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占い同好会殺人事件  作者: 山本正純
第二章 矛盾する不可能犯罪
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 一時間後捜査のプロである捜査一課の刑事たちが島に到着する。この事実は亡霊風水を追い詰めているのではないかと有安は察した。

 そして一時間以内に第三の殺人が起こるとも。その殺人を阻止しなければ警察官を志望する男として失格だろう。

 そのように考えた有安虎太郎は一時間というタイムリミットの中で亡霊風水が仕掛けたトリックを暴く。

 有安は金森に質問する。

「金森先輩。少しいいか。まさかあれは火野先輩の癖なのか。……」

「そうですよ」

「なるほど。ありがとうございます」

 有安は金森に礼を述べると、突然倉崎の一言を聞き有安は突然遊戯室を飛び出す。それを不安に思った倉崎は彼を追いかけた。

(なるほど。あの時の違和感の正体。それが亡霊風水の仕掛けた殺害トリックを暴くヒントになっていた。残る謎は木村クリスが殺害された第一の事件。犯人はどうやってアリバイを手にいれ、密室で被害者を殺害したのか)

 走りながら有安は考える。第一の殺人事件に仕組まれたトリックを。

 有安の行き先は木村クリスが発見された調理場。現場は遺体発見当時の状況と同じ。そこで有安はある物を探す。だがそれはどこからも発見されない。

 すると倉崎が有安の背後から声をかけた。

「虎太郎。どうしたの」

「分かったんだ。火野先輩を殺害するために亡霊風水が仕掛けた大胆不敵なトリック。そして亡霊風水と名乗る犯人の正体。だけど木村先輩を殺害した第一の殺人のトリックが分からない。もう一度現場を見れば何かが分かると思ったのだが」

「第一の殺人は密室殺人だったでしょう。それも死因不明。遺留品は万年筆とメモ用紙。もしかしたらダイイングメッセージを書こうとしたのかも」

「まさか」

 有安は現場に落ちていたメモ用紙を拾い、シャープペンシルで擦る。すると螺旋模様が浮き彫りになった。

「虎太郎。何をやっているの」

「優香。やっぱりなかったよ。この場にあるはずのものが。あれがなくても木村部長殺害トリックが分かった。密室という状況が第一の殺人事件を成功させるトリックだったんだ。そのトリックが実行できるのは一人だけ。優香。急いで遊戯室に戻って謎解きを始める」

「虎太郎。まさか連続殺人事件の真相が分かったの」

「ああ。この浦内館を舞台に大胆不敵なトリックで不可能犯罪を実行した犯人。亡霊風水はあの五人の中にいる」


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