差ベツ
「やあ、アブノーマル君」
茂木 狂男が話しかけてきた。
中学からの付き合いだから、それなりに親しいわけだが。
何の用だろ…
「どうしたの、もてき君」
「というかその呼び方はやめてよ、僕はノーマルだから」
「ちょっと話があるんだ、いいかな」
僕のお願い事はスルー、さすがはセフレ百人と登山した強者だけはある。
僕はイケメンに連れられて体育館裏に来た。
まさか…
女の子に飽きて次は僕に…
ま、こうやってフラグを立てたから僕の貞操は大丈夫だろ。
「どうしたの、もてき君」
僕は余裕を持って質問する。
多分、ママが経営するデリ嬢を紹介してくれとかだろ。
「アブノーマル」
「僕と寝ないか☆」
フラグ関係ねぇぇ〜〜〜!!!!
このイケメン、遂に男にまで自分の息子を捧げる気かっ!!
ここで僕の過去を話そう…
えっ、どうでもいい?
いや、黙って聞いて☆
僕の本当の両親はもうこの世にいない。
僕は養子として今のパパとママの子供として暮らしている。
両親が事故で死んだあと、施設に入る前に引き取られたんだ。
なぜ、養子なのかって?
別に二人とも、病気で子供が出来ないとかじゃなくて、両親共にそれぞれ同姓愛者だった。
でも子供が欲しかったらしく、実の両親の事故に居合わせた二人に引き取られたんだ。
世間では同姓愛に偏見を持つ人もいるけど、パパやママはとっても好い人。
だから僕は偏見なんてない。
偏見なんてないけど、男性に迫られるのは嫌だ。
僕は女性が好きだから!! 一度しか言わない。 太ももが好きだから!!
というわけで目の前のイケメンの誘いは断った。
「そうだよね」
「やっぱり嫌だよね」
なんかイケメンが寂しそうにしてるけど、悪いことしたな。
でもそんな事では濡れないぞ☆
「女性が百人達成できたから、今度は男性百人目指してるんだけど」
「なかなか集まらなくて三十人で止まってるんだ」
っっっっ!!
このイケメンを甘く見ていたよ。
まったく…
僕の周りはどうしてこうも普通じゃないんだ…
ガーリックフランスパン女子といい。
デリバリー教師といい。
僕はこれから普通に学校生活を送れるだろうか…
早くも疾走感がなくなってきた(;´д⊂)
かわりに失踪感が増してきた(;´д⊂)