第7話 変化にも慣れました。
どんどんストックがなくなっていく……
今回は展開は足踏みしてます。
これまでの話のまとめみたいなものかな……?
…よく晴れた日だ。
やぁ、久しぶり。あの、“いないはずの姉”事件と、“透桃美少女化”事件から時間が過ぎて、それなりにこの生活に慣れてきたのかな〜と思っている。まぁ、実際のところは、そんな事なくて、慣れてないことの方が多いんだけどね…
まぁ、色々起きすぎたあの2日間よりは慣れたとは思うけど。
「あ、おはよ〜。二人まだ寝てると思うから、起こしてね〜。」
下から、母の好が前より少し若い声…というか、高い声で言っている。
年齢は変わらず30台のはずなのだが、外見も若返っていると思う。
この前言っていた事を思い出した。あれは一ヶ月前くらい前くらいかに晩御飯の時に、『空さん若いわ〜…同い年なのに20台みたいだし…』
今は好の方が若く見えてる。空さんも若いんだけどね。
僕の日課は、鈴音と天音の”姉妹の二人”を起こす事になったんだ。
妹の鈴音の部屋に入る。綺麗に整頓されている。広い部屋だね。めっちゃ広くなったんだよね。
ベッドの上に眠っている鈴音がいる。
本当に可愛い妹だと思う。
「す〜…」気持ち良さそうだが、もう起こさないと。
本当に妹っぽくなった。若干ブラコン過ぎるけどね…
「お〜い…起きっ…」
むにっ。
「んぁ…おはよぉ…あ。」
お互いの顔を見たまま固まる二人。
僕の手は、鈴音の膨らみの上にあったからである。
大きくなった膨らみはとても柔らかい。
「…あ〜…おにーちゃん…私の胸を…」
少しを頬を赤くしている。
「ご、ごめん…」
「えへへ〜…仕方ないねぇ、おにーちゃんもそういうお年頃なんだもんね〜…おにーちゃんだったらいいよ?好きにおっきくして…」
「そういう事を言うなぁ!色々問題でダメだから!お前はもう十分あるじゃないか!!」
素っ気なかったやつが、こんな事を言ってくる。天音ほどではないが、変態さんなのだろうか。『おにーちゃんなら…』とか言うんだよ…どんだけブラコンなんだか…
ある意味面倒くさくなった所もある気がするが、昔のように接する事ができて、嬉しいという方が大きいかな。
「あはは…こんなんだと、男子に見られてちょっと恥ずかしいけどね…ま、いいや!いっつも起こしてくれてありがとね〜!」
少し恥ずかしいそうに胸を隠している。まぁ、なんとか隠せるくらいだけど。
そりゃあ、高1でそれなんだから、男子に見られるんだろう…僕が高1だったら確実に見てしまいそうだ。
「さ、あまねー起こさなきゃダメだよ?」
そうだ、もう一人起こさないとダメなのだ。
それが、姉の天音である。
姉なんだから、自分で起きて欲しいのだ。
でも、思いっきり寝てるんだよなぁ…
起きてよ…
姉の部屋も広い。
天音は、すっかり熟睡してしまっている。
胸がはだけていて、胸も露出してしまっていた。
まぁ、そういう人なんだけどね…
「天姉〜?起きて〜!!」
揺さぶって起こす。
「う〜ん…」天姉って呼ぶのも少し慣れた。天音でもいいよ?とも言われたんだけどね。
「…あ、おはよ…ねっむ…」
目を擦っている。
「天姉…お姉ちゃんなんだから自分で起きてよ…」
「ごめんね〜…どうも朝は弱くてね…よしっ。もう起きたわ!」
そう言って、ボタンに手をかけた。
「え、ちょっと待って。何しようとしてるの?」
「え?着替えようと思ってるんだけど…?」
当然のように言っている天音。
「いやいや!!それは僕を出してからにして!そんな事色々ダメじゃん!!僕男だよ!?」
「え〜…嬉しいくせにぃ…」
なんという姉なんだろうか…なんとかして欲しい。
下に降りるともう好が朝食を作り終えていた。
なんかいつも好が作る朝食とは違う、見慣れない物がテーブルに乗っていた。
「なにこれ?」
「ピザパンよ。結構他ではやってたりしてるのよ。玉ねぎとかソーセージとか入れてみたんだけど…こういうのも”リガシエ”の新メニューとかに使おうかな〜?と思ってて感想を聞きたくてね。」
自慢げな好。
「お?お母さんまた新作の意見を私たちに聞くのね?そんな事しなくても、お母さんの美味しいのに。」
「そうだよね〜。いっつもこれだからね。まぁ色んな物が食べれて嬉しいけどね!」
天音と鈴音も降りてきた。
いつも好はこうやって新作のメニューを作り出す。これが”リガシエ”のメニューが喫茶店っぽくないわけである。
このピザパンも外見はすごくうまそうに見える。
さて、みんながテーブルに座っている。男は僕しかいないのだ。
これで結構気をつかったりしてきたのだが、今は余計に困っている。
みんなの胸の膨らみが大きいからだ。
目のやり場に困るのだ。どこを見てもそれだからだ。
この3人だから余計だ。見すぎたら大変な事になりそうだからである。
いただきます。ピザパンをいただく。
「うまいなぁ…」
「そうかしら?なら良いんだけど…」
「うん。おいしいね!」
「美味しいわ〜…」
ピザパンは大好評であった。
別に大したものでは無いはずだ。
食パンにケチャップと思われる物を塗っていて、玉ねぎ、ソーセージ等が乗って、チーズが乗っているだけなのだから。
それでなんでここまで美味しいのだろうか。
何がこうさせるのだろうか。好の料理のセンスやスキルは本当に凄いと思う。うん…おいしい。
制服を着て、外に出る。天音と鈴音も一緒だ。
「じゃあ、行ってきます。」
外に出ると、長髪の黒髪を括った、美少女が一人立っている。
「あ、おはよ〜3人とも。」
透桃である。可憐で、力強さ…というか、運動神経を兼ね備えた美少女である。
「おはよう透桃。」
こうやってみてたら一つ疑問が浮かんだ。
あんなズボラというか、面倒くさがって容姿なんて気にしなかった透桃が、この姿になってから、この美少女をキープしているということだ。
またダサダサになってもおかしくはなかったはずなのだが、全然そんなことなく、今日を迎えていた。
「透桃、お前なんでその姿をキープ出来てるんだ?お前ならめんどくさい事じゃないのか?」
「ん?…ああ、それはだな、元々の私は努力しても、何してもそんな綺麗になんてなれなかったから、ならやらなくてもいいやって思ってたの。でも、この姿はすっごい可愛くて、自分じゃないみたいで、アニメキャラみたいだったから、やる気になったって感じかな?」
相変わらずのアニオタさんだが、その笑顔はすっごく可愛い。なんか前の事を考えると反則で腹が立つような気もするんだけど。
「うふふ…二人とも仲良くていい雰囲気ねぇ…」
天音が間から言ってきた。
「いやっ、そういうやつじゃないし天姉何言ってんだ…」
「そ、そうだ。和音は幼馴染みだから…」
「ふ〜ん…」
なんかニヤニヤしてる天音。
本当に何を言いだすんだか。二人して焦ってしまった。
学校に来ると色々男子に言われる方になった。嫉妬だろうか。いやそんなこと言われてもな…とは思うんだけど。
「いいよなぁ、お前は。お前しか男いねえじゃねえかよ。あんな美少女引き連れてさ。いいなぁ。」
「なんだよ、姉と妹と隣に住んでる幼馴染みだぞ?そう言われたってずっとそうだから…」
「三人と普通に喋れていいなぁ、俺も喋りたい…」
「うるさいな…」
僕にどうにかできる問題ではない。
周りが変わると自分まで何か立場が変わった気がする。それを実感している所だ。
授業中とかも、なんか今日はボーッとしてしまう。なんか嫌な感じだな…
学校が終わって今は電車に乗った所だ。透桃と電車で帰るのは変わらない。
「透桃、変わってから寝なくなったよな?なんでなんだ?」
和音はまた素朴な疑問をぶつけてみた。
「なんかみんなから見られる立場になっただろ?あれのせいかな…色々気を遣ってるのかも…まぁ、寝るよりはいいだろ?」
美少女になった透桃は色々と気にしているようだった。
少し精神を上げた効果も多少はあるのだろうか。
またボーッとする。
そしたら、電車が地元の守森に着いた。改札を通る。
「なんか…容姿に振りすぎて悪かったな…」
なんか申し訳なくなった。
「それはもう後の話って割り切ったから…今度は頭脳に振って欲しいけど…」
「なんかあったら言ってくれよ?俺も協力するからさ。」
透桃も色々と大変そうだし、支えてやらなければ。
「うん…でもそれは和音もでしょ?なんかお前無理しているように見えるぞ?顔色もあんまり良くない気が…」
心配そうに前屈み。桃が見えてハッピー。
「大丈夫だよ。」
和音はそう言ったものの、図星だった。
ここまで姉が増えたり、母と妹がグレードアップしたり、透桃が美少女になったりして、無理をしていないわけがなかった。
幼馴染みにはバレバレだったのだ。
「ならいいんだが…」
心配そうに透桃が言った時、和音はボーッとするのがピークに達し、
ふらっと、透桃の方向に倒れていった。
「あれっ?おい!和音!?お前どうしたおい!!」
和音は透桃の胸の上から動かず、目も開かなかった。
透桃は目を泳がせた。
「どうしよう…」
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