俺、死んだそうです。
───────目を覚ますと、不思議な空間。
どこまでも広く、果てが見えない。周りにはなにもないから余計にそう思う。
「起きたのですね」
「うおっ!?」
後ろからいきなり声が聞こえてビビった。
振り返ると、この世の人とは思えないほどの美女。
とりあえず、ここがどこか聞いてみよう。
「あの、ここは?」
「ここは……死後の世界、と言うべきでしょうか」
「は?」
死後の世界?つまり……
「俺、死んでんの?」
「……はい」
美女はばつが悪そうに目を逸らす。
な────
「なんじゃそりゃあ!?」
死んだ!?じゃあ、今の俺はなんなの!?
考えれば考えるほど頭が混乱する。
「落ち着いてください」
「これが落ち着いてられるか!つかあんた誰だよ!」
「私は女神です」
「は?」
この緊急時に何言ってるんだこの人は。
というか──────
「女神なら俺を生き返らせられるだろ!?」
「できないことはありませんが……」
「じゃあ、俺を生き返らせてくれ!」
「いいですが、転生することになりますよ?しかも全く違う世界に。それでもいいんですか?」
「………………」
それは異世界に転生ってことか?
そんなマンガみたいなことが信じられるはずがない。
「ちなみにそれじゃない方法は?」
「ありません」
つまり死んだままか、異世界転生で再スタートするか。
悩みに悩んだ結果────
「わかった。転生で頼む」
俺の答えを聞くと女神は真面目な顔をして、
「…………わかりました。神凪優斗を元の世界とは異世界に転生させます。元の世界に帰せないかわりに、力を授けます。では良い人生を」
そして俺の意識は途切れていった──────