5話 みっちゃん家族
そしたら、みっちゃんのママが言ったんだ。
「みっちゃん、みっちゃんもモカちゃんにお名前教えてあげて」って。
ボクはガラス越しに教えてもらってたから知ってるけど、みっちゃんはまた教えてくれたよ。
「みっちゃんです! 2さいです!」って。
元気いっぱいだった。
それから続けて、
「みっちゃんのパパのお名前は…とっくんです!」
「みっちゃんのママのお名前は…まーまーう、です!」
って言ったんだ。
みっちゃんと、とっくんと、ままうさん。
ボク、ちゃんと覚えたよ。
そしたらママも、とっくんも、ままうさんも、その名前を聞いてすっごく笑ってたんだ。
なんでだろう? ボクにはちょっと分からなかったよ。
それからは、お外でみっちゃんに会うたびに、いつもタッチできるようになったんだ。
ママとままうさんがお話ししているあいだ、ボクとみっちゃんは2人で遊んでた。
ボクとママがお散歩していると、みっちゃんが見つけてくれて、
「モカちゃーん! モカちゃんママー!」って手をふってくれるんだ。
その声が聞こえると、ボクもついシッポがふりふりしちゃう。
ままうさんとみっちゃんも、手をつないでお散歩してるよ。
2人がお話ししながら楽しそうに歩いてるのを、ボクが見かけることもあるんだ。
なんだかほっこりしちゃうんだよね。
とっくんがお仕事お休みの日は、みんなでお出かけしているみたい。
出発のときや、帰ってきたときにボクとお外で会うと、とっくんはいつもなでなでしてくれるんだ。
初めて会ったときから、なんだか距離感がバグってる感じで、ついついボクもお腹まで見せて撫でてもらっちゃう。
そういえば、こんなことがあったよ。
ある日、とっくんがみっちゃんを抱っこしてお家から出てきたんだ。
みっちゃんをままうさんの車に乗せていたら、ままうさんもお家から出てきた。どうやら今日は、とっくんだけお留守番みたい。
2人を見送って、車が角を曲がって見えなくなるまで手をふっていたんだけど、お家に入ろうとした瞬間、とっくんが急にあたふたし始めたんだ。
お家の周りをぐるぐる歩きながら窓を見たりしてたけど、それでも家に入れなかったみたい。
そしたら何かを思い出したように、ボクのお家に来てピンポン。ママとお話を始めたんだ。
「すいませーん、カギを持たずに外に出ちゃって、カギがかかってしまったんです」
「妻に電話したいので、電話を貸してもらっていいですか?」
なんだかドジだよねー。ママもとっくんも笑ってたよ。




