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犬の話  作者: SHIRATORI TOSHIHIDE


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11話 引っ越し


ーーセミがジージーうるさく鳴く日だったよ。


ボクはいつものようにガラスのところでお外を見てたんだ。

そしたらね、パパさんととっくんがお外でお話ししてるのが見えたの。


パパさん、なんだか前よりずっと細くなってて…お顔もつかれてるみたいだった。

どうしたのかな…って見てたら、とっくんとパパさんがボクのお部屋をえっさほいさって運び始めたんだ。


えっ?ボクのお部屋?どこに行くの?

…って思ってたら、みっちゃんちの方に運んでるんだよ!


みっちゃんちに、ボクのお部屋ができるの!?

えへへ、なんだかうれしいけど…

そしたらボクのお家はどこになるんだろう?


でもね、あの時みたいだった。

みっちゃんたちがお向かいに引っ越してきた時みたいに、今度はボクがお引っ越しするんだって。


荷物が全部運び終わったあと、パパさんとママさんといっしょにみっちゃんちのベルを押したよ。

そしたら中から

「トントントントン!」

って小さい足の音!


絶対みっちゃんだってすぐわかった。

ボクのしっぽももう限界フリフリ。


玄関がガチャって開いて、

「モカちゃん、いらっしゃいませー!!」

ってニコニコのみっちゃん。


もうね、その声聞いただけで、ボクもぜんぶうれしくなっちゃったんだ。


ママさんがボクに

「みっちゃんとこんなに仲良しなら安心ね。モカ、たまにはお散歩させてね」

って言ってくれた。

パパさんも

「モカのママも、みっちゃんちなら安心してお空から見てるよ」

ってやさしく言ってくれた。


そしたらとっくんが、みっちゃんといっしょにリードを持って

「モカ、行くぞー」

ってお散歩に連れてってくれることになったんだ。


パパさんもママさんも、とっくんもままうさんも、

みんなでぺこぺこっておじぎしてたよ。

なんだか変だけど、みんなうれしそうだった。


ボクとみっちゃんととっくんが外に出てからも、

パパさんたちは玄関でお話ししてた。


ボクのお家は、今日からみっちゃんちなんだ。

あちちな朝のことだったよ。


 何回もお泊まりしてたから、もうへっちゃらだったよ。

みんなもいつもどおりニコニコしてて、ボクもすぐ安心しちゃった。


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