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占い同好会殺人事件  作者: 山本正純
第一章 疑惑の新人教師
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 放課後五十人の占い同好会入部希望者は三年一組の教室に集められた。

 その五十人の中には中山や田辺秀一を含む南野朱里ファンクラブのメンバーたち。有安虎太郎と倉崎優香がいる。

 有安は呆れながら倉崎優香に聞く。

「なぜ占い同好会に入ろうと思った。他にも部活動はいくらでもあっただろう」

「だって虎太郎が昼休みに突然占い同好会に入るって言ったから心配になったから。それに私は占い好きだからね」


 それから一分後占い同好会部長の木村クリスを含む五人の高校生が三年一組の教室に顔を出す。

「君たちが占い同好会入部希望者か。僕は占い同好会の部長。木村クリス。五十人も新入部員は必要ないから、これから面接を行います。所要時間は一人一分の個人面接。順番は五十人全員で話し合って構わない。それでは面接を午後四時から始める。この教室から退室して三十分間順番を話し合ってほしい」

 五十人の新入部員たちは三年一組の教室から退室する。


 その間五人の占い同好会部員たちは面接の準備を進める。茶髪の長髪をポニーテールに結っている女子高校生金森月夜と黒髪のショートボブの女子高生堂本瑞樹が五人分の椅子を並べると七三分けの男子高校生火野相馬明介が木村クリスに質問する。

「木村。面接なんてする必要があるのか」

「火野。お前何も分かっていないな。この面接の本当の目的は、俺たちのため。もし新入部員の中にあのことの関係者がいたらどうする。早めに選別しておきたいではないか。あのことを知っているのは占い同好会関係者のみ。木の葉を隠すなら森の中。人を隠すなら集団の中。こういう不穏因子はなくしたいでしょう」

「つまりお前はあのことを微塵も反省していないということか」

「何ですか。その呼び方は。お前はそういう立場ではないだろう。誰のおかげで占い同好会が設立できたと思う」


 喧嘩に発展しそうな場面を丸坊主の男子高校生土田明介が宥める。

「木村先輩。火野先輩。喧嘩は止めましょうよ。本当に怖いのは退部した部員たちですよね。彼らがあのことを告発したら、この同好会が廃部になるから」

「土田。そういえばお前に言っていなかったな。退部した三人は亡くなったよ。半年前にホテル火災があっただろう。あのことのお詫びを兼ねてホテルに招待したら、偶然火災が発生して亡くなった。ホテルの信用問題にあたるから報道を控えるよう俺の父親が圧力をかけた。だからあのことを恨む人間は占い同好会メンバーと五十人の新入部員の中にだけ注目していれば、敵がすぐに分かるということですよ」

 木村の話を聞き日野は歯を食いしばる。木村の話を金森月夜と堂本瑞樹は黙って聞くしかなかった。

 一方土田明介は鞄から缶ジュースを取り出し、プルタブを開け一口ジュースを飲む。

 そして飲み終わると土田が木村たちに声をかけた。

「そろそろ面接を始めようか」


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