校長と妖精と話しました。
家に帰って、夕食をとった。
どうやらこの家に父親はいないらしい。
これはさすがに黙っていた。
「ユート、頑張ってね」
「わかってる」
そんな問答を何回もした夕食を終え、部屋に戻ろうとしたとき、電話がなった。
母親が出たので、俺は再度部屋に戻ろうとする。
「あ、ユート。魔法学校の校長先生だって。ユートに話があるそうよ」
「あそこの校長が?」
よくわからないけど出ることにした。大事なことだったら困るし。
『こんばんは、ユート・ステラ君。国立第一魔法学校の校長、ミリア・カルヴァンスです』
「はあ……」
校長女の人なんだーとか思った。
すると校長の丁寧な口調が変わった。
『上限測定不能なんてすごいのね。機械も壊しちゃうし』
「その節は本当に申し訳ありませんでしたぁ!」
今度はこっちが丁寧な口調になった。
いや、別に?弁償とか言われるのにビビったわけじゃないし?
電話の向こうで校長が笑ってるのがわかる。悔しい。
『別に弁償しろなんて言わないわよ。私が電話したのは貴方に今年の入学生主席を務めてもらいたいからなの』
「ええ、めんどくさ─────」
『嫌ならいいのよ?機械の弁償をあなたに請きゅ────』
「いいですね!謹んでやらせていただきます!」
くそう!あれを盾にされると俺に断れる要素がない!
しかもまた笑ってるし!脅すとか教師のすることか!
「ところで主席ってことは挨拶しないといけないんですよね?」
『ええ、そうよ?』
「一晩で考えろと?」
『ええ』
「無理だよ!」
なに考えてるんだこの校長!
そんなもん絶対に無理だわ!
『あなた、からかいがいがあっていいわねー』
「俺で遊ばないでください!」
『ごめんなさいね、挨拶の内容はこちらで用意してあるわ。あなたはそれを読み上げるだけ。どう?それで弁償がチャラになるのよ?』
「…………わかりました。やります」
『助かるわ、ユート君。それじゃ、明日は早めに来てね』
「わかりました」
そう言って電話を切る。
そして今度こそ俺は部屋に戻るのだった。
☆
部屋に戻ると、すぐに誰もいない部屋に向かって言い放った。
「おい、出てこい。女神からの置き土産」
すると肩から光が出てきて、俺の目の前で大きく光った。
眩しくて目を閉じ、再度目を開けるとそこには小さなティン〇ーベルみたいなのがいた。つか小さすぎて視認するのがやっとである。妖精とはよく言ったものである。
『置き土産とは失礼ね!試験で助けてあげたのに!』
「はいはい、サンキューサンキュー。で、お前誰?」
『ふふん、私はね、女神様によって、あなたのお目つ────』
「あー、そういうのいらないから。名前教えろ」
『せめて最後まで言わせてよ!』
全然顔とかわかんないけど聞こえてくる声から、泣きそうだってのはわかった。
泣かれるのはめんどくさい。
「あー、すまん。俺が悪かったから、名前教えてくださいな」
『ふ、ふん……ぐすっ……わかればいいのよ。私はモモ。女神様からあなたのお目付け役として遣わされた、いわばエリート妖精なのよ!』
「………………………へぇー」
超どうでもいい。
『ま、魔法のことをなにも知らないあなたにアドバイスするのが主な仕事よ。他の人には私のことは見えないから、うっかり私と話そうとすると、1人で話すイタイ人になるわ』
「そいつはやばいな!」
『さっきとの食いつきの差おかしくない……?』
いや、イタイのはダメだ。
なにがダメとか具体的には言えないがとにかくダメだ。
「とりあえず、これからよろしく、モモ」
『そ、そうよ!私に任せなさい!』
たぶん胸を張ったんだと思う。見えないが。
それはそうと明日早く来いって校長言ってたし、早めに寝ないと。
俺は早々に寮生活の準備を終わらせ、風呂に入り、寝る準備をすませた。
「明日から学校か……寝坊しなきゃいいな」
『なら、私が朝起こしてあげるわよ』
「んじゃ頼むわ、おやすみー」
目を閉じると、異世界でのことに疲れがたまっていたのかすぐに俺は眠りに落ちていった。