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第6話 可愛い透桃サン……?

すもももももももものうち。

よろしくお願いします。

———美少女になってしまった透桃は、周りに普通に違和感もない、認知されているらしい。

ダッサダサのオタク女から、ここまでのギャップなのに、僕がステータスを弄っただけで周りの記憶まで書き換えられてしまったのだろうか。そう考えると少し怖くなってしまう。

「私は、そういう人になってるってことか?それじゃあ他の人間と喋りにくいじゃないか…」

少し困った顔をしている透桃。

美少女になったからか、前は、一人で生きていくという感じだったのだが、少し周りと喋りたくなったらしい。そんなに美少女になってテンションが上がってるのか。

が、またそれは新たな問題が発生したということだ。嬉しい悩みだけどね。

「少し、聞いてきてくれないか?今後の生活の仕方に関わりそうだ…」

珍しくまともな事を言っている透桃。

「そうだな。それは納得だから聞いてきてあげる。」

僕はあっさりOKした。

自分も透桃の評価を聞いてみたいと思ったからだ。

さて、まずさっき透桃を”御子柴さん”と呼んでいた男子生徒、黒山に聞いてみよう。

「黒山〜」

「ん?」

「突然で悪いんだが、御子柴ってどういう人って思ってるんだ?」

すごい単刀直入な言い方のような気がするがこれくらいしか思いつかなかった。

「うーん…御子柴さんはうちの高等部での四天王に入るくらいの美人だと思うよ。今年のミスコンは激戦ってみんな噂してるよ。」

うちの学園祭では、美少女コンテストというかミスコンをやったりするわけである。それはそれなりに話題になったりするらしい。

その辺で四天王でも決めてるんだろうか。去年見てないからよく分からないけどね。

「今年の高等部の部なら、御子柴さんと、お前の姉妹と…」

「おい、ちょっとまってくれ…うちの姉妹が四天王なのか?」

「あの美少女の遊馬姉妹の天音&鈴音コンビなら当たり前だろ?人気なんだからな。お前幸せ者だぞ?家で四天王の二人が待ってるんだから。」

「そうなんだ…」

うちの姉妹が四天王…まぁ綺麗だし、可愛いし、そうなのかなと納得してしまう。ピンとはこないけど。

「あともう一人は、なんと言っても生徒会長の九条院月咲(くじょういんつかさ)さんだね。」

九条院月咲…うちの高等部の生徒会長だ。学校名になっている九条院の一族のお嬢様だ。しっかりしてるし、本当にお嬢様という感じだ。少し華奢だが、お嬢様のたしなみを叩き込まれたのだろう。

「あ、ごめん。話がそれちゃったね。御子柴さんはクラスでの一番の人気者でしょ〜。あの体だとねぇ…」

御子柴が”四天王”だって。変なの。ダサい女だったのに。

他の奴にも聞いてみよう。近くにいた雪原がいたので聞いてみた。

「御子柴さんは学校の華でしょ!キレイだし、スタイルは抜群だし…お前いいよなぁ、幼馴染みというスキルで喋れてるんだから。俺らなんてとても喋りにいけねえわ…羨ましいんだぞ、そこは。」

透桃と喋れて羨ましいらしい。なんとまぁ変わってしまったんだか。

ということで、男に聞いても同じような意見しか得られなさそうなので、女の人に聞こう。また違う意見が聞けそうだ。

そこに、学級代表の三葉さんがいた。聞いてみよう。

「そうね…まぁ男子に聞いてもスタイルが良くて…とかで人気なんでしょ?」

苦笑している。僕はそうなんですよねと苦笑して返した。

「でも、御子柴さんってそれだけじゃないでしょ?まず、運動神経がいいじゃない。体育の時にすごい見せるでしょ?部活入れば良いのにとか思うもん。」

元々からの運動神経もかなり印象的になっているようだ。

「あと、絵が上手でしょ?すごいよねあの絵とか…人気になるのも当たり前よね。あの娘。」

笑顔で三葉は話してくれた。


まとめると

・容姿がかわいい

・運動神経がいい

・画力もいい

ということだった。

まぁ、あの爆乳美少女だから、かわいいと思うのは当たり前と言えるだろう。

そして、元々からの運動神経と画力も、多分美少女になったことで、さらにそこがクローズアップされているらしい。

美少女で運動神経がいい娘。

美少女で絵が上手な娘。

それは良く見えるわけだ。

…やっぱり世の中は顔らしい。

改めてこの世の現実を見ちゃった気がする。


「という感じなんだが。」

僕はその集めた情報を透桃に報告していた。

「なるほどなぁ…」

透桃は頭をひねっていた。

「こんな薄い情報ですまない…」

「いや、全然構わんぞ、よくここまで集めてくれた。しかし、結構な万能型みたいになってるみたいだなぁ…」

「そういう事になるな。ま、勉強はあんまりみたいだけど。」

「それは、お前が容姿にばっかり振ったからだろ!なんで頭脳に振らない!」

また、透桃が暴れ出した。

「おいっ!この数値じゃなかったらこんなに可愛い女の子になれてないんだぞ!いいじゃん可愛いんだから!勉強は頑張りゃなんとかなるだろ多分…」

「ふむ…そんなに可愛いのか?そこまで言われると少し照れてしまうぞ…」

透桃は少し頬を赤らめている。

手を前に組んで、こっちを上目づかいで見てくる。

…なんなんだろ。その仕草が可愛い。すごい可愛い。さっきからなんなんだろ。普通の動きも可愛く見えた。

そのサラサラの髪が揺れている。

あの面倒くさい一辺倒だった透桃が、すごく女の子らしくなっていた。

あんなに面倒くさい奴で、世話がやける奴だったのに…

僕はまた、その透桃の姿に目を奪われていた。

「ふふ、どうだ〜?私は可愛くしようなんて思ったことなんて無かったから、お前にそんなに可愛いなんて言われることなんて一生で初めてかもしれん。ほら、もっと言ってくれ!」

上機嫌の透桃。

「うん…本当に…すっごい…綺麗だよ…」

僕はなんでかわからないけど呆然としてしまった。

「…ん〜?どうした?」

透桃が前屈みになってこっちを見てきている。

制服と体の隙間から、透桃の”桃”がチラリと見えた。

それで我に帰った。

「…あれ?おい…なんで泣いて…?」

気づいたら、涙が溢れていた。

それと同時に色んな思いが溢れてきた。

「…透桃が…透桃じゃなくなっちゃった気がするんだよ…」

「何を言ってるの…和音…」

「透桃は容姿なんて全然気にしなくって、髪もボサボサで、服もなんも気にしなくって、ダサダサで、しかも俺がいないとできないことばっかりで、それからオタクでそんな話させたら長くって…そんなダサいオタクな幼馴染みだったのに…今の透桃はなんだ…可愛い…本当に可愛いし、なんかみんなからもチヤホヤされて…透桃が遠い存在になっちゃった気が今日したんだ…もっと言えば”透桃”から、”透桃じゃない何かに変わっちゃった気がして…ううっ…」

涙が止まらなかった。

「和音…」

「透桃は、ダサくてオタクの面倒くさい腐れ縁の幼馴染みのはずなのに…」

「和音ぇ!!」

ギュッと、抱きしめられた。

ふにゅんと柔らかい感触を感じる。

「私は、お前によって美少女になったし、少し心も変わってしまったのかもしれない…でも、ほとんど中身は変わってないんだぞ?…お前がいなかったらできない事ばっかりの面倒くさい奴だ…姿が可愛くなったからって、お前との関係は変わらないでしょ?…だから何にも変わんないんだ。一緒。変わらず世話になっちゃうと思うから…これからもよろしく。だから泣いちゃ嫌だ。」

「お前、口調ちょっとわざと女の子っぽくして、アニメ的ななぐさめにするんじゃねえよ…相変わらずめ…」

「よろしく頼む。私の幼馴染みよ。」

「ううっ…」

—————僕はその透桃のたわわな桃…胸の上で泣いた。

すると安心できるような気がした。

透桃の抱きしめ方は、優しく、暖かかった。


感想下さい!!本当に下さいw

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