6話 雪の季節
だから、みっちゃんたちが引っ越してきてから、ボクもママもお散歩がもっと好きになったんだ。
寒い雪の季節が来る前に、いっぱいお散歩しないとね。
ボク、寒いのは本当に苦手なんだ。
…だったんだけど、ある日、ままうさんがお庭に雪でカマクラを作ったり、滑り台を作ったりしていて、みっちゃんがすっごく楽しそうに遊んでたの。
それを見てたら、ボクもなんだか遊びたくなっちゃって…。
お散歩中にみっちゃんと会うと、
「モカちゃんおいでおいでー!いっしょに遊ぼう!オウ!」って、
ボクを誘ってくれるんだ。
だからボクは、ママに“遊びたい光線”をお顔めがけてピカーンって送って、ついに滑り台をすべってみた。
そしたらね……たのしかった。
今は雪の季節もちょっと好きなんだ。
お外でいっぱい遊んで体が冷えちゃった時は、やっぱりお家でポカポカしたいよね。
ボクはママのお膝で毛布にくるまるのがいちばんのお気に入り。
この季節になると、サキちゃんがお休みで帰ってくるんだ。
そしたらパパさんもママさんもみんな集まって、おいしいご飯を食べたり、いっしょに遊んだりしてにぎやかになるよ。
ごちそうの日が続くんだよ。
チキンを食べたり、“おせち”っていうすっごく綺麗なご飯を食べたり。
いつもはみんな夜はぐっすり寝てるのに、遅くまで起きてお参りに行く日もあるんだ。
なんだか特別な季節って感じがするよ。
そういえばね、サキちゃんがまだいっしょに住んでたころ、寒い季節になると……鬼がよく来てたんだよ。
あれはもう、本当に怖かったんだ。
ボクは強いから「くるなー!」って一生けんめい吠えるんだけど、ぜんぜん聞いてくれなくてさ。
だから最後はこっそり隠れるんだ。
でもサキちゃんはもっともっと強くて、鬼にお豆をぶつけて追い返しちゃうんだよ。
あれはカッコよかったなぁ。
サキちゃんが遠くで暮らすようになってから、鬼はもう来なくなったんだ。
もしかして……サキちゃんのことを狙ってたのかな?
みっちゃんのお家にも鬼が来るみたいだし、
こんどはボクが守ってあげなきゃね。
こんな感じで、ボクはママといっしょに毎日を過ごしていたんだ。
でもね……たぶんこの頃からだったと思うんだ。




