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SATAN  作者: 司堂 要
1/9

ここではないどこか

そこは、闇だった。


 上下左右もわからない。闇に覆われた空間。

 そして、全方位に広がる美しい星々の光。

 数千、数万の数え切れない程の星が輝いていた。青・赤・黄・緑など様々な色の星の光が遠くで瞬いている。

 よく見ればそれの光たちはひとつ所に留まらず、絶えず動きながら瞬いているようだった。何故だか、それが星の光ではないと俺は知っていた。

 それは命の輝き。

 幾千、幾万の者が戦い命を燃やし、そして散っていく光だ。

「どうする?押されているようだけど…。」

男が語りかけてきた。

 何も存在しないような闇の中で自分とその男は生きている。男と表現したが、その者は今まで見たこともない存在で、見たこともない者だった。しかし俺はその者を知っていた。

「そうだな○○○○○○。ここらが引き際だな。」

俺は少し笑い、その男に号令を発した。

「部隊を再編成しつつ後退。殿しんがりは俺が勤める。最善を尽くして生きて帰るよう全軍に通達。徹底させよ。」

男は「またか」という顔をして、何か言わんとする言葉を飲み込み「了解しました」とため息混じりに応答し、深々と頭を下げた。

「行ってくる。後は任せたぞ。」

男に向けて悪戯をした悪ガキのような笑顔を見せ、俺は光に向かって飛翔した。


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