第1話 目覚め
時間がある時に書こうと思っています。
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落ちてゆく、そう何処までも落ちてゆく。
下を見ると、底のない何処までも続く奈落、今までの時間、経験が全て流れ去ってゆく。
深い深い夢から覚めると、そこは万年時計とベッドだけ置かれた簡素な部屋だった。
万年時計の針を見ると七の数字を指している。
大体七千年ほど眠っていたようだ。
久しぶりの目覚めは気持ちが良い。
少し伸びをすると、部屋から出る為天井に向かって破壊魔法をブッ放す。すると七千年ぶりの陽の光が入ってくる。
そのまま浮遊魔法で上まで登るとそこは山だった。
そこは何処までも広がる雲海と深い深い青の空が広がる美しい景色だった。
どうやらこの景色は七千年変わらないままのようだ。
少しなまった体を、温める為山を下らず少し空を自由に飛ぶ。
久々の空の散歩は気持ちが良くついスピードを出し過ぎてしまう。
久々過ぎてそのスピードに体がついていけず、そのまま真っ逆さまに落ちてゆく。
だが、これがまた気持ちが良い。
そのまま身を任せ落ちていると地面が近づいている事に気づく。
流石にこのまま落ちると怪我をするので、地面にぶつかる寸前で再び浮遊魔法をかけ、止まると周りに暴風が吹き荒れる。
落ちた場所は、どうやら平原のようだ。
地平線まで続く草原を眺めながら、道を探す。
しばらくすると一台の小さな馬車がゆっくりと走っているのが見えた。
俺は馬車を引いている御者に話しかける。
馬車には二人乗っていた。
一人は御者でもう一人が学院の入学式向かう途中だと言う。
俺は楽しそうなので、そのまま馬車に乗った。
俺はさっきからずっと俯いている少女に話しかける
「少女よ、少し聞きたいのだが、その学院とやらでは何をするのだ?」
少女は少し顔をこちらへ向け話し始める
「私が試験を受けようとしている学院はエルゴナハド学院と言って、世界中から集められた秀才のみが通える学院です。でも………いえ、なんでもありません。」
何やら悩んでいるようだったが、関係が無いので放っておく。
それにしても、意外だな、この少女はごく普通の人間に見えるが、案外優秀らしい。
秀才のみが通える学院か…
楽しそうだな、俺も通う事にするか。
「その試験は、何か必要なものがあるのか?」
少女は驚いたような顔をしてこちらを見てくる。
「ま、まさか、貴方も通うのですか?」
「いや、まだ決まったわけでは無いが通うつもりだ」
「私の場合は、紹介状で通いますから、紹介状が無い方は、外部入学と言って難解な試験を受けて合格しなければいけません。」
「ほう、では少女が受ける試験とはなんの試験なのだ?」
「私が受けるのは、入学の際のクラス分けの対象になる試験ですので」
なるほど、大抵のことならば出来ると自負しているが、試験の内容次第によっては苦戦しそうだ。
「クックックッ」
少女は笑い声を聞くとこちらに少し顔を向ける
「クハハハハ、面白そうだ」
そう言った顔はこの世で最も怖い顔と言っても過言では無い程の凶悪な表情をしていた。
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時は少し遡る----
「この世界には救いは無い、だが、俺がその救いになろう。母さん、父さん、リーゼロッテ、俺は成し遂げる。」
少年は三つの墓に向かって花を添えると覚悟を決めた顔で旅立ってゆく。