太郎だか小次郎だかが真剣な顔で頷いていた。
「あ~の~なぁ~~~! 出羽守殿! いたんなら言って下さりませ。申し訳ござりませぬが一っ走り行って道端に生首が晒されておらぬか見てきて下さりませぬか?」
「ご安堵下さりませ、御本城様。疾うに風魔党が懇ろな下調べしておりますれば斯様な物はござりませぬ。御裏方様もお気を安らかに」
「さ、左様にござりまするか。そんじゃあ前進再開と参りましょう。Let's go together!」
勘解由小路の遥か前方には聚楽第とそれを取り囲むように大名屋敷が建ち並んでいた。残す距離はあと一キロってところだろうか。
小田原から四百キロにも及んだ旅も間もなく終わる。とは言え、その後はまた小田原まで帰らなければならないんだけれど。
まあ、帰りは桂川から淀川を通って川を下れば大坂に出られる。そこからは海路で堺に行き、往路に使った船に乗り換えれば良いんだから……
「アッ~~~! 歴史上の偉人で生死不明の人物を思い出したぞ! 明石全登がそうじゃんかよ。あいつって大坂夏の陣で死んでいない可能性は十分にあるよな?」
「いきなり何の話なの? まあ、Wikipediaにも死没は元和四年(1618)または不詳なんて書かれてるくらいよ。大坂では死んでいないんじゃないかしらね。だけど、そんなこと言い出したら栗林中将や土方歳三だってそうじゃない?」
「し、知っているのか萌?! でも、その二人は間違いなく戦場で死んでると思うぞ。ってか、そんなん言い出したらコンスタンティノス十一世とかどうなるんだ? 俺が言いたいのはそっち系っじゃなくてだな。たとえば阿部定とか辻政信みたいなのを探してるんだよ」
「阿部定や辻政信が歴史上の偉人ですって? あんたとは一度、偉人の定義について徹底的に議論した方が良いかも知れないわね」
萌は小さくため息をつくと両の手のひらを上向きにして肩を竦める。
そんな阿呆な話をしているうちにも大作一座は大名屋敷の一角へと足を踏み入れようとしていた。




