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占い同好会殺人事件  作者: 山本正純
第三章 大分県警捜査一課の調書
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 大分県警が浦内島に到着するまで残り二十分。連続殺人事件の真相が分かった有安は倉崎と共に遊戯室に向かう。

 一方亡霊風水は焦りを隠せなくなっていた。

(残り二十分前後。大丈夫だ。大分県警が到着したとしても、こっちにはスケープゴートがいる。スケープゴートに罪を擦り付ければいい。最後の罪人を処刑することに専念しよう)

 亡霊風水が決意を固めていると遊戯室のドアが開き、有安と倉崎が入ってきた。

「皆さん。聞いてくれ。この浦内館で発生した連続殺人事件。その真相が分かった。まずは事件の流れをおさらいしてみよう。午前十一時四十分ごろ。俺たちと第二の被害者火野先輩の九人は食堂に集まった。そこで俺たちは一人ずつ犯人からのメッセージが書かれた紙を受け取った。その紙は恐ろしい連続殺人事件を実行するための布石だった」

「布石ですか」

 南野の発言を受け有安は頷き、食堂で受け取った犯人からのメッセージを見せた。

「この犯人からのメッセージには俺たちを木村部長が殺害された第一の殺人事件現場に誘導する目的ともう一つの目的が隠されていた。隠されたもう一つの目的。それは火野先輩が殺害された第二の事件。そのトリックの布石。そうだろう。この浦内館が二人の罪人を処刑した犯人。亡霊風水はあなただ。土田先輩」

 

 有安の推理を聞き七人が土田に注目する。焦った土田は笑い始める。

「なぜ僕が犯人なのでしょうか」

「土田先輩。あなたは言ったよな。火野先輩殺害に使った毒物の入手経路。この言葉はあなたが犯人ではないかと疑った決め手だった。あの時俺は缶ジュースを握りつぶした状態で殺されていたとしか言っていなかったのにあなたは毒物のことを指摘した。なぜ分かったのか。教えてくれ。あの時成瀬先生や優香と共に外の電気室に行っていたのに、なぜ火野先輩が毒殺されたと思ったのか」

「咄嗟の推理ですよ。缶ジュースの中に毒物が混入していたのではないかという。それに僕が犯人だとしても僕たちにはアリバイがあるではありませんか。どうやったとしても火野先輩のクーラーボックスに毒物を混入させた缶ジュースを混ぜることはできない」

「あなたは内部犯では実行不可能な問題点を大胆不敵なトリックで解決した。それは亡霊風水によるメッセージ。食堂で一人ずつ配られた犯人からのメッセージにちょっとした仕掛けがあったんだろう」

 

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