104 ユージーン
素材の代金を受け取った俺たちは、冒険者ギルドの3階にいた。
受付で錬金術師を紹介してほしいと頼むと、なんとバルボラ冒険者ギルド専属の錬金術師が居ると言うではないか。かなりの腕利きだと言うし、会うだけ会ってみようという事になったのだ。
コンコン
案内役のエルフのお姉さん(50歳)が1つのドアをノックする。この辺は生産系の施設が集まっている区画みたいだな。ドアには「ユージーン研究室」とある。
「どうぞー」
「失礼します」
中にいたのは、ゆったりとしたローブを着込んだ、オールバックにした白髪交じりの長髪を背中まで伸ばした壮年男性だった。柔和な笑顔に、知的なイメージを与える丸メガネ。痩せてはいるが、背はそこそこ高いかな?
ただ、目がちょっと変わっているな。白目の部分が黒く、黒目の部分が緑色だ。あと、生え際の辺りから何か生えている。触角?
「ユージーン先生。この子が話を聞きたいと」
「へぇ? ずいぶん可愛らしいお嬢さんだけど、冒険者なのかい?」
「ん。ランクD冒険者のフラン」
「ランクD? へえ、すごいね」
名称:ユージーン 年齢:62歳
種族:半蟲人・蜂族
職業:錬金導師
状態:平常
ステータス レベル:55
HP:209 MP:596 腕力:101 体力:108 敏捷:159 知力:366 魔力:220 器用:333
スキル
詠唱短縮:Lv3、風魔術:Lv2、鑑定Lv8、採取:Lv7、樹木耐性:Lv3、生活魔術:Lv5、短槍術:Lv5、短槍技:Lv2、投擲:Lv7、毒知識:Lv8、毒物学:Lv9、火魔術:Lv3、水魔術:Lv5、薬草学:Lv7、薬草知識:Lv5、溶鉄耐性:Lv6、錬金術:LvMax、練成術:Lv5、毒無効、麻痺無効、魔力操作、知力大上昇
固有スキル
気配察知:Lv3、毒作成:Lv4、毒噴射:Lv1
称号
アイテムエキスパート、ポイズンマスター、ポーションマスター、錬金の達人
装備
魔晶石の杖槍、黒神合金糸のローブ、水面歩行の靴、器用の腕輪、収納の腕輪
半蟲人か。獣人の蟲版ってとこかな。しかもハーフ。目と触角は種族としての特性なんだろう。でも、ハーフでこれなら、普通の蟲人はもっと蟲っぽいんだろうか。ちょっと興味がわいたな。
それに、腕利きって言うのは本当みたいだ。錬金術がカンストしてるし。練成術っていうのは、錬金術の上位スキルみたいだ。称号からも、錬金の名人だっていうのが分かる。あとは人柄だな。
「では改めて。私はユージーン。冒険者ギルドの専属錬金術師をやっているんだ」
「錬金術ギルドには入ってない?」
「ははは。そうなんだ。昔は所属していたんだが、弟子の不祥事の責任を取ってね。そこを冒険者ギルドに拾われたという訳さ」
「でも、ユージーン先生は全然悪くなかったじゃないですか。すでに独立した弟子の不祥事の責任なんて、難癖も良いところだし」
「それでも、彼が悪事を働き、それに私から教わった技術が使われたことは確かだからね」
「それでも追放処分はやりすぎだと思います」
「先生が冒険者ギルドに入って、錬金術ギルドとの仲は悪くならない?」
フランの疑問ももっともだ。追放処分にした相手があっさりと他の組織に拾われたら、良い気持ちはしないだろう。
「なったわよ? それこそ錬金術ギルドのギルドマスターが代替わりするまでは日常的に嫌がらせとかあったし」
「それも5年前までじゃないか。今のギルドマスターは穏健派だしね」
「でも、未だに嫌味とか言ってくる人はいますよ? 冒険者を敵視してる錬金術師もいるし」
ギルド同士の仲にまで影響が出てるのか。
「それで、先生は冒険者に嫌われないの?」
錬金術ギルドと仲悪かったら、冒険に必要な道具の大半が入手困難になると思うが。恨みがユージーンに向きそうなものだ。
「それはないわ。むしろ感謝している冒険者が多いんじゃないかしら?」
「なんで?」
「先生が後進の錬金術師を育ててくれたおかげで、うちのギルドで独自にアイテムを生産できるようになったの。そのおかげで錬金術ギルドの独占じゃなくなって、価格競争が起きたわ。結果として、様々なアイテムの値段が下がって、冒険者にとっては助かったってわけ」
「まあ、そのことを未だに根に持っていて、文句を言ってくる錬金術師もいるけどね」
なるほどね。ユージーン先生には気の毒だけど、俺達には悪くない情報だ。錬金術ギルドが海賊に奪われたであろう薬を鑑定してもらうにあたって、錬金術ギルドに情報が漏洩する危険性が減ったからな。場合によっては、返せとか言われるかもしれんし。内緒にしておけるならその方がいい。
まあ、ユージーン先生が凄い錬金術師で、ギルドで信頼されているっていうのは分かった。女性が去った部屋で、改めてユージーン先生が椅子をすすめてくれる。
「では、お話を聞く前にこちらをどうぞ」
「ん。ありがとう」
お茶かな? 黒くて、ウーロン茶っぽい見た目だ。
「ん」
フランがズズッとお茶を啜る。フランは猫舌なので、ちょっとずつしか飲めない。そこは猫っぽいんだよな。
「あれ? 何ともないかい?」
ユージーンがお茶を飲んだフランを不思議そうに見た。っていうか、どういうことだ? まさか毒? だが、鑑定をしてみても、オーボ茶という普通のお茶だ。フランの状態にも問題はないし……。
「いやね、僕は大好きなんだけど、初めて飲んだ人はあまりにも苦くて吹き出したりするからさ。今じゃ、それを見るのが楽しくてね。お嬢さんは平気かい?」
「ん。おいしい」
「それは嬉しいな! このお茶の良さを分かってくれるなんて!」
センブリ茶的な物なのか? 好きな人は好きだけど、それ以外の人には合わないっていう。
「苦いけど、ちゃんと美味しい」
「うんうん。そうだよね! 同志が出来てうれしいよ。茶葉いるかい?」
「ぜひ」
フランが頷くと、ユージーンは茶葉の入った小袋を持ってきた。それを渡す間も上機嫌だし。自分の好物の味を分かってくれる相手が出来て、本当に嬉しいんだろう。
「じゃあ、改めてお話を伺おうかな」
「薬を見てもらいたい」
「ほう?」
「でも、できれば先生以外には知られたくない」
「それは大丈夫だよ。実はこういう話はよくあるんだけど、相談者の情報を漏らしたことがないのが自慢なんだ」
『フラン、この先生は嘘ついてない。信頼できそうだ』
「ん。これを見てもらいたい」
とりあえず、最上級ライフポーション、全状態異常回復薬、上級マナポーションは、もう効果や価値はある程度分かっているのでここでは出さないでいいや。残った中で、当たり障りの無さそうな物から取り出してみよう。
「これは上級武具修復薬かな? 凄い物を持っているね」
「これの価値が知りたい」
「そうだねぇ……お店で買ったら、20万ゴルドくらいはするかな」
思ってたよりも高かった。
「素材が高価なのは確かだけど、とても有用だからね。これがあれば冒険先でも防具の修復ができるし、普通では修復が難しい魔道具なんかの修復も可能だ」
それはそうか。例えば特殊な魔道具を直そうとした場合、普通に鍛冶屋に持ち込めばいいのかも分からない。場合によっては特殊な素材とか、スキルが必要な可能性もあるし。薬をかけるだけで魔剣や魔道具を修復できるなら、これほどお手軽なことはないのかもしれない。
「じゃあ、これは?」
「ほう? スキルレベル上昇薬か。これまたレアな薬だね。これの価値は……30万ゴルドくらいかな。ただ、貴族が欲しがるからね。欲しがる貴族なら10倍くらいは平気で出すと思うよ」
10倍? ってことは、300万? え? なにその暴利。30万ゴルドでも高いのに。でも、貴族は自分の子供にステータスアップ系の薬を与えてドーピングするっていうし、この薬もそう考えたら欲しがる奴は多いか。
「今度はこれ。3本ある」
「これは……またまた凄い物を。いや、本当に凄い」
今日1番の反応なんだけど。30万超えのスキルレベル上昇薬よりも凄いってことか?
「錬金薬っていうのは知っているかな?」
「知らない」
「まあ、その名の通り、錬金術に使う薬なんだけどね。錬金の際に混ぜ込むと、効果や質を上げる効果があるんだ。最上級錬金薬を下級ポーション作成時に混ぜ込んだら、上級ポーションになっちゃうと思うよ。僕も久しぶりに見た」
「じゃあ、高い?」
「うーん。1本100万ゴルドくらいかな?」
「まじ?」
高っ! しかも、効果も規格外だ。下級ポーションで上級になるなら、最上級ポーションを作るときとかに混ぜ込んだらどうなるんだ? それこそ、蘇生薬とか出来ちまうんじゃなかろうか?
ここまでで350万ゴルド。ちょっとドキドキしてきた。あの箱を選んだ自分を褒めてやりたいぜ。
『フ、フラン。他のも見せよう』
「ん。ならこれはどう?」
次に取り出したのはマイナス作用軽減薬。1番効果が知りたい薬でもある。
「面白い。私も実物は初めて見た。1瓶30万ゴルドくらいかな」
「効果を詳しく知りたい。特に、無機物とか魔獣にも使えるのか」
「魔獣には問題ないと思うよ。無機物には……どうかな。使えると思うけど」
「本当?」
「うん。先程の武具修復薬だって、無機物に効果があっただろう? 魔法薬は普通の薬とは違うからね」
「なるほど。例えば、この剣の特殊能力は強いけど、1回使うと数日使えない。この薬を振りかけたら、その制限を弱められる?」
「うーん、正直分からないね。可能性があるとしか……」
そうか、確証が得られなかったのは残念だ。ただ、可能性がありそうなのは収穫だろう。3本はあるんだし、1回は実験してみるか? 30万ゴルドの実験だが。
「さてさて、お次は何が出るのかな? 私も楽しくなってきたよ」
「これ」
「ふーむ、属性反転薬? これは中々の量だ」
「? 1瓶しかない」
「普通は数滴単位で使うんだよ」
効果は名前の通り、魔力を変質させ、属性を反転させる薬らしい。火属性を水属性にしたり、毒の水を浄化効果のある水に変えたり、呪いの武具に使えば祝福の武具になったりとか。面白いね。
「この量なら、相当強力な呪いも反転させるだろうね。毒の水だったら、小さい池くらいの量は反転させられると思う。値段は、それ1瓶で10万ゴルドくらいかな。凄い薬だけど、使う場面が限られるからね」
需要が少ない分、少々安めってことか。いや、金銭感覚がマヒしてるから安いと思うけど、十分高いからね。
「そうだな……じゃあ、ちょっと実験してみるかい? 1滴使わせてくれるなら、だけど」
(師匠?)
『1滴くらい良いんじゃないか? 実験っていうのに興味あるし』
「ん。わかった」
「じゃあ、ちょっと待ってて」
ユージーンが出してきたのは、ガラスの小瓶だった。ビーカーっぽいな。錬金術の器具だろうか。
「これはただの水だね。ここに、こうして毒を入れる」
ユージーンが掌をかざすと、そこから黒い液体がビーカーの中に垂れ落ちる。スキルの毒作成を使ったみたいだ。
「これで、この瓶の中は猛毒の水となった。これで確認するといい」
「これは?」
「鑑定の効果があるメガネだよ。レベルは1相当だけどね」
へえ、鑑定メガネか。面白い。俺も鑑定で確認してみると、確かに猛毒の水だ。
「確認した」
「ここに、この属性反転薬を1垂らしすると」
「おおー。猛毒の水が癒しの水に変わった」
「すごいだろ。もう完全に毒は消えたよ。これでお茶を入れたいくらいだね」
「? この水でお茶を入れるの?」
「ああ、美味しいんだよ?」
「美味しい?」
「おや、知らないのかい? 人間の舌には魔力を感じる部分があってね。だから魔獣肉なんかを美味しく感じるんだが、魔力水でも同様なんだ。魔力の込められた水でお茶を入れたり、スープを作るとそれだけで大分違うのさ。飲んでみるかい?」
「ん」
「じゃあ、ちょっと待っててね」
3分後、フランの前にはオーボ茶が置かれる。見た目は変わらないが……。
「! おいしい」
「だろ!」
フランが驚くほど味が違うようだった。
『そんなに美味しいのか?』
(全然違う。とても美味しい)
しかも名前の通り、体力と簡単な状態異常を癒す効果があるみたいだし。この癒しの水を売りに出したら、人気になるんじゃないか? そう尋ねたら、属性反転薬は作るのが難しく、あまり大量には作れないという事だった。
「魔力で美味しく感じるなら、料理に魔力を注いだら? どんな料理でも美味しくなる」
なるほど。そりゃそうだ。ちょっとずるい気がするけど。
「いや、それは無理だね。魔力にも種類があり、元々素材が持っている魔力じゃないと、むしろ不味くなるらしい。魔力を込めた水なんかを素材の1つとして使うのならともかく、出来上がった料理に魔力を注いで美味しくするというのは無理だと思うね」
「残念」
「それに、あまり魔力が強すぎるのも良くない」
「そうなの?」
「ああ、余りに魔力が強い物を食べ過ぎていると、そのうち魔力の刺激だけを追い求めるようになって、他の味がよく分からなくなるらしい」
人間でも激辛じゃないと物足りなくなったり、何にでも砂糖をかけたり、味覚がおかしくなっている奴いるしな。魔力でも同じなのか。
「例えば魔族なんかは生来魔力が高く、魔力を感じ取る能力も強い。彼らは魔力の高い食事を好むらしい。だが、幼い時から魔力の高い食事を食べ続けるせいで、他の味覚が我々とは大分違っているらしいよ。というか、魔力さえこもっていれば他はどうでも良いらしい。むかし魔族の知人に手料理を振る舞ってもらったことがあるが、完食するまでに地獄を見たね」
そうなのか、俺もフランの食事を気を付けないと。魔力に頼るんじゃなくて、隠し味の1つくらいに考えておこう。
「それにしても、相変わらず鑑定ができないな」
そう言えば、そうだった。なんでだ?
「材料に秘密があってね。元々、鑑定妨害効果のある特殊な薬品が材料に含まれているんだ。そのせいで、完成品も鑑定がしにくくなっているんだよ。僕にも名前しか分からない。鑑定レベルが低かったら、名前さえ分からないんじゃないかな? 普通は混ざらないように、瓶に名前を書くんだけどね。これはそれがない。どこで作られたのかな?」
最後の方は独り言みたいだが、やはり出所は気になるか。
「次はこれ」
「魔魂の源か。面白い調整をされているようだね」
「何に使う物? 中に何も見えない」
「確かに目には見えないけど、魔力のような物が入っていると思えばいいよ。用法としては、人工魔石を作るのに使うんだ」
「人工魔石?」
「使い魔などを作る際に使うのさ。これはその魔石の大元になるものなんだ。まあ、目には見えないけど。スキルなどの調整が行われているけど……。鑑定がしにくいという事は、かなり強力な魔石になりそうだ」
「価値は?」
「うーん、最低5万。最大で100万」
大分幅があるな。まあ、色々と不明瞭だし。価値は相手次第ってことなのかな? これはしばらく収納の肥やしになりそうだな。
「最後はこれ」
最後に出したのは、1番物議を呼びそうなあれだった。
「そ、それは……なんて物を持っているんだい」
「これ、やばい?」
「ああ、相当危険だね。いいかい、絶対に落とさないでくれよ?」
今まで余裕だったユージーンの表情が変わった。顔面蒼白だ。フランが取り出した最上級混合毒薬が相当危険な薬だってことなんだろう。
「これも久しぶりに見た」
「どのくらいの価値がある?」
「いや、これは値段が付くようなものじゃない。危険すぎて、普通に売買したら法に触れる可能性すらあるからね」
「そんなに?」
「そうだね……犯罪組織や、軍事組織なら100万ゴルドくらい普通に出すだろうね。僕も、20年ほど前に脅威度Bのドラゴンの討伐用に作っただけだ」
「どれくらいの威力?」
「1滴100殺。その小さい1瓶で2000人くらいは殺せるかな。その少量でも脅威度Dの魔獣なら、確実に倒せると思う。倒せなくても、複数の状態異常を併発して、戦闘力は奪えるはずだ」
おいおい、思ったよりも危険だった。これ、持ってていいのか? ユージーンも難しい顔で瓶を睨んでるし。
「強制はできないけど、可能なら買い取らせてほしい。正直、それが誰にも知られずに存在しているのは危険すぎる。20万ゴルド出そう」
「わかった」
実はこれは、ウルシの毒魔術と、俺の念動を使い、瓶の中に入っていた毒を小分けにしたものだ。時空魔術で時間を止めれば、危険も最小限で済むし。まあ、物体の時間を止める術は5秒くらいしか使えないので、メチャクチャ急いだけどな。
強制的に取り上げられることも考えて、鑑定してもらう分は小分けにしておいたのだ。
「それにしても、それを作れる錬金術師がいるとは……。どこで入手したんだい?」
これは教えておいた方がいいかもな。
『フラン、箱を出してやれよ』
「ん。これ」
「これは、錬金術ギルドの輸送用箱じゃないか」
「海賊のアジトで手に入れた。薬は全部それに入ってた」
「まさか! いや、でも錬金術ギルドならそれを作れる者もいるか。だが、しかし……」
何やら悩み始めてしまったな。
「どうした?」
「いや、済まない。ちょっと疑問がね」
「疑問?」
「君も冒険者だし、発見者でもある。話してもいいか。普通はね、これほど価値があり、かつ危険な薬を大量に紛失したとなれば、相当な事件なんだ。絶対に冒険者ギルドなどに連絡があるはずだし、奪回を依頼として持ってくるはずなんだ」
「それがない?」
「ああ。聞いてないね。最上級混合毒薬を紛失したという事を黙っているなど、ばれた場合は国家反逆罪に当たる可能性すらある。そもそも、こんな薬をどこで使う予定だったのか。錬金術ギルドに問い合わせる必要があるね」
それは構わないが、俺達のことは黙っていてほしいんだが。
「それは無論だ。フランさんの名前は出さないと誓おう」
嘘じゃないな。なら仕方ないか。ここでやめてくれとか言ったら、俺達が怪しまれるかもしれないし。ここは恩を売っておこう。
「わかった」
「ありがとう。また、尋ねてきてくれ。大体この部屋にいるから。お茶くらいは出すよ」
「ん」
錬金術に興味も出てきたし、またぜひ話を聞きたいね。




