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犬の話  作者: SHIRATORI TOSHIHIDE


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4話 みっちゃん


 女の子の名前は、みっちゃん。

いっしょにいるのは、みっちゃんのママだね。

みっちゃんのパパは、お仕事かな?


ガラスごしに、ボクとみっちゃんはタッチをしたんだ。

タッチは、お友達のあかしなんだよ。


ちょうどそのとき、お花にお水をあげにママがお外に出てきたの。

ママはみっちゃんのママとお話ししてたよ。


どうやら、もうすぐここに引っ越してくるみたい。

ママたちがお話ししてるあいだ、ボクとみっちゃんは何回もタッチして、すっかり仲良くなれたんだ。


 もうすぐ、みっちゃんが引っ越してくる。

ママも「モカ、最近なんだか楽しそうね」って言うんだ。

ボク、自分では気づかなかったけど、しっぽがフリフリしちゃってたみたい。


そんなふうに過ごしていたある日、トラックと車がお向かいさんに止まって、引っ越しのお兄さんたちと、みっちゃんの家族がやって来たんだ。


ボクはママにお願いして、ガラスのところまで連れていってもらって、お荷物を運ぶところをずっと眺めてたよ。


みっちゃんのパパは、お兄さんたちといっしょにせっせと荷物を運んでいて、みっちゃんとみっちゃんのママは応援してた。

みっちゃんはボクに気づいて、また手をふってくれたんだ。

ボクもうれしくて、ついカリカリしちゃった。


 荷物を運んできたトラックが帰っていって、みっちゃんたちがお外に出てきたんだ。


そのとき、ママが「天気もいいし、お外に出ようか」って言ってくれて、ボクたちもお外に出たの。

ガラス越しじゃなくて、やっとみっちゃんとほんとのタッチができるんだって思ったら、ボクはワクワクしちゃった。


みっちゃんたちは、ママにあいさつしながらボクのところに来てくれたよ。

でもね、ガラス越しのときはいっぱいタッチしてたみっちゃんが、みっちゃんのパパの後ろにかくれて、ちょっとだけボクを見てたんだ。

ボク…もしかして怖がらせちゃったのかな?


ほんとはボクも、初めて会う男の人はちょっと怖いんだよ。

だけど、なぜかみっちゃんのパパはぜんぜん怖くなかった。


みっちゃんと手をつないだまま、ボクの前にしゃがんで、ゆっくりなでなでしてくれたの。

そのなでなでが、とっても心地よくて…ボク、お返しにペロペロしてあげたよ。


そしたらね、みっちゃんのパパが言ったの。

「ほら、みっちゃん。すごくかわいいよ。ぜんぜん怖くないよ」って。


うん、そうだよ。ボクはぜんぜん怖くないんだよ。


みっちゃんはパパの後ろから出てきて、ゆっくりパパのとなりにしゃがんだ。

それから、そーっと手を伸ばして、ゆっくりボクをなでてくれたの。

ちょっとドキドキしてるのが伝わってきたけど、すぐに安心してくれたのがわかったよ。


ママがボクのことを紹介してくれた。

「この子はモカです。みっちゃん、仲よくしてあげてね」って。


そしたらみっちゃん、パッと顔を上げて元気いっぱいに言ったんだ。

「みっちゃん、モカちゃん好きー!」って。


ボク、とってもうれしかった。

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