巻ノ百八拾八 マルコーニによろしく の巻
僅か五ヶ月後に迫った小田原征伐。それに対抗するため、大作は無い知恵を絞った秘策を披露した。
だが、自信満々で発表したミニエー銃の量産計画は萌から散々なダメ出しを食らう。
これはもうダメかも分からんな。いや、まだだ! まだ、終わらんよ! ワシの秘策は百八式まであるぞ! いやいや、そんなには無いんだけれど。
大作はミニエー銃の量産計画を心の中のシュレッダーに放り込ん……
ゴミ満杯ランプが点滅してるやん! 勘弁してくれよ、まったくもう。心の中でぼやきながらシュレッダーの扉を開けてダストボックスを引っ張り出す。ゴミ袋は紙屑で超満杯だ。これを取り替えるなんて面倒臭いなあ。
しょうがない。圧縮して誤魔化しちゃおう。大作は問題先送りという究極奥義を使った。
「まあ、北条の鉄砲を全部ってのは難しいかも知れんな。でも、半分くらいなら何とかなるんじゃね?」
「それって大東亜戦争の直前に九九式小銃を制式採用したみたいな最悪の愚行なんじゃないかしら? きっと弾薬補給が大混乱するわよ」
「いやいや、さっき自分で言ってたじゃん。当時の鉄砲は銃ごとに口径がバラバラだからそれぞれ専用の玉鋳型があったんだろ。ケセラセラ、きっとなるようになるさ。ならんかも知れんけど。ところで、九九式小銃っていえばダーティーハリーのスコルピオは二式テラ銃を使っていたよな。何でまた、あんなマニアックな銃を……」
「はいはい、今はそんなことはどうでも良いわ。どっちみち、最悪でも北条は滅びないんだし。それよりも話を先に進めてくれるかしら?」
脱線しかけた話を萌が強引に引き戻す。相変わらず強引な奴だ。
ここからが面白いところなんだけどなあ。大作はちょっとイラっとしたが強靭な精神力でそれを押さえ込む。
「そ、そうだな。んじゃあ、次は真打ち登場と行こうか。こいつはある意味、ミニエー銃なんかよりもよっぽど破壊力があるぞ。それは虎居でも作り掛けていた焼夷兵器だ。エタノールを脱水縮合してジエチルエーテルを作る。こいつさえ量産の暁には連邦…… じゃなかった、豊臣などあっという間に叩いてみせるわ! 百キロリットルもあれば……」
「え、えぇ~っ! あんな物騒な物を大量生産ですって! 阿呆じゃないの? 奴は第四類危険物の中でも一番の小者…… じゃなかった、引火点が最も低い特殊引火物だわ。ガソリンと同じ氷点下四十五度で引火するんだから。保管中に生成した過酸化物が蓋を開ける時の摩擦熱で爆発するくらい危ないのよ。戦で使うどころか、製造中に火災や爆発事故を起こす未来しか見えないんだけど?」
萌は宥め賺すように優しい口調で語る。だが、その内容は情け容赦なく大作の楽観的な見通しを打ち砕いていく。
萌、恐ろしい娘! こいつは俺のご都合主義ワールドをリアリティで粉砕する気なのか? どげんかせんと、どげんかせんといかん! 焦った大作は頭をフル回転させ……
いやいや、別に良いじゃん。こっちには最強の便利ワードがあるんだ。
大作は揉み手をしながら卑屈な笑みを浮かべる。
「だ、だったらさあ。反対するんなら対案を出してくれると助かるんだけどなあ」
「それじゃあ、松脂を水蒸気蒸留してテレピン油でも作れば良いんじゃないの? あれなら引火点は摂氏三十五度くらいだから丁度良いと思うわよ」
「それって油絵とかで使う奴だよな。でも、引火点が三十五度だと常温では火が着かないんじゃね?」
「芯がなければそうでしょうね。だけど、藁でも紙屑でも襤褸切れでも何でも良いから適当に混ぜてやれば大丈夫よ」
萌、やっぱり恐ろしい娘! こいつに頼めば良いアイディアがどんどん出てきそうだ。だけど、その分だけ俺の存在価値が減るんじゃね? 大作は未だかつてない脅威に背筋が寒くなる。
今が夏だったら丁度良かったんだけどなあ。でも、生憎と季節は冬を迎えたばかりなのだ。
どうすれバインダ~! 大作は心の中で絶叫するが決して顔には出さなかった。
萌は無限にアイディアの湧き出す魔法の壺でも持っているんだろうか。
それから小一時間の後、会議の主導権は完全に萌に奪われてしまった。
大作には部屋の隅っこで小さく俯いて畳の目を数えるくらいしかすることが無い。
「それじゃあ、焼き玉式焼夷弾とバリスタの件は頼んだわよ、ナントカ丸。その仕様書の通りに鍛冶屋に発注して頂戴ね」
「畏まりました、萌様」
「えぇ~っと、お次は…… ガラスやレンズを南蛮人から手に入れられないかしら。望遠鏡も作りたいわねえ」
「望遠鏡ですって! 萌ったら望遠鏡を作るつもりなの。その話、もっと詳らかに聞かせてくれないかしら?」
お園が見たこともないような嬉しそうな笑顔を浮かべながら萌に躙り寄った。
お前は望遠鏡さえ手に入れば相手は誰でも良いのかよ! 大作は心の中で嫉妬の炎を燃え上がらせる。
とは言え、それを口に出すことは安っぽいプライドが邪魔をして許さない。
「ちょっとトイレ……」
誰にも聞こえないほど小さな呟きを残して大作は座敷を後にした。
廊下に出た大作は適当に城内をぶらつく。ぶらついていたのだが…… 早速にも迷ってしまった!
まあ、別に良いか。俺なんていてもいなくても同じだし。どうせその他大勢の一人さ。きっと、後のことは萌が一晩で全部やってくれるんじゃね? 大作は適当な空き部屋を見つけると不貞腐れた顔で寝転んだ。
例によって例の如く目の前には天井板が並んでいる。その木目は何だか人の顔のように見えなくもない。これってちょっと、っていうか物凄く怖いんですけど。
この部屋が自室じゃなくて本当に良かったなあ。そんなことを考えていると廊下に人の気配がした。
「大佐ったら、こんなところにいたのね。厠に行ったきり戻ってこないから憂いていたのよ。さあ、戻りましょう」
「お園…… 僕はもうすっかり疲れちゃったんだよ。なんだかとても眠いんだ。後のことは萌に任せて俺たちは独自の行動をとらないか?」
「どくじのこうどう? それってたとえばどんなことかしら」
「この時点で豊臣にも北条にも与していない勢力っていえば…… 伊達なんてどうじゃろ? あいつは徳川の天下が訪れてもスペインと組んで何かやらかそうとしてたような奴だぞ。閃いた! 東北の大名を説得して奥羽越列藩同盟の結成を目指そう。北条が踏ん張っている間に……」
大作は思いつくまま気の向くままに適当な言葉を並べ立てる。
だが、それを聞いた途端にお園の顔色が変わった。
「ちょ、ちょっと待ってちょうだいな! それって上洛は止めるってことかしら? 京懐石や精進料理はどうなるのよ? それとも『とうほく』ってところにも美味しい物があるっていうの?」
「ど、どうだったかなあ。栃木名物しもつかれは見た目も凄いけど味も凄いらしいぞ。それか、秋田名物きりたんぽ? 新潟名物のっぺい汁? 名物に美味いもの無しって言うくらいだし、全国その土地土地に何かしらあるんじゃね?」
「何を言っているのよ、大佐…… 美味しくなくちゃあ、行く甲斐が無いじゃないの。さあ、阿呆なことを言っていないで戻りましょう。みんなが待っているわ」
そう言いながらお園は大作の腕を掴んで引っ張って立ち上がらせようとする。
大作も無理に逆らうことはせず、ゆっくりと上半身を起こした。
「だけど俺なんていてもいなくても同じ…… って言うか、むしろいない方が捗るんじゃね?」
「そんなことないわ。萌ったら大佐がいなくなった途端、急に呆けちゃったんだから。大佐の阿呆な話に突っ込むのがよっぽど嬉しかったんでしょうね。早く戻ってあげなさいよ」
「突っ込むだなんて。若い娘がそんなこと言うもんじゃないぞ。はしたない」
「大佐、年頃の男こそ同じネタを何遍も使うもんじゃないわよ。はしたない」
二人は一頻り笑うと元いた座敷へと帰って行った。
大作とお園が座敷に戻ると萌は大きな紙に何やら絵図面のような物を描いていた。
二人の気配に気付いた萌は顔を上げると口を開く。
「随分と長いトイレだったわね。まあ、私はデリカシーがあるから大きい方だったかなんて聞いたりはしないんだけど」
「いやいや、デリカシーの欠片も無いじゃんかよ。ところで、それって何の絵を描いてるんだ?」
「無線を作ったらどうかって思ったのよ。小田原って山に囲まれてるから視覚通信を導入するのが難しそうでしょう? 山の上に中継ポイントを作るにしたって曇ってたら使えないし」
「えぇ~っ! そりゃあ、あったら便利だろうけどさ。だけど、たったの五か月でそんな物を作れるのかな? 仮に作れたとしてもきっと莫大なコストが掛かるんじゃね? それに無線の市場規模なんてたかが知れてるぞ。とてもじゃないけど開発費用が回収できるとは思えないんだけどなあ」
こうなったらさっきのリベンジだ。よくも人様のファンタジー世界観をリアリティーという土足で踏み躙ってくれたな。その恨みを晴らさせてもらおうじゃないか。
大作は自分が入来院に無線開発を勧めたことも忘れて必死に無線を扱き下ろす。
だが、萌は余裕の笑みを浮かべると立て板に水のように反論を始めた。
「若干ニ十歳のマルコーニは科学雑誌の記事を読んだだけで自宅の屋根裏で実験機を手作りしたのよ。そんな手探り状態から一年で二キロくらいの通信に成功したの。それが翌年には二十キロくらいにまで伸びているわ。これくらい届けば小田原と韮山城で遣り取りができるわね。私たちは電磁波の原理や電離層の存在、アンテナの指向性、エトセトラエトセトラ。何もかも知ってるんだから何とでもなるわ」
「だ、だったら…… そんなに簡単に作れるんだとしたら敵にもすぐ真似されちゃうんじゃね? 特許とか無い時代なんだぞ。先行者利益より後発者利益の方がずっと大きいような気がするんだけどなあ」
「ねえ、大佐。本田宗一郎様は申されたんでしょう? 『失敗を恐れるな、何もしないことを恐れろ』とか何とか。やるだけやってみたらどうかしら?」
それまで黙って話を聞いていたお園が急に口を挟んでくる。
お前はどっちの味方なんだよ! 大作は心の中で小さく愚痴るが決して顔には出さない。って言うか多分、どっちの味方でもないんだろう。
「そうは言うがな、お園。世の中には何もしない方がマシってことも多々あるんだぞ。良く言うだろ? 無能な働き者は銃殺しろとか何とか」
「私、そんな話は聞いたことも無いわよ。そも、大佐は入来院様のところで無線を作るって言ってたじゃないの。どうして北条で作ったらいけないのかしら?」
「だ~か~ら~~~! 他所は他所、家は家って言うじゃん。そもそも、通信っていうのは戦争のありかたを根本的に変えてしまう、それはそれは恐ろしい代物なんだ。チャーチルも申されておられるぞ。『これからの英雄は、安全で静かで、物憂い事務室にいて、書記官達に取り囲まれて座る。一方何千という兵士達が、電話一本で機械の力によって殺され、息の根を止められる。これから先に起こる戦争は、女性や子供や一般市民全体を殺すことになるだろう』みたいなことをな。それって仕方のないこととは言え、絵面的にもの凄く地味じゃね?」
世の中っていうのは見た目が一番に重要なのだ。戦は会議室で起きてるんじゃない、戦場で起きてるとか何とか。主にレインボーブリッジ方面で。
だが、お園はそんな適当な説明で納得してくれる気はないらしい。暫く考え込んだ後に小首を傾げながら口を開いた。
「それならエ○ァの発令所みたいに見栄えのするように拵えれば良いんじゃないかしら。壁に大きな絵図を貼るだけで随分と立派に見えるわよ」
「うぅ~ん。まあ、努力と工夫次第で何とかなるかも知れんかな。それに、どんな場面でも格好良いBGMさえ流せばそれなりに見られる物にはなるだろうし。まずはみんなで手分けして発令所の内装とBGMの作曲をやるとしよう。ところで萌、無線を作るとしても電力はどうするんだ? いくら何でも五か月で交流の高周波発電機は作れんだろう?」
「マルコーニの初期の無線機は電池で動いてたんじゃないかしら? 実験を見学した日本海軍の小田切延寿技師の報告書を読んだことあるわ。『空中線の長さ百五十フィート、電池五十個、直径十吋のインダクション・コイルを使用』とか何とか書いてあったわよ。それに十九世紀末のイタリアの田舎に商用電源は無かったでしょうからね。かといって発電機を自作したって話も見たことないし」
萌が糞真面目な顔で答えてくれる。話をはぐらかすことしか考えていなかった大作はちょっとだけ良心が疼いた。
こうなるとこっちも真面目に相手をしないと失礼なんじゃないのか? とは言え、よりにもよって電池式だったとは。
「そう言えば電気通信大学ミュージアムに展示してある三六式無線電信機のレプリカを見たのを覚えてるか? あれの説明文にも六十ボルトから八十ボルトくらいの直流だって書いてあったな。水銀開閉器とインダクションコイルで高電圧を発生させたんだとか何とか」
「それって『坂の上の雲』の撮影で使われた物よね。受信状態で待機している間、発電機を回しっぱなしにしてるのもアレだからバッテリーはあった方が良いっちゃあ良いのかしら。ちなみにインダクションコイルは安中電機製作所(現アンリツ)製で蓄電池は島津源蔵が作ったそうね。GSユアサのGSは島津源蔵の頭文字だって知ってた?」
「し、知っているのか、萌?! それって島津製作所の人だよな。ま、それはともかく無線機一台当たり鉛蓄電池が四十個も必要ってことか。随分と重たい無線機になりそうだな」
「一セルが一キロだとバッテリーだけで四十キロにもなるわね。まあ、バッテリーが一番重たいはずだから全部合わせても馬で運搬できるくらいにはなるかも知れないけどね」
マルコーニの初期の無線機は鞄に詰めて個人で運搬できるくらいの大きさと重さだったらしい。彼はこれをビルの上や平原、船の上などでデモや実験を行った。ドーバー海峡を挟んだ実験でも無線機は同じ物を使っていたようだ。ただし、アンテナを高さ四十五メートルまで上げたそうだが。
まあ、それに関しては同調回路を付ければ何とかなるかも知れん。何ともならんかも知れんけど。
だが、首を傾げて考え込んでいた萌が意外なことを口にする。
「あとは…… 電解検波器を作らなきゃいけないわね。アレならコヒーラよりずっと感度が良いはずよ」
「電解検波器だと? 希硫酸はともかく白金はどうするつもりなんだ?」
「はぁ! あんたは何を言ってるのよ? 白金とルテニウムを持ってこいって言ったのはあんたでしょうに。まさか忘れちゃったの?」
萌が真底から驚いた顔で口をぽか~んと開けて呆ける。だが、すぐに我に返ると着物の袖口を捲った。そこには金属製の腕輪がキラキラと輝きを放っていた。
「はい、こっちが白金。んで、こっちがルテニウムね。見た目は似てるけど重さが倍くらい違うから見分けは簡単よ」
「ありがとう、萌。まさか本当に持ってきてくれるとは夢にも思ってもいなかったよ。って言うか…… こいつのせいで時空警察がきて大変だったんだぞ! 俺たちが北条にやってくる羽目になったのはこいつのせいなんだ。まあ、結果オーライだけどさ。でも、持ってるんならもっと早く出してくれても良かったのに。白金を触媒にすればオストワルト法で硝酸が作り放題だぞ。ルテニウムがあればハーバー・ボッシュ法よりずっと温和な条件でアンモニアも合成できるし。夢が広がりング!」
「どうどう、落ち着きなさいよ大作。残念だけどそれは無理なんじゃないかしら。いったい水素はどうするつもりなの。仮にアンモニアを十七キロ作ろうと思ったら水素が三キロくらい要るのよ」
「す、水素だと! 考えて無かった~~~! で、でもさあ。ハーバー・ボッシュ法は水と石炭と空気からパンを作る奇跡の魔法じゃなかったのかよ?」
大作は頭を抱えて絶叫する。いや、正直に言うと考えて無かったわけではない。面倒臭いから考えないようにしていただけなのだ。
だが、萌はすべてを見透かしたような目して冷たく言い放つ。
「だから水や石炭なんじゃないの? まあ、現代ならメタンを水蒸気改質すれば簡単に作れるんだけどね」
「だ、だったら海水を電気分解すれば良いんじゃないかな。どうせ直流発電機を作らなきゃならんから技術転用しようよ。仮に一キロの水素を得ようと思ったら…… 海水を九キロを電気分解しなきゃならんよな。理論的には54kw/hほど必要になるみたいだぞ。ってことは数キロワットの発電機があれば日産一キロだ」
「一キロの水素から作れるアンモニアは六キロ弱。それから硝酸を作れば二十キロくらい。そうすると三十五キロの硝酸カリウムから黒色化薬を四十キロくらい作れるわけね。年間だと十五トンになるわよ」
萌が得意気な顔で次々と数字を挙げて行く。だが、最後に出た数字を聞いた大作は心底から失望した。
「意外とショボイな。B-52の最大ペイロードの半分にも足りないんじゃね? まあ、B-52なんて無いんだけどさ。でも、京や大坂を瓦礫の山にしようと思ったらその百倍は欲しいよな。いやいや、だったら核兵器を開発した方が……」
「はいはい、もう阿呆な話は沢山よ。どうせ五か月後の戦には間に合わないんだし。ってことで、アンモニアや硝酸の合成は後回しね。それじゃあ、ナントカ丸。鍛冶屋や職人を集めてくれるかしら。具体的な指示を出すわ。急いで頂戴」
「畏まりました、萌様」
深々と頭を下げるとナントカ丸が足早に立ち去った。
それを見送りながら大作は小さくため息を付く。
「なあ、萌。ナントカ丸は俺の小姓だって知ってたか?」
「それくらいのこと、分ってるわよ。でも、私たちは内縁関係だから事実婚みたいなものなんでしょう? 夫婦の共有財産よ。私の物は私の物、大作の物は私の物ってことで良いんじゃない」
「いやいや、その両者には物凄い隔たりがあると思うんだけどなあ」
豪快に笑う萌に気圧された大作は卑屈な笑みを浮かべた。
すぐ反対側に座ったお園がその顔を生暖かい眼差しで見守る。
少し離れたところではサツキ、メイ、ほのか、未唯、藤吉郎たちがその様子を少し覚めた目付きで見つめていた。




