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三題噺もどき

かき氷

作者: 狐彪

三題噺もどき―きゅうじゅうろく。

 お題:きんとくるかき氷・うだるような暑さ・祭りの提灯




 うだるような暑さの中、僕は一人、台所でかき氷を作っていた。

「……」

 まさか、家にあったからといって、母が送ってきたこのかき氷機を使うことが来るとは思っていなかった。

 なぜ送ってきたのかは、定かではないが。

 外では、昨夜行われた祭りの提灯が、もう用済みだと言われんばかりに雑に片付けられている。

(この暑い中、良くやるなぁ)

 家の中にいるとはいえ、サウナの中にいるような感覚になるぐらい暑いのだ。

 外なんて、それ以上だろう。

 動くのさえだるいぐらいだ。

 家の中に居るのに。

 それでも、かき氷を作る手は止めない。


  ガリガリ―ガリガリー


 氷を削っていくと、一人分より少し多めのかき氷が出来上がる。

 たまたまシロップが、家にあって(なんでだ…)しかもハワイアンブルーだったので、それをかき氷にかける。

 シロップはこれと決まっている。

 イチゴとかレモンとかのフルーツ系のものはあまり好まない。

 このハワイアンブルーという謎の味が好きなのだ。

 ―ぶっちゃけこれは何味なんだろう?

(これに練乳があればカンペキなのに……)

 流石にそれは無かった(というか、シロップあるだけでキセキ)

 ザクザクと氷の山を崩しながら、リビングへと向かう。

「……」

 一人暮らしだからそんなに広くない。

 ドスンと、ベッドに座り、とりあえず、一口食べる。

 巷ではフワフワの、頭が痛くならないかき氷が有名な様だが、そんなもの家で作れるわけもなく。

 最新型のかき氷気ならできるらしいが、あいにく何年物だという感じの古いモノなので、昔ながらのかき氷である。

 ―いま、家で作れるのは、あの頭にきんとくるかき氷ぐらい。

 パクパクと何も考えずに、口に放り込んでいく。

(っぁ、いって〜)


 キーーン


 と、頭の中で鐘が響いているようだった。

 しかし、それでも止められないものがあるのも事実。

 頭をいためながら、かき氷を食べ進めていく。

 こういう贅沢も、たまにはいいものだ。


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