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犬の話  作者: SHIRATORI TOSHIHIDE


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2話 ボクの家族

 

 そうだ、家族を紹介するね。

まずはママ。

ボクを迎えてくれた大事なママ。


その次が、ママの息子…っていう男の人。

でもボクにはよく分かんないから、ママが呼ぶみたいに「パパ」って呼んでるよ。

その人はママのことを「お母さん」とか「おばあちゃん」って呼ぶみたい。


そして、お嫁さんの女の人。

パパさんの隣にいる人だよ。

この人のことも、ママは「ママ」って呼ぶんだ。

でもお嫁さんは、ママのことを「お母さん」って呼ぶのに、ボクとお話しするときは「ママ」って言うんだ。

うーん、やっぱりちょっとむずかしいね。


それから、2人の子どものサキちゃん。

女の子だよ。

遠くの学校に行ってて、あんまり会えないんだ。


あ、ボクのパパ?

初めてママのお家に来たとき、ママが写真を見せてくれて、

「この人があなたのパパだよ」って教えてくれたの。

写真の中でにこって笑ってる、やさしそうな人。

ボクが来るちょっと前に、お空に飛んでいったんだって。


 みんな優しくて、毎日とっても楽しかったよ。

パパさんもママさんもお仕事で忙しいみたいで、あんまりお家にいないんだ。

でも、お休みの日はいつも2人で仲よくお出かけしてるよ。


ボクはママとほとんどずっと一緒だった。

ピンクのお花がいっぱいになる公園が、ボクのお散歩コースなんだ。

ボクの苦手な、すっごく寒い雪の季節が終わったあとに、そのお花が咲くの。

ママもボクも、その季節が大好き。

もう10回くらい見たんじゃないかな。


寒い朝も、あつい朝も、ボクはママと一緒にお散歩する。

雨の日はね、行くときもあるし、行かないときもあるよ。


 公園には、ボクの友達がいっぱいいるんだ。

小さいときはちょっとだけママの後ろに隠れてたけど、大きくなってからはへっちゃら。

友達を見つけたら、すぐに挨拶しに行っちゃうよ。


ママの友達とも、いっぱい仲よくなったよ。

散歩のときは、ママより先に見つけて教えてあげるの。

「あっちにママのお友達いるよ!」ってね。


でも、ママがお話しを始めると、なかなか終わらないんだ。

ボクは待ってるあいだ、ちょっとつまらしくなっちゃう。


でもね、そんなときはママがおやつをくれるの。

だからボク、いつも内緒で楽しみにしてたよ。


 お家にいるとき、ボクはだいたい自分のお部屋にいるか、ガラスからお外が見えるところにいるよ。

ママがのんびりするときは、もちろんボクはママのひざの上。そこが一番落ち着くんだ。


パパさんとママさんはお仕事で夜まで帰ってこないの。

いつも「忙しい〜!」って言ってて、ほんとに大変そう。

同じお家に住んでるんだけど、となりのお部屋にいるんだって。

たぶん「二世帯?」ってやつ。ママが友達に話してた気がするよ。


ボクの毎日は、そんなふうに過ぎていったんだ。

ずっと、そんな感じだったよ。

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