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189 トーナメント表

ここ数日、尿結石で苦しんでおりました。既に治っておりますが、凄まじい激痛で本気泣きでした。

最強の魔術は結石魔術だったんですよ。相手の体内に結石を生み出すと言う……。男は何もできなくなります。

更新は数回分が予約してあったのですが、感想でいただいた誤字の修正等が出来ませんでした。

指摘していただいたのに放置で申し訳ございません。

「おめでとうございます。フラン様、決勝進出決定です」

「ん」


 舞台から降り、控室のような場所まで戻ると、待っていた係員が今後のことを説明してくれた。


 決勝トーナメントは明後日から。トーナメント表は明日の朝に発表されるらしい。あと、昼からは開会式があるということだった。


 ただ、開会式への出場者の参加は免除らしい。と言うか、血の気の多いトーナメント参加者を一緒の場所に押し込めるなど、何が起きるか分からないのでむしろ来るなという感じだった。


 トーナメントの対戦表も、宿まで届けてくれると言うのだから徹底している。


 俺たちには凄まじく有り難いが。だって、フランが長時間じっとしながら、貴族やお偉いさんの話を聞いているなんて無理だからな。貴賓扱いで確実に獣王も居るだろうし。


 それ以外については、決勝進出者は大会中ウルムットの鍛冶屋を優先的に使えると言う事だった。怪我は魔術やポーションで回復できても、防具は鍛冶師に見てもらわないといけないかららしい。


 説明を受け終わり、会場から出ようとしていると、ちょうどジュディスがやって来た。


「フランさん。完敗です」

「だいじょうぶだった?」

「はは……手加減してもらいましたからね」


 やっぱりちょっと落ち込んでいるな。フランとしてもこういった時にどう声をかけたらいいかよく分からないようだ。困った顔で黙ってしまった。


「あ、すいません。ただ、一言激励したかったんです。私の分まで頑張ってください」

「ん」

「それと、全お小遣いをフランさんに突っ込みますから! ぜひ一回戦突破を!」

「リディアが予選を突破したら戦うかも?」

「大丈夫です。その時でもフランさんに賭けますから!」


 良い笑顔でサムズアップするジュディス。俺たちはジュディスの誠意と欲望の混じった激励を受けて、会場を後にするのだった。


「頑張る」

『そうだな。ジュディス達の財布の為にも頑張らないとな』



 2次予選の翌日。


 俺たちは昼過ぎに届けられた決勝トーナメントのトーナメント表を確認していた。


 決勝トーナメントは分かりやすいようにABCDの4ブロックに、16名ずつ分けられている。


 フランの名前はAブロックの11番目にしっかりとある。ただ、他の参加者の名前を見ても強いかどうかとか分からないな。


『初戦の相手は……ゼフメート?』

「知らない」

『シードじゃないってことは、自力で勝ち上がってきたってことだろうな』


 この後、冒険者ギルドで情報を集めてみるか。エルザに聞けば、戦い方くらいは分かるかもしれない。


 次に気になったのが、シード選手の名前である。


「アマンダとフォールンド」

『ロイスとゴドダルファの名前もあるじゃないか!』


 それぞれの名前が、トーナメント表の4隅にある。トップシードっていうことだろう。64名のトーナメントなので試合数は全員同じだが。そこは平等らしい。


 フランのいるAブロックの第1シード。つまりA-1番は獣王の護衛の1人ゴドダルファ。第2シードであるA-16番にはコルベルトの名前があった。


 いや、シード選手は各ブロックに4人ずついるし、誰と当たっても相当強いだろう。だが、よりにもよってこの2人か。


どっちも下手に攻撃をくらったら、即瀕死もあり得る相手だ。これは対策を考えないといけないな。幸いスキルが判明してる相手だし、無理な話じゃないだろう。


先に当るのはコルベルトだ。格闘スキル対策が必要だな。


「くふ」


 フランは悩むどころか、嬉しそうに笑ってるし。もう獣王の護衛だからという理由だけでビビったりはしないようだ。むしろ、戦闘狂の血が騒いでいるみたいだな。


 コルベルトと戦う前に2回勝たなきゃいけないけどね。初戦はゼフメートという相手だが、2回戦は誰かね?


『一回戦に勝ったら――まじ?』

「クルス・リューゼル? どこかで聞いたかも?」

『まあ、覚えてないと思ったけど。ほら、アマンダたちと行ったアレッサのダンジョンで一緒だった、ランクC冒険者だよ』

「ん?」

『いただろ! 案内役兼試験官の、そこはかとなく苦労人臭の漂う残念イケメン!』

「ああ、そう言えばいたかも?」


 うん……もういいや。顔を見れば思い出すだろう。思い出すよな? クルスはこっちを忘れてはいないだろう。フランみたいな印象的なキャラ、忘れるわけないし。フランが初めましてとか言っちゃったら気まず過ぎる。クルスを見かけたらまずフランに教えるとしよう。


 それに、クルスが1回戦に勝たなきゃ、出会うかどうかも分からないからな。なにせ相手はA-9番。第4シード選手だ。


『クルスの相手はラデュル爺さんか』

「ランクCって言ってた」

『でも、実力はB並で、元宮廷魔術師って言う話だ』


 そりゃあシードされるか。これはラデュルの方が圧倒的に格上だな。クルスには悪いが、ラデュルが勝つ未来しか見えない。


「ラデュルが勝つ」


 フランもそう思うか。まあ、2回戦はラデュルだろう。魔術師相手の戦い方を考えないといけないな。


『で、3回戦は順当に行けば、A-16番。コルベルトだな』

「ん! 腕がなる」


 バルボラでは助けられてばっかりだった。経験では圧倒的に上だし、隠し玉もある。鑑定偽装のアイテムでも持っているらしく、以前鑑定したステータスが全てだったかどうかも分からないし。ただ、デミトリス流武術という謎の格闘スキルを持っていたことは覚えている。


 これも情報を仕入れておかないといけないだろう。


『コルベルトに勝ったら、4回戦の準々決勝はいよいよゴドダルファか』

「ん」


 ここも順当に勝ち上がってくるはずだ。というか、こいつに勝つ相手がいたら俺たちだって勝ち目があるかどうか。


「勝つ!」

『その意気だ!』


 こいつに勝てたら、優勝が現実味を帯びてくる。なにせ相手はランクA冒険者。1人で国家の軍事バランスさえ左右する英雄っていうことだからな。押しも押されもせぬ優勝候補だろう。


『とは言え、ゴドダルファに勝ったとしても、また相手はランクAの可能性が高いけどな』


 波乱が無ければ、準決勝はアマンダ。決勝はフォールンドが相手である。フランはワクワクした顔をしているが、この2人はゴドダルファ以上に強敵だろう。バルボラなんかでその強さを目の当たりにしたせいかもしれないが、どうしても格上という印象がある。


「それでも勝つ」

『そうだな』


だが、フランが勝つつもりなら、俺が弱気にはなっていられないな。勝つつもりで戦わなきゃ、勝てるわけがない。


『むん!』

「師匠?」

『いや、気合を入れてただけだ。優勝するんだもんな!』

「ん!」


 ただ、他にも強敵が居るはずだ。アマンダ達だけではなく、他の強者にも気を配らないと思わぬところで足を掬われるかもしれない。


とりあえず知り合いの名前でも探すか。まあ、まず気になったのはやっぱりフェルムスだな。Dブロック、ロイスと同じブロックだ。頑張ってほしいぜ。


 次に目に入ってきたのはエルザだ。登録名がエルザになっているな。色々な事情を抱えた選手がいるだろうし、本名じゃなくても許されるんだろう。アマンダと同じBブロックだった。この対決は見たいような見たくないような? 最恐の女?対決だ。


 Cブロックのシード選手には、フィリップ・クライストンの名前がある。いや、バルボラが大変な時に参加していていいのか? まあ、何か理由があるのかもしれんが。それに、リンフォード戦を見る限り相当な腕だったし、フォールンドとの対戦が実現したら見ものだな。


 それ以外の知り合いだと、シャルロッテの名前があった。バルボラでお世話になった、戦舞士の少女だ。直接戦闘力よりも、舞踊の幻惑や儀式効果を使って戦う特殊なタイプだったはずだ。なんとエルザの1回戦の相手である。これは勝ち目無いんじゃないか? かわいそうだが、せめて心の中では応援しておこう。


 他に知り合いの名前は発見できなかった。そう、見つからなかったのだ。


「リディアの名前ない」


 あれだけ決勝トーナメントで当たった時のことを色々と言っておいて、結局負けているとは。お約束過ぎるだろ!


転生したら剣でした発売まで10日を切りました!落ち着きませんね~。


あと、声旬!ラジオ 角掛みなみのビブリオンの魔法使い #7 にて拙作が取り上げられました。

いやー、全然知りませんでした。何となくページを開いてみたら自分の作品が取り上げられていて驚きましたよ!

角掛みなみさんの可愛らしい声で朗読していただき、感動に打ち震えました。皆さんも是非聞いてみてください!

ただ、リンク先が間違っているようで、違う作品にとんでしまうんです……。

一応訂正依頼は出したんですけどどうなってますかね。

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― 新着の感想 ―
結石魔術怖すぎる...
[一言] 三大激痛の一つですか(;゜∀゜)お疲れ様です。
[一言] リディア対フラン ある意味、迷勝負になったでしょう? 是非、見て見たかった。(笑)
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