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占い同好会殺人事件  作者: 山本正純
第三章 大分県警捜査一課の調書
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 数週間後大分県警察本部の本部長室に、黒色の長髪に前髪をピンク色のピンで止めた黒色スーツの刑事が呼び出された。

 白髪混じりの髪。右の頬に黒子のある初老の男性。それが鳴滝大分県警本部長である。

「あの事件の調書は読んだかね」

「浦内島連続殺人事件。興味深い調書でした。特に通報者が」

「通報者か」

「はい。通報者は黒川修三。私の幼馴染です。まさか彼がアマチュア無線の資格を持っていたとは知りませんでしたよ」

「幼馴染なら知っていると思ったが」

「幼馴染でも知らないことはありますよ」


 女は間を開けて事件の感想を大分県警本部長に伝える。

「あの男子高校生が殺人事件を解決したという。鑑識の調べでもその男子高校生の推理は正しいと証明された。事件を解決した男子高校生に警視総監賞を受賞させるのですか」

「その事実が厄介だ。ただの男子高校生に殺人事件を解決されては大分県警察の面子に関わる。だからその男子高校生には警視総監賞なんて受賞させない」

「聞きたいことがあるのですが、なぜあの事件の調書も読めと言ったのでしょうか」

「浦内島連続殺人事件を解決した男子高校生。その苗字に心当たりがあったからね。調書に書いてあっただろう。九年前の未解決事件」

「アカトリ事件ですね。その事件の被害者の苗字が有安だったことから、その男子高校生がアカトリ事件の被害者遺族という推理なのでしょう」

「お前の高校の同級生に探偵がいるでしょう。その探偵に素行調査を依頼して手に入れた情報だから間違いない」

「なるほど。あなたが知り合いに私立探偵はいないかと聞いて回った理由が分かりました。連続殺人事件を解決した男子高校生の素行調査を依頼したかったのですね」

「仕方ないだろう。暇な警察官を利用して調査させるわけにはいかないから。江角千穂は優秀な探偵だったよ。君が推薦した理由が分かる」

「そういえば浦内島連続殺人事件の調書に気になる記述があります。被疑者土田明介は、犯行計画はガブリエルと名乗る人物が書いたと供述した。これはどういうことですか」

「テロ組織退屈な天使たちの構成員の一人。ガブリエルがあの事件に関与しているということだろう。警察庁に確認したから間違いない。その証拠として、昨日土田が獄中で暗殺された。この事実はオフレコだけどな」

「獄中で暗殺ですか」

「昨日拘置所内で土田の変死体が発見された。電気が流れているフェンスの間を銃弾が通過。それから土田の暮らす独房の壁が壊される。それから同じようにしてフェンスの間を通過した銃弾が土田の心臓に命中。土田はそのまま死亡」

「このような芸当ができるのは、退屈な天使たちの構成員しかいない。という解釈ですか」

「ガブリエルによる口封じだ。それとアカトリ事件には、テロ組織退屈な天使たちが関与しているという情報もある。兎に今後あの高校生が事件を解決することがあったなら、その手柄を大分県警察の物にしてほしい。頼みますよ。大分県警捜査一課四係係長の須藤涼風警部」

 その刑事。須藤涼風は敬礼すると、本部長室を退室する。



to be continued.

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