プロローグ
いつも通りの朝、いつも通りじゃない鳴りやまないスマートフォン。
窓からはベッドに朝日が差し込んでいる。
広めのワンルームにだいたいキングサイズくらいのベッド1個。一人で寝るには精神的に少々窮屈だ。だいたい4分の1の面積で縮こまって寝ている。
「うるさいなあ、、、ってまだ7時かよ」
僕の住んでいるところはオフィスから5分の所にある。
9時出社の弊社に行くには、8時半起きでも間に合うのだ。
とりあえず、寝ている間に来たメッセージを確認する日課。僕は自称出来るビジネスマンである。
「え、メッセージめっちゃ来てる、、、何これ」
シャチョー:ポータル閉鎖ってニュースでやってるけど、大丈夫?
…どういうこと?
朝のぼーっとした頭には情報が入ってこない。意味がよく分からなくて、逆に冷静になれる。
落ち着いて、スマホでネットニュースを確認しに行く。
あれ、ニュースサイト結構重いな。
中々満タンにならないのろまなローディングバーを眺める。
バーが70%ぐらいを指した時、ドンドンとドアを叩く音が一人部屋の静けさの中に急に響く。
瞬間的に音の方へふり返る。こんな時間に来客?というより、僕の部屋に来客?普段無いことは怖い。
ベッドの脇の机にスマホを置き、静かにドアに向かい、恐る恐るのぞき穴を見る。
誰もいない。ドアを開ける。
「助けてくれー!嵐山ー!」
急に大の男に玄関先で泣きつかれる。一瞬動揺したが、すぐに誰かかは認識できた。
「いやいやいや、なんで居るの?」
驚き呆れつつも、内心若干嬉しさが勝っている。こんなところまで会いに来てくれる友人は数えるほどしかいない。
「そんなことより――」
スマートフォンの画面は、ベッドの脇で、ニュースサイトを開き終わっている
"ポータル閉鎖。Terry世界と地球世界との架け橋閉まる。再開の見通し立たず。"