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黄金世代への下克上!認めてもらうために。

 山鹿主将(キャプテン)を主軸にした黄金世代(ゴールデンエイジ)。北関東支部秋季大会では他チームをまさに圧倒した。


 一番はもともと強打者の伊波さん。二番は巧打すぎる能登原さん。三番は俺、四番はチャンスに滅法強い山鹿さん。五番が山鹿さんのせいで印象(かげ)が薄いけど普通に強打者な住居さん。六番にエース中里さん。


 最初の土日で行われた二回戦、三回戦は圧勝(コールドゲーム)だった。「猫の喧嘩に虎の()が混じってた」というべきところだ。


 次の土日の準々決勝、準決勝も手加減しても余裕で勝利。「手加減」というのはあまり点を取りすぎても相手に失礼だから俺と山鹿さんがわざと飛球(フライ)を打ってアウトになろう、というものだった。


 ただ山鹿さんの飛球の放物線が高すぎてフェンスを超えたときはもしかしてこいつ「転生者」か?と疑いたくもなった。力がいい感じで抜けててかえって打球が伸びてしまった、テヘペロということらしい。


 「ナギ、決勝はお前が先発な。」

「え?」

中里さんに言われて凪沢が驚く。

「そして、最終回だけサワ、お前がなげろよ。」

ええっ?負けたらどうするんですか?


「どうもしないよ。関東大会は決まってるんだ、勝ち負けより経験値を積め。」

中学生がそういうこと言う?こいつら絶対人生2周目だろ?まあ俺がそうなんだけどね。

 

 たしかに関東大会もシードは確実だろうからここは試合経験を、ということなんだろう。


その頃、俺はケントとジュニアのトレーニングで新たなスキルを習得していたのだ。テニスコートでラケットを構える俺。加速魔法(ヘイスト)をかけているから何とかジュニアの打球に食らいつく。しかし、オンザラインショットを次々に決められる。コートの左右に引かれた白線(ライン)に球をたたきつけるのだ。


 そんなん追い付くの無理!俺が怒りだすとケントが打ち合いを止める。

「健。これが命中率アップの支援魔法の効果だよ。魔法が手や指、足の動きを調整してくれるんだ。トレーニングの後半は健もそれを使って投球練習をしてみよう。1日何スローまでできたかな?」


 俺はストライクゾーンの四隅に球を正確に投げる練習をしたのだ。1cm間隔でストライクゾーンに球を出し入れするという精密投球だ。


 なるほど、こうやって使えば投球(ピッチング)にも応用可能なのか。



 迎えた決勝戦、初めての先発起用にガッチガチになりながら選手権出場の強豪チームを相手に6回を4点で抑えた凪沢から俺はボールを受け取る。5対4で点差はわずか1点。


 「あーあ、公式戦初勝利が欲しいなぁ。」

凪沢(ナギ)、プレッシャーかけんじゃない。


無死無走者ノーアウトランナーなし

俺は山鹿さんの要求どおり外角低め一ぱいから1cm低めに外す。ストライク。ああ、そこはとるのね。今度は内角高めいっぱい。ボール。あれ、この審判さん全体的にゾーンが低いね。


 あとは山鹿さんの構えたところに投げ込むだけ。3人をきっちり抑えて試合終了(ゲームセット)


整列して礼を終えると山鹿さんに褒められる。

「サワ、抑え(リリーフ)でも十分いけるな。これからも頼むぞ。」

やっぱり投手(ピッチャー)は面白いな。

「でもお前、先発は向いてないかもな。我欲がなさ過ぎる。」

さいですか。おそらく性格の問題だと思われます。

 

こうして俺たちは関東大会に駒を進めたのである。

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