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占い同好会殺人事件  作者: 山本正純
第二章 矛盾する不可能犯罪
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 有安虎太郎たちが五分間歩くと、館が見えた。その館は二階建て。正方形の館は白い壁に覆われている。その館に青色の三角屋根が乗っている。銀色の門扉。

 ここが浦内館。この洋館で二泊三日の親睦合宿が行われる。

だが有安虎太郎たちは知らなかった。浦内館は惨劇の舞台となることを。そして恐ろしい連続殺人が水面下で進行していることを。

 木村クリスが門扉を開け、合宿参加者たちは浦内館に入る。

 浦内館の玄関には四個の水晶玉が置かれている。玄関の先にあるのは二手に分かれる廊下。そして玄関の目の前。中央にある木製の扉。

「浦内館にようこそ。それでは新入部員たちのために案内します。目の前にある扉の先には食堂があります。二泊三日の食事はこの食堂で楽しみます」


 説明の後個人の荷物を担いだ木村クリスたちは右に曲がる。その廊下の奥には二階へと続く階段。右手側にある白い壁。その壁が途切れたところに男女それぞれのトイレが設置されている。

「ここがこの館唯一のトイレ。トイレの右隣りには遊戯室があります」

 木村クリスは遊戯室のドアを開ける。そこには占い関係の本が並べられた本棚や木製の椅子や机が多く並べられたスペースがある。

「この遊戯室で占いの練習をします」

 合宿参加者たちは遊戯室を退室して、突き当りにある階段の前に立つ。有安虎太郎は左側にある鉄製の扉を見ながら木村クリスに聞く。その扉の中央には窓ガラスが填められていた。

「木村先輩。あの扉の先には何があるのですか」

「調理場です。この調理場が右側の廊下と左側の廊下を区切る仕切りになっている仕組みです。今は施錠してあるので完全に出入りできません。区切ると言えば女性陣が男性陣の部屋を行き来するためには、食堂の扉から右側に続く廊下を経由して、この階段を昇るしか方法がありません。それは男性陣が女性陣の部屋に出入りする時も同じです。二階は壁で男性陣が過ごす部屋と女性陣が過ごす部屋を区切っています。如何わしいことを防止するための処置です。お手数ですがこの方法で異性が過ごす部屋には出入りしてください」

 それから十人は来た道を引き返し左側にあるエリアに向かう。そこに右側にあるエリアと同じように設置してあるのは男女で区切られた浴室。そして右側と同じように廊下の奥には階段が見える。

「以上で浦内館の説明を終わります。それでは荷物を各自の個室の置き、一時間ほど休憩してください」

 全ての説明が終わった後土田が挙手する。

「木村部長。あなたの荷物を部屋に持っていかせてください。いろいろと大変でしょう。合宿の運営が」

「土田。分かった。俺の荷物も持っていけ」

 部長の木村クリスに促され合宿参加者たちは各自の個室に向かう。男性陣の個室がある右側のエリア。階段の手前から順番に一号室から五号室まで並んでいる。

 

 

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