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第4話 いないはずの姉

姉回です。

なんか要素詰め込みすぎかなあとか思ったりします。

我が家の『いなかったはずの姉』。

遊馬天音。

いなかったはずの存在。

そう、数日前までは──

でも。

周りは何の違和感も感じていないかの如く彼女と関わり、過ごしている。

でも、やはり僕からすれば違和感しかないのだ。

僕は、とりあえず天音を注意深く見ておこうと考えた。

今日は日曜日だ。僕の家族の休日は起きるのが遅くなる。

僕は8時30分からのアニメを見るために起きて、ぼーっとしていた。

「ふあぁあぁ…和音早いわねぇ…」

「あ、おはよー姉さ…うわぁああ!?」

和音は絶対に見てはいけない物を見た気がして、明日の方向を見た。

「ん〜?そんな向こう見ないでこっち見てよ…」

天音が、顔を天音の方向に向ける。

グッと顔を上げられた。和音は一気に顔が赤くなる。

和音の視界には天音のとんでもない大きさの胸が広がっていた。

つやつやで柔らかそうだ。

「えいっ!」「んあっ!?」

顔が柔らかい感覚に包まれる。一瞬何が起きたのか分からなくなったが、すぐに分かった。

「姉さんっ…おっぱい離してぇ…息できっ…ふがっ…」

「あら〜?そんなに柔らかいかしら?」

そう言いつつ離した。

「…さすがにそれはだめだって…その格好も寝巻きだからってさ…」

天音の寝巻きはほぼ下着みたいだった。

下はレース付きのパンツだし、上はノーブラでブラウスみたいなのを着てるが、何年か前のなのか、胸のサイズが合っていない。

上乳はほとんど見えていた。

「え〜?嬉しいくせにぃ〜…」

なんてド変態だろうか。そんな誘ってくるには抜群の体してるくせに。そんなんでそんな格好されたらさすがに興奮してまうだろ…


天音は好の自由さにエロさを加えたような人だ。ひどい表現だが。

とりあえず『いないはず』なのでスマホの連絡先も見てみたが、きちんと『遊馬天音・姉』と登録されていた。

いったいどういうことなのか。

“昔から天音はきちんと存在する…”

そんな事実を突きつけられているような気がしてきた。


「あまねぇ〜」

もうすぐお昼時という頃。

ソファにだらけている好が天音を呼んでいる。

言ってもシングルマザーの好は、仕事も子育ても一人でやっているため、たまに何もしない事がある。

これは仕方ないと思う。

「ご飯作って〜…もう今日は疲れたのよ…」

本当に疲れてそうだ。

「も〜しょうがないなぁ〜…」

天音が面倒くさそうな声で言いながら、エプロンを着ている。

言葉とは裏腹にノリノリじゃないか。

その赤白の水玉のエプロンも可愛く、色気さえ出ている。

ロングの髪を括り、料理を作り始めた。----その姿を何処かで見たことがある気がした。


「はーい。オムライスできたよ〜。」

天音は結構料理スキルがないとできなさそうなオムライスを作ったようだ。

「お母さんみたいに上手くはできないけどねぇ…」

自信なさげに天音が言っている。

でも、見た目はすごく美味しそうだ。

いただきます。

卵にスプーンを入れてみる。

すると、中は半熟でトロッとしていた。とりあえず…ものすごくおいしい。

「そんな恐縮しなくてもいいじゃない。ずっと料理勉強して、腕前は確かなんだから…。」

なるほど、天音は料理を習っているのか。通りでおいしいわけである。

「いや〜、お母さんには全然及ばないから…。」

すごく照れていた。

これはお店に出しても全然問題がないというか、お店に出せるレベルだろう。

好のセンスも受け継いだのだろうか。

僕は、遺伝的にも天音は本当に姉なんじゃないかと思いだした。

僕は、最後に、昔のアルバムを引っ張り出してみることにした。

これに乗っている写真を確認してみようと考えたからである。

まず目についたのは、2年位前に行った旅行の時の写真だった。

そこには笑う和音、鈴音、そして天音の姿があった。

「やっぱりいるし…。」

“天音はいる。”それを突きつけられている。

記憶には確かにないのだ。

僕は1番上のはずで、あれなんていなかったはずだ…

でも、周りの状況は全てその僕の記憶に『NO』を突きつけてきた。みんなが普通に暮らしている。その姿が、そして今目の前にあるアルバムからも『NO』を突きつけられた。

旅行の時の写真の鈴音の胸が大きい。これだけで僕の記憶とは異なっていた。

そして、天音がいる。

僕はもう1枚の写真にも目がついた。

これは僕が小学生になった頃の写真のようだった。

そういえばそんなことがあったような気がした。昔1度だけ家の前で、写真を撮ってもらったことがあった。まさに、その写真であったのだ。

「姉さん…」

そこに、僕が緊張してる顔をしている横で小学2年生の”姉”はピースして笑っていた。

『いないはずの姉』ではなく、『姉』なんだ。

そういうことなんだ。割り切ろう。

姉…天音はいたのだ。と。


「あっれ?和音?」

そこに天音がやってきた。

「あ、姉さん。」

「うっわ〜!こんな昔の写真出してきたの?懐かしいわねぇ〜…この時は和音緊張してて表情硬くてね…これが一番マシだったんだよねぇ〜。」

懐かしそうに話す天音。

「姉さん。一つお願いしたいんだけど…」

「ん?」

「僕に昔の事を話してよ。なんか、曖昧で全然はっきりと思い出せないんだよ…」

ここで記憶の一致をしておこう。そう思ったからだ。

「うーん…私もはっきりとなんか覚えてないけど…いいわ。」

笑顔の天音。

「…あ、じゃあ私からも一つお願いしてもいい?」

にやにやしながら言ってきた。嫌な予感しかしない。

「何?」

「”おねーちゃん”って呼んでくれない?これから。」

「…え?」

「おねーちゃんって。」

「…なんで?てか、高校生にもなっておねーちゃんって何言わそうとしてんの??」

「だってぇ〜!和音だって鈴音から”おにーちゃん”って呼ばれてるじゃない!私だって”おねーちゃん”って呼ばれる権利があるはずよ!!」

「あいつが勝手に言ってるだけだし、鈴音だって”姉さん”じゃないか…」

「だから鈴音にも言ってオッケーもらったんだもん!!」

なんか負けそう…”おねーちゃん”は恥ずかしいぞ…

そう思っていたら、鈴音が部屋の入り口でこっそり覗いていた。

その表情はなんか硬いというか、嫌がっているような顔だ…

彼女の心情をあらわすとこうだ。

『おにーちゃんは特別なの!姉さんは、おねーちゃんって感じじゃないし、呼びたくないなぁ…おにーちゃん、姉さんなんとかしてくれないかなぁ…』

そんな感じだ。え?妄想が激しいだって?いや、だって本当にそんな顔してるからさ…うん。

「いや、姉さん鈴音がすごく無理矢理変えさせられたみたいな顔してるぞ…嫌なんじゃないか?」

「うそぉおおん!!」

「…やだぁ。」

鈴音がボソッと本心を言った。

「うわぁああああぁあ!私、”姉さん”って硬くって嫌なのよぉ!!」

天音がうずくまった。

「おい…どうするよ鈴音。」

「う〜ん…なんかいい呼び方ないかなぁ…」

鈴音が首をひねっている。

うーん…そうだな、天音だろ、あまね。姉…あ、そうか。結構いいかもしれないぞこれは…

僕はいい案を思いつき、鈴音に耳打ちする。

「-----」

「…うん!いいんじゃない?」

鈴音からは好感触だ。

「姉さん…じゃあ”あま姉”ってどう?天音(あまね)(ねえさん)をかけて結構良いと思うんだが…」

天音は顔を上げる。

「う〜ん…まぁまぁいいじゃないの。じゃあそれで妥協してあげるわ!」

指をビシッとこっちに指す。なんのつもりなんだか。

まぁ、これでいいのだろう。

「じゃあ、よろしくねあま姉。」

「は〜いっ!!」

むにゅ。

「うわぁああああ!!だからおっぱい押し付けるなぁあああ!!!!!」

その日の深夜。不意に目覚めた僕の前に、よくわからないものが広がっていた。

ステータス(自) (一覧)

遊馬 和音 (アスマカズネ)

性別 男

B・W・H n/a・n/a・n/a

HP 60 筋力 60 走力 60 頭脳 65 器用 65 容姿 60 精神 60

タイプ ヒト

残り 10

編集

-----なんだこれ?


ありがとうございます。

次回は異能回です。

評価待ってます。

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