入学式しました。
入学式が始まって、最初に校長の話。
「新入生のみなさん。入学式おめでとう。校長のミリア・カルヴァンスです。これからあなたたちはここで魔法について徹底的に学んでもらいます。しかし、ここは学校。勉強が第一ですが、それだけがすべてではありません。どうぞ学校生活を思うままに満喫してください。」
なんだよ、校長。まともなこと言えるじゃん。
そんな感想を抱いた。いや、当たり前なんだけど。
からかわれた覚えしかないから。
『続いて、生徒会長、2-A、マリー・ロッドさん、お願いします』
「はい」
凛とした声。ステージにあがった生徒会長は綺麗な黒髪の女の人だった。
「うわー、すげー綺麗な会長さんだな……」
「ああ、そうだな……」
カズマと同意し合う。
あれが綺麗じゃなければなんだというのか。
「ん?というか今2-Aって言ったか?」
「そういえば言ってたな」
「ってことはあの人、昨年1年生で生徒会長になったのか!?」
「へえ、すごいんだな、あの人」
1年生は完全に会長の綺麗さにざわついていた。
会長は静かになるのを待ってから話し始めた。
「1年生のみなさん。ご入学おめでとうございます。私たちも後輩の入学に喜びを感じています。これから頑張ってくださいね」
と、笑顔でしめてくれた。
この流れだと次だなー……つらい。
「次はお待ちかねの俺らの主席だぜ!楽しみだなユート!」
「ああ……そうだな……」
周りからも『どんな人なんだろー?』とか聞こえる。
別に期待されるようなルックスとかはしてない。ガッカリすんなよ?
『続いて、1年生主席、ユート・ステラ君。お願いします』
「はい」
返事をして立ち上がる。
カズマは驚いた顔をしていた。
「お、お前、主席だったのかよ!言ってくれりゃよかったのに!」
「言うタイミング逃したんだよ、んじゃ、いってくる」
ステージにあがり、校長に渡された紙を開く。
書いているのは───────
『アドリブでいいわよ』
「…………………」
そっと紙を閉じた。あのクソ校長め……
いや、怒ってる場合じゃない。考えながら喋らないと!
「えー、先輩方、先生方のみなさん。このような式を開いてくれてありがとうございます。お…僕たち1年生は先輩方を手本に頑張っていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします」
礼をすると、拍手が起こる。
言い切った!
もはや達成感でいっぱいである。
ステージから降りようとすると、進行のアナウンス。
『続いては生徒会長による1年生主席への歓迎の「攻撃魔法」です』
は?
攻撃……魔法?
俺の頭に「?」が浮かびまくっているとき、目の前にさっきの先輩が立った。
「魔力上限測定不能の力、見せてくださいね?『ウォーター・スピア』」
生徒会長の右手に水でできた槍。
どうする!?
(しかたないわ。私の言ったとおりに言いなさい)
(モモ、信用できるんだろうな!?)
(信用しなさい!)
モモが自信ありげに言うので言うことを聞いてやることにする。
生徒会長は槍を投げる構え。
「では、いきますね……はぁっ!」
槍は俺の胸めがけて投げられた。
俺はモモの言う通りに魔法を使う。
「『シールド・リフレクト』!」
目の前に盾があらわれ、水の槍を反射した。
生徒会長は驚いたような顔をしていた。
「まさか『カウンター・マジック』の使い手とは。驚きました。流石、と言うべきでしょうか」
「い、いえ、まぐれみたいなもんですから」
「その言葉は謙遜として受け取っておきます」
笑顔でそんなこと言われても……
俺は席に戻り、ため息をついた。
「お、お前すごいんだな……さすが主席!」
「ああ、ありがとうカズマ。でも今は休ませてくれ……」
そんないきなりの襲撃じみたことがあったが、入学式は無事終了した。