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飛行機雲
とある友人の事情を、受け入れるまでの静かな葛藤。
ねぇ、どこか遠いところなんて行かないでよ。
点々と雲の浮かぶ
目に眩しい青空を
飛行機が飛んでいく
小さいなぁ、とか
最初は思っている
だけど遠ざかる姿
どんどん小さくなっていくのを見て
人は初めて
それが大きな存在だったと気付くんだ
小さな、大きな飛行機
どっか遠いところなんて
飛んで行かないでよ
僕の上空に
ずっといればいいのに
わがままだってこと
そんなの無理だってこと
全部分かってるよ
飛行機は
空に一筋
短いような長いような
思い出をまっすぐ描いて
飛んでいく
もう少しだけ
時間があるから
どうか私はそのときまでに
笑顔で飛行機を
見送れるようになりますように
どうか笑顔で
飛行機雲を眺められますように
ありがとうございました。
これは抽象的な話でしたが、また別の小説で詳しく話すかもしれません。